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ClaudeのprojectsとChatGPTのWorkspace
なぜ作成したのか
- なにやら自社へのClaude導入が計画されているようなので下調べしておく
1. 「Claude Teamプランのprojects」と「ChatGPT TeamプランのWorkspace」の概要
両サービスとも、企業・チーム向けにアカウント管理や共同利用を容易にするための「組織・チーム向けプラン」を提供していますが、実装・概念に若干の違いがあります。
Claude Teamプランのprojects
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目的・コンセプト
Claude(Anthropic社)のTeamプランでは、チームメンバーが共同で利用する際に「Projects」という概念を用いて作業をグルーピングします。- 各Projectごとにトピックや目的を分けて、大規模言語モデルの活用状況を管理しやすくする。
- タスクやドキュメントをProject単位で整理できる。
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運用イメージ
- プロジェクト(タスクや目的が近い作業のまとまり)ごとにやりとりの履歴や資料を紐づけて管理し、チーム内で共有・編集できる。
- 例えば「マーケティング分析プロジェクト」「社内FAQ作成プロジェクト」などのように分けることで、やり取りの文脈を切り替えやすい。
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権限管理
- Projectsごとにアクセス権限や招待が設定可能なケースが多い。特定メンバーだけが閲覧・編集できるProjectを作ることも想定される。
- 管理者権限を持つユーザーがProjectの作成・削除、メンバー管理が可能。
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データの扱い
- Anthropicのポリシー上、Teamsプランでは企業利用向けにより厳格なデータ取り扱い・セキュリティ対策を提供している場合がある。
- Project単位のデータ蓄積や検索が可能(チャット履歴の保管・呼び出しなど)。
ChatGPT TeamプランのWorkspace
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目的・コンセプト
OpenAIのChatGPTをチーム/組織向けに提供する際に、**「Workspace」**という単位でユーザを束ねて管理します。- チーム内で共通の設定や共有会話、リソースを扱いやすくする。
- 拡張プラグインの導入、API連携の設定などをWorkspace全体で統一管理する。
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運用イメージ
- 1つのWorkspaceに複数ユーザー(メンバー)が所属し、その中で会話履歴やプロンプトを共有できる。
- 部署ごと・チームごとにWorkspaceを分けることで、部署内だけで利用している会話や情報を隔離しつつ、管理者は複数Workspaceを一元管理できる。
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権限管理
- Workspaceには「管理者(オーナー)」「エディタ」「閲覧者」などのロールが割り当てられる。
- チームメンバーをWorkspaceに招待し、必要に応じて権限を付与。
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データの扱い
- ChatGPT EnterpriseプランやTeamsプラン相当では、組織が会話データをコントロールしつつ、OpenAI側に学習データとして流用されないようにする設定が用意されている。
- Workspace内の会話履歴やファイルはメンバー間で共有され、API連携を行う場合にも同じWorkspaceのAPIキーを共有する運用もできる。
2. 機能や性質の主な違い
観点 | Claude Teamプラン (projects) | ChatGPT Teamプラン (Workspace) |
---|---|---|
基本概念 | プロジェクト単位で作業をグルーピング | ワークスペース単位でチーム全体をまとめる |
利用の範囲 | プロジェクト毎にドキュメントやチャットを整理 | ワークスペースに所属するメンバー全員で共有 |
用途イメージ | タスク指向・目的別の小グループ管理 | チーム全体・部署単位の大きめの枠組み管理 |
権限管理 | Project作成者や管理者が参加メンバーや可視範囲を設定 | Workspaceオーナー/管理者が全ユーザーを管理 |
履歴/ログ管理 | Projectごとにチャット履歴や出力物を保持 | Workspace単位で全会話ログを管理(会話単位にフォルダ分け等も可) |
プラグイン/拡張 | (Anthropic公式・外部連携次第) 基本はProject単位で設定 | OpenAI公式プラグインやAPI、Workspace単位で拡張管理 |
セキュリティ | Enterprise向けプランではプロジェクト単位のアクセス制限 | Workspace全体のポリシー設定(SSO連携、データ保護など) |
大まかには以下のように捉えられます。
