Apple Intelligenceついて調べてみる
なぜ作成したのか
- 業務で使用するMacbookでApple Intelligenceを使ってみたいなと思い立った
参考
概要
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Appleが開発したパーソナルインテリジェンスシステム「Apple Intelligence」は、iOS 18.4、iPadOS 18.4、macOS Sequoia 15.4のリリースにより、日本語を含む複数の新しい言語に対応しました。これにより、ユーザーは以下のような機能を利用できるようになります。
- 作文ツール:文章の書き直し、校正、要約が可能で、メール、メッセージ、メモ、Pagesなどのアプリで利用できます。
- クリーンアップ:写真から不要な対象物を削除し、画像を整理できます。
- Image Playground:テーマやコンセプトを選択して、ユニークな画像を簡単に作成できます。
- ジェン文字:独自の絵文字を作成し、コミュニケーションをより楽しくします。
- 画像マジックワンド:メモ内のラフスケッチを洗練された画像に変換します。
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これらの機能は、ユーザーのプライバシーを保護しながら、デバイス上での処理を基本としています。
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以下に、Apple Intelligenceと他の主要なAIモデルであるChatGPT、Claude、Geminiの比較表を示します。
機能・特性 | Apple Intelligence | ChatGPT | Claude | Gemini |
---|---|---|---|---|
開発元 | Apple | OpenAI | Anthropic | |
主な機能 | 作文ツール、クリーンアップ、Image Playground、ジェン文字、画像マジックワンドなど | 文章生成、質問応答、コード生成など | 高度な安全性と倫理性を重視した対話型AI | マルチモーダル処理、創造的なタスク、研究用途に適したAI |
言語対応 | 日本語を含む複数の言語に対応 | 多言語対応 | 主に英語対応 | 多言語対応 |
プライバシー保護 | デバイス上の処理を基本とし、プライバシーを重視 | クラウドベースの処理、プライバシー保護は提供元のポリシーによる | 安全性と倫理性を重視した設計 | クラウドベースの処理、プライバシー保護は提供元のポリシーによる |
統合性 | iOS、iPadOS、macOSに緊密に統合され、シームレスなユーザーエクスペリエンスを提供 | 独立したアプリケーションとして動作し、他のアプリとの統合は限定的 | APIを通じて他のシステムとの統合が可能 | Googleのエコシステムと統合され、他のGoogleサービスとの連携が可能 |
利用可能なデバイス | iPhone、iPad、MacなどのAppleデバイス | ウェブブラウザ、専用アプリを通じてアクセス可能 | ウェブベースでアクセス可能 | ウェブブラウザ、専用アプリを通じてアクセス可能 |
価格 | Appleデバイスに組み込まれており、追加料金なしで利用可能 | 基本機能は無料、高度な機能は有料プランあり | 一部機能は無料、高度な機能は有料プランあり | 基本機能は無料、高度な機能は有料プランあり |
特筆すべき強み | デバイス上での高度なプライバシー保護と、Apple製品との深い統合により、ユーザーエクスペリエンスが向上 | 幅広い知識と柔軟な対話能力を持ち、多様なタスクに対応可能 | 安全性と倫理性を重視し、リスクの高いタスクに対する堅牢性が高い | マルチモーダル処理能力とGoogleサービスとの連携による高い利便性 |
制約・注意点 | Appleデバイス以外では利用不可、他のプラットフォームとの互換性が限定的 | プライバシーやデータ保護に関する懸念が指摘されることがある | 利用可能な情報源やデータセットが限定的で、特定のトピックに対する知識が不足する場合がある | 特定の地域や言語での利用に制限がある場合があり、最新の情報やトレンドに対する対応が遅れることがある |
- この比較から、Apple IntelligenceはAppleデバイスユーザーにとって、プライバシー保護とシームレスな統合性を提供する優れた選択肢であることがわかります。
「ユーザーのプライバシーを保護しながら、デバイス上での処理を基本とする」とは
- Appleが「ユーザーのプライバシーを保護しながら、デバイス上での処理を基本としています」と言うとき、それは以下のような意味合いを含みます:
✅ 含まれる意図(Appleのプライバシーポリシーに基づく)
-
入力・出力データがAppleのサーバーに送信されない(または最小限にとどまる)
→ 多くの処理をiPhone、iPad、Mac上で完結させることで、外部にデータが出ないようにしています。 -
ユーザーのデータは個人にひもづけられない形で処理される
→ たとえAppleがクラウド処理をする場合でも、データを匿名化し、個人の識別ができないようにする設計です。 -
ユーザーのデータはモデルの学習に使用されない
→ Appleは明示的に「ユーザーのデータは個別の同意なしにモデルの再学習に使わない」としています(2023年以降の方針で繰り返し強調されています)。
❌ 含まれないこと(Appleの立場と対比して)
