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JJUG CCC 2025 Spring 参加レポート

に公開

はじめに

こんにちは!BABY JOB 開発部です!
この記事は 2025/6/7 に開催された JJUG CCC 2025 Spring へ参加してきたメンバーによる参加レポートです!

この記事を書いたメンバー:mackey0225いずみはらyamadetani33、chayaka

会場画像

JJUG CCC とは

以下公式サイトより引用

「JJUG CCC は日本最大のJavaコミュニティイベントです。Java 関連の技術や事例に関する良質なセッションが行われ、また異なる分野で活躍するJava技術者が一堂に会する場ともなっています。」

(引用元:https://ccc2025spring.java-users.jp

参加セッションの感想

シンプルは作れる! - 実験からも見えてきたイミュータブルデータモデルの効果 / gishi_yama、川島 義隆、清川 佑真

セッション資料

話としては、最初に川島さんが本質的な複雑さの話から、そのひとつの道筋としてイミュータブルデータモデルの説明に移り、後半では、山川さんと清川さんによる実際に大学の研究室での実験を通して、学生でイミュータブルデータモデルとそうでない場合を比較した話をされていました。

個人的には、川島さんの話の中であった「いつの時代も本質的な複雑さは変わらない」という点は言われてみれば確かにとなった点で、Complex と Complicated との違いなど自分の中で整理ができていない部分でした。
トークの後も、イミュータブルデータモデルに関して質問ができ、業務でどう活用していくか考えるきっかけになりました。

コメント:mackey0225

楽天24 のレガシー基幹システム大刷新 ~Seasor2 から Spring Boot へのフルリプレイス / Tatsuru Higurashi

迅速なビジネス要求のなか、多様な商品形態に多様なテナントで複雑化しレガシー化してしまったシステム...私たちのおむつサブスクのシステムとどこか親近感(幸い、セッションにあったような状況にはありませんが)を覚えながら聴講しました。

困難な問題をやりきると果敢に宣言し、明確なスコープを設定して可解な形で捉え、人間関係の繊細な問題に向き合い前へ進める姿は、エンジニアとして「こうならなくては」と思えるものでした。

プロジェクトをやり遂げた上で「今のレガシーシステムも当時の開発者の苦難の末生み出した当時の最善だったのだ」と過去の開発者をリスペクトする姿勢を出しておられたのが特に印象的でした。

技術スタックは違えど、考えてみればリプレイスというのは過去の開発者が正面から向き合った問題と同じ問題に取り組むことです。

開発者にとって「今自分の目の前にある問題を一番深く分かっているのは自分だけ」という考えを持っていましたが、過去の開発者だけは同じ場所に立ったことがあるわけで、問題に真摯に向き合うほど自然とそういう考えになるのだろうと感じました。

コメント:いずみはら

これならできる! Kotlin・Spring・DDD を活用した All in one のマイクロサービス開発術 / Tamio Ishii

知識量・技術力があるとシステム開発ってこんなに自由なんだ〜と気づきを得られました。

要件上変更頻度が低いと期待してあえてインフラ層への依存を逆転させずレイヤードアーキテクチャを採用するなど、あらゆるレイヤーで「とりあえず」を嫌った、鮮やかなセッションでした。

普段 Java・オニオンアーキテクチャで開発をしていますが、時々リッチすぎると感じられるときもあったので、(隣の芝が青く感じる効果もあるだろうけど)聞いてて浄化される感じがしました。

自分に同じような場面が訪れたときに同じように良い開発をできるためには、手札を増やしておくことが大事なのだろうなと。「業務の中で目の前に現れる問題に一つ一つ向き合うこと(だけ)で技術者で成長していこう」という考えを改めるきっかけになりました。

コメント:いずみはら

OpenJDKエコシステムと開発中の機能を紹介 / Chihiro Ito

セッション資料

基礎的な話が大好きなので、普段使っている Java の基礎について知ることができてよかったです。
知らないことだらけでしたが、LLM を通してこれからキャッチアップしていくには十分すぎる情報を得られました。