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Claudeの「projects」は
より「トピックごとの作業単位」にフォーカスしており、小さめのタスクグループを立てて柔軟に運用しやすい設計。 -
ChatGPTの「Workspace」は
まず大きく「組織・部署・プロダクトチーム単位」でフレームを作り、その中でさらにフォルダなどを用いて会話を管理するイメージ。
3. 両方を活用するベストプラクティス例
Claude Teamプランのprojectsを活用する場合
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トピックごと・目的ごとに明確なProjectを設定
- 例:
- 「顧客問い合わせ自動応答のAI検証プロジェクト」
- 「社内向けFAQ集約プロジェクト」
- 「マーケティングレポート生成プロジェクト」
- メンバーは必要なプロジェクトのみ参加させ、情報過多を避ける。
- 例:
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Projectごとにチャット履歴やドキュメントを集約
- プロジェクト単位で成果物(提案書、Chatbotのプロンプト集など)を蓄積していく。
- 後から他プロジェクトとの情報を比較したり、テンプレを流用しやすい。
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エクスポートやアーカイブ運用
- プロジェクトが完了したらアーカイブしてデータを保管しておくことで、類似案件が発生した際に再利用しやすくする。
- 業務ごとに完結する性質が強い場合に有効。
適したケース
- 短期~中期のプロジェクトが複数走り、その都度流動的にメンバー・タスクが変わるような環境。
- AIチャットを利用した実験やPoC(Proof of Concept)が多数並行する状況。
ChatGPT TeamプランのWorkspaceを活用する場合
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まずは組織/部門ごとにWorkspaceを切る
- 例:
- 営業部Workspace
- 開発部Workspace
- 人事部Workspace
- 部署単位でのデータの一元管理やセキュリティポリシーを簡単に設定しやすい。
- 例:
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Workspace内でフォルダ/プロンプト集を共通管理
- ChatGPTのEnterpriseやTeamsプランでは会話をフォルダ分けしたり、シェア用のプロンプトテンプレートを登録できる仕組みが存在する場合がある。
- ログや出力結果を検索しやすいように整備する。
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必要に応じて追加のWorkspaceを作成
- 大きめの新規事業や、外部パートナーとの共同作業を隔離したい場合などに別Workspaceを作成する。
- 内部情報と外部公開範囲を明確にわける運用がしやすい。
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SSOや社内ID管理と連携し、オンボーディングをスムーズに
- 組織メンバーが増減してもWorkspaceに対するアクセス権付与を一括管理可能。
- セキュリティポリシーやデータ取り扱いも部署単位で設定できる。
適したケース
- 部署全体で継続的にChatGPTを活用し、長期的にプロンプトやノウハウを蓄積したい場合。
- 複数の社内組織(営業・人事・カスタマーサクセスなど)がそれぞれChatGPTを利用するが、機密情報や会話履歴を明確に分離したい場合。
4. 使い分け・併用の考え方
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チーム/組織全体でのルールを先に定義してから、ツールの選択・プラン設計を行う
- 例:社内利用時に「部署単位で管理・共有をしたいのか」「プロジェクトごとに小回りを効かせたいのか」。
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Claudeの高品質な要約やドキュメント処理能力と、ChatGPTのプラグイン連携や多様なAPIエコシステムを併用
- Claudeは長いテキストの取り扱いが得意で要約性能に優れ、ChatGPTは高度なプラグインやコード補完、API連携が充実している。
- お互いのメリットを生かしながら、プロジェクト管理はClaude、チーム全体のベース会話はChatGPTなど、使い分ける企業も多い。
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データ保護・機密保持の観点で、どちらもチームプランでの利用が望ましい
- 個人アカウントでの使い回しはリスクが高く、プロジェクトやWorkspaceに応じた権限管理が企業・組織利用では必須。
所感
- Claudeはさらにナレッジベース機能が提供されている。社内文書を簡易に取り込めるので、もしかしたらChatGPTより共有に向いている可能性がある。
- とはいえトークン数、ファイルサイズの上限はあるし、画像などは使用できない点もありすべては賄えない。
- 一旦全体共通ナレッジベースの構築は置いといて、使い慣れてもらうのを優先したほうがよさそう。
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