- Appleは生成AIによる改善のためにユーザーデータを使うオプトイン(同意)制度を導入している可能性がありますが、デフォルトではユーザーデータをAIの再学習に使わない方針です。
- これは、OpenAIやGoogleなどの一部サービスがデフォルトでユーザーの対話ログをトレーニングに活用することと対照的です(多くの場合オプトアウトが必要)。
補足:Apple Intelligenceにおける「Private Cloud Compute」
Appleは必要に応じてクラウドベースのAI処理(Private Cloud Compute)も使用しますが、その際も:
- 処理データは一時的に利用され、保存されない
- Appleですらその処理結果を閲覧・蓄積できない
- 独立した監査が可能な設計で、透明性を担保
といった非常に強いプライバシー制約を設けています。
結論:
- 「ユーザーのプライバシーを保護しながら、デバイス上での処理を基本とする」という説明は 「入力・出力データをモデルの学習に使用しない」 という意図を含みます。
- Appleはその点を明確に設計哲学として打ち出しており、他社とは一線を画したアプローチです。
Apple IntelligenceのSLAについて
- 現時点(2025年4月1日)でAppleが提供している「Apple Intelligence」について、明確なSLA(Service Level Agreement:サービス品質保証契約)や稼働率の保証など、一般的なSaaSで見られるような保証内容は明言されていません。
🔹 Apple Intelligenceの提供形態とコストについて
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追加料金なし
Apple Intelligenceは、対象となるAppleデバイス(iPhone 15 Pro以降など)を使用していれば、追加料金なしで利用可能です。 - Apple製品の一部として提供される機能であり、単独のサブスクリプションやサービス契約ではありません。
🔸 SLAに関する情報
Apple公式の発表・ニュースリリース・開発者向けドキュメント(2025年3月末時点)では:
項目 | 状況 |
---|---|
稼働率の保証(99.9%など) | ❌ 記載なし |
応答時間の保証(処理速度など) | ❌ 記載なし |
ダウンタイム補償 | ❌ 記載なし |
サポート体制のレベル | ✅ AppleCareや通常のサポート窓口は利用可能(ただしAI機能自体の問題解決保証は明言なし) |
監査ログや利用状況の提供 | ❌ 利用者への提供はされていない(開発者向けのログも限定的) |
🔹 Appleのスタンス(文脈から読み取れるもの)
- Apple Intelligenceは、SiriやSpotlightなどの延長線上のOS機能として提供されており、商用APIやB2B向けAIサービスとは異なり、厳密な可用性保証を前提としたサービスではないと考えられます。
- 「Private Cloud Compute」の設計思想としては、使えるときに使い、使えないときでも端末側でできる限りの処理を行うというフォールバックモデルが想定されており、明示的に「常時可用性を保証」する構造ではありません。
📝 まとめ
項目 | Apple Intelligenceの現状 |
---|---|
サービス料金 | Appleデバイスに含まれ、追加料金なし |
SLAの明記 | ❌ なし |
プライバシーと安全性 | ✅ 非常に高い(オンデバイス処理 + Private Cloud Compute) |
ビジネス利用の可用性・信頼性 | △ 明確な保証なし、ミッションクリティカルな用途には不向き |
Apple Intelligence のハードウェア/ソフトウェア要件
はい、Apple IntelligenceをMacBookで使用するためには、ハードウェアとソフトウェアの両方において特定の要件を満たす必要があります。2025年3月時点のApple公式発表に基づく情報を以下にまとめます。
✅ Apple IntelligenceのMac対応要件(2025年3月時点)
🖥 ハードウェア(Macの機種)要件:
- Appleシリコン搭載Mac が対象(Intel搭載Macは対象外)
- 特に以下のチップを搭載したモデル:
- M1チップ以降(M1、M2、M3)
ただし、機能によってはM1では一部制限がある可能性があるため、Appleの実装優先度や最適化の観点からはM2以降推奨の傾向があります。
💻 対応Macの例:
Macモデル | 利用可能性 |
---|---|
MacBook Air (M1, 2020) | 一部機能は利用可能 |
MacBook Air (M2, M3以降) | フル機能の対象 |
MacBook Pro (M1 Pro/M1 Max以降) | 対象 |
Intel MacBookシリーズ | ❌ 非対応 |
🧠 ソフトウェア(OS)要件:
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macOS Sequoia 15.4 以降が必要
→ Apple Intelligence対応バージョン(2025年3月に多言語対応としてリリース)
所感
- 業務macbookはM1機なので、OSは対応できても提供機能には制限がある模様
- 残念だけどUI位は確かめておきたいところ。明日アップデートしてみよう
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