普段馴染みのない、言語自体の開発の話を、実際の開発者から生の声で聞けたことも大きかったです。
Java のバージョンアップに今後注目したい気持ちになりました。モノだけじゃなくモノを作る人まで知ることでモノ自体の興味が高まるのはIT業界でも変わりませんね。

コメント:いずみはら

Mutation Testing のプロジェクト実践 / Gaku Amano

Mutation Testing という言葉をセッションを聞くまで知りませんでした。
テストコードの品質をテストするという考えがなかった私にとってはとても印象に残りました。

テストコードを書いて満足するのではなく、書いたテストコードの品質を評価するという部分がとても大事だなと感じました。
Java 向けの Mutation Testing Tool である PIT を使用した実践方法の紹介も興味深いものでした。

今後はただテストコードを書くだけでなく、そのテストが本当に信頼できるものなのか、品質を評価するというところにも意識を向けたいと思います。

コメント:yamade

事業戦略を理解してソフトウェアを設計する/masuda220

セッション資料

現在、私が所属する開発チームで『ドメイン駆動設計をはじめよう』の輪読会を開いています。本書の翻訳者のお一人である増田さんのセッションということで、より理解を深めるために参加しました。

まず、ソフトウェアエンジニアリングにおいて事業を理解することの重要性が語られました。以下の点が特に印象に残りました。

  • 常に優先順位の高い部分から設計を洗練させていくことが大切であること
  • スタートがきれいな設計でも、仕様変更を経て大きな泥団子は生まれること
  • 事業戦略を理解することで設計判断が変わる

また、事業の成長と設計の連鎖についてのお話がとても参考になりました。
事業が成長すれば業務領域のカテゴリが変わり、それに伴って設計方針も変化する。この連鎖を意識し、事業フェーズに合わせて常に「今、何が重要か」という優先順位を考え続ける必要がある、とのお話でした。この視点は、現在私が関わっているプロダクトの機能追加や仕様変更に、今後活かしていきたいと感じました。

また、セッションでは『ドメイン駆動設計をはじめよう』が事業戦略の「理解の仕方」についてはあまり触れていない点が指摘されていました。私自身も読んでいる中で感じていたことだったので、次の一冊としておすすめされていた『〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略』もぜひ読んでみたいと思います!

コメント:chayaka

Feature Flag 開発を標準化し、加速させる Open Feature を導入する / SatohJohn

セッション資料

話としては Feature Flag とはという話と、またそれのメリット/デメリット。そして Open Feature の活用方法、そしてデモという流れでした。

Feature Flag 自体は特定の機能のオン/オフを切り替えるもので、その特定の機能はソースコード上リリースするがユーザーには反映されないなどそういう使い方をする機能という認識でした。しかしそれだけではなく「機能の切り替えの効果測定(A/Bテスト)」や「機能追加に失敗したときにロールバックしたい」という使い方もできることを初めて知りました。

Open Feature 周りの話はおそらく大規模開発になった際に利用するものなのかなという認識でしたが、Feature Flag を便利に管理できるようになるらしくなおかつプロパイダーを自由に選択でき、ベンダーロックインの回避もできるので開発速度の向上が期待できるものと認識しました。

Feature Flag 自体は使いすぎると Feature Flag 自体を管理するコストが問題になってくるものだと思いますが、色々な使い方もでき基本的にはメリットの方が上回るはずなので必要になった際には Open Feature を含めて検討できるようになりたいなと思いました。

コメント:tani33

終わりに

今回初参加の若手メンバーも多かったですが、技術カンファレンスに参加する意義の大きさを感じるきっかけになりました。

AI で情報収集スピードが爆発的に向上した昨今ですが、

  • 1日スイッチを ON にして情報収集に徹する
  • 同じ業界で働いているヒトや会社のことを知る

ことは技術者としてとても価値があるし、それはいまだにこういった場でないとなかなか享受できないなと。
得るものの多い充実したイベントだったと思います!

以上、JJUG CCC 2025 Spring 参加レポートでした!

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