カメラマンとしての活動にアジャイルの知識が活かされた
こんにちは〜!BABY JOB株式会社のたかしろです。
私は普段、"Scrum Master as a Project Manager" [1]という役割を自称し、手ぶら登園というサービスの開発に従事しています。
一方で、趣味として写真撮影も楽しんでいます。家族・友人などのポートレートを撮影するのが特に好きで、最近は趣味が高じて会社から撮影の依頼[2]をいただくことも増えました。
今年10月に開催された全社懇親会でもカメラマンしました
記事を書こうと思った背景
アジャイル・スクラムは、主にソフトウェア開発の文脈で出会うことが多いと感じます。しかし、スクラムガイドには、スクラムがシステム開発に限らないことが明記されています。[3]この点を踏まえると、クリエイティブな活動や日常のプロジェクトにも応用できるのでは?と考えたのが始まりです。
そんな中、昔から仲の良い友人から音楽イベント用のフライヤー撮影を依頼されました(以下、友人を依頼者と表現します)。丁度良い機会だと思い、撮影案件を通して様々な場面でアジャイル・スクラム文脈のナレッジを意識したところ、結果として想定よりも良い写真が出来たので、本当に嬉しく感じました。
この記事では、撮影のプロセスの中でアジャイルがどのように活きたのかを紹介しつつ、「アジャイルは仕事以外でも活用できる」という視点をお伝えできればと思っています。この撮影案件の全体像を説明したうえで、各フェーズでどのようにアジャイルが活きたのかをご紹介します。
写真ができるまでの流れ
撮影の全体的な流れとしては、以下の3つのフェーズに分かれます。
- 事前準備: 依頼者とイメージをすり合わせ、撮影内容や準備事項を整理する。
- 撮影中: 依頼者とともに撮影を進める。
- 写真の選定: 編集された写真をもとに、フライヤーに利用する写真を選ぶ。
これらのフェーズごとにアジャイルで学んだ考え方を活用することで、依頼者の満足度の高い写真を仕上げることができました。それでは、それぞれのフェーズでどのように活きたのかを具体的に紹介していきます。
アジャイルの知識が活きたタイミング
事前準備:Readyな状態にする
撮影の依頼を受けた段階では、「都会的な、おしゃれなイメージ」とざっくりとした要望をいただきました。そこで、イベントのコンセプトやターゲット層、ロケーションの情報をヒアリングし、近いイメージとして考えている写真を共有してもらいました[4]。また、実現したいことや表現したい要素に優先順位を付け、全員で共有することで、当日に向けた具体的なイメージが固まりました。
さらに、具体化したイメージをもとに、当日の撮影をスムーズに進めるための準備も確認しました。モデル[5]のヘアメイクや衣装の準備、アクセサリなどの必要品について、誰がどのように対応するかを依頼者とすり合わせ、不明点を解消しました。
このように不確実性を減らし、撮影を「Readyな状態」にするステップを経たことで、当日は撮影することに集中できました。[6]
撮影中:フィードバックループを小さく回す
撮影当日は、依頼者とリアルタイムで進捗を共有しながら進めました。
特に有効だったのは、撮影した写真をその場で見てもらい、依頼者のフィードバックをすぐ撮影に反映するプロセスでした。仮で撮影した写真を見て、「背景に撮影場所がわかる情報を入れたい」というリクエストを受けてカメラアングルを調整したり、「よりアンニュイな表情が欲しい」という希望に応じてモデルの表情管理を工夫しました。
このように、フィードバックループを小さく回しカイゼンを進めたことで、大幅な方向性のズレを防ぐ事ができました。また、依頼者のイメージに沿った写真だけではなく、カメラマンとしてパターンを提案することもできました。
写真の選定:プロダクトゴールの意識
編集された撮影素材からフライヤーに採用する写真を選定する段階では、予想以上に魅力的な写真が多かったので難しかったです。そこで、「今回のイベントコンセプト・事前に会話したフライヤーのイメージから考えて良さそうなものはどれか」という観点を提案しました。すると、「この写真はポートレートとしては素敵だけど今回のイベントには合わない」「この写真はイベントコンセプトにぴったり」などの意見、目的を意識しながら選定を進められました。
このように、イベントやフライヤーの「プロダクトゴール」を明確にすることで、選択の判断がブレることなく納得感のある選定ができました。プロダクトゴールは、目指すべき方向性を示す指針であり、チームが一丸となって進むための基準です。同様に、撮影案件においても「今回のフライヤーで何を伝えるべきか」という軸が成果物を評価する重要な基準となりました。
撮影案件の結果
最終的に完成したフライヤー[7]はこちらです。
BOOGIE GOD HOTEL、記事公開日がイベント当日です
依頼者を含め関係者から大変好評をいただきました。特に、「イベントのテーマをしっかり反映した上で、期待以上の仕上がりになっている」言っていただいたときは、とても嬉しく感じました。
まとめ
今回の撮影案件を通じて、アジャイルで学んだ考え方やプロセスが、趣味である写真撮影においても役立つことを実感しました。特に、依頼者との「目的の共有」や「柔軟な進行の調整」、「逐次確認による方向性の確認」といったステップが、満足度の高い成果物を生む鍵になったと感じています。
この記事でお伝えしたかったのは、「アジャイルの知識は仕事だけでなく、日常の様々な活動にも応用できる」ということです。趣味やプライベートのプロジェクトなど、身近な場面でもアジャイル的なアプローチを試すことで、新たな発見や成果につながる可能性があります。
この記事が、読んでいただいた皆さんが新しい価値を想像するためのヒントになれば幸いです。
(そして、カメラマンとしてのご依頼もお待ちしております!笑)
私たち BABY JOB は、子育てを取り巻く社会のあり方を変え、「すべての人が子育てを楽しいと思える社会」の実現を目指すスタートアップ企業です。圧倒的なぬくもりと当事者意識をもって、こどもと向き合う時間、そして心のゆとりが生まれるサービスを創出します。baby-job.co.jp/
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