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仕事のためのテキストコミュニケーション

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先輩に投げた質問チャットの回答がなかなか返ってこない…

こんな経験、ありませんか?

この場合、先輩が忙しすぎる可能性もありますが、
自分自身が読みづらいメッセージを送っている可能性もあります。

もし読みやすいメッセージを送ることができれば、返信率が上がるかもしれません。

エンジニアの仕事はコードを書くことだけではなく、チームでの情報共有も非常に重要です。
この記事では、テキストコミュニケーションがうまくなるヒントを紹介します!

自己紹介

株式会社BTMの札幌ラボでエンジニアをしている糸井です。
前職はコンサル会社で、コンサルタント・QA・エンジニアの1チームでPJ~保守まで対応していました。
現職では請負案件や、スタートアップ企業のスピード感ある開発に携わっています。

ではさっそく見ていきましょう!

目次

  • テクニック編
    • 読み手にして欲しいことを最初に書く
    • 一文一意
    • 不要な言葉を消す
    • 箇条書きを使う
    • 回答を最初に書く
  • 心構え編
    • 相手にとって読みやすく
    • 自信を持つ

テクニック編

✅ 読み手にして欲しいことを最初に書く

最初に【仕様確認】【決裁依頼】など、目的を明確に伝えるのがポイントです。

相談を受けるときによく見るのが、聞き手が何をすればいいのかパッと分からない長文です。

お疲れさまです。
~~について~~をしていたんですが、~~が発生しています。
~~をしたいんですが、さらに~~という問題もあり、~~かもしれないと思っています。
前回は~~だったんですが、~~が~~だったので~~でした。
糸井さんならどうするか訊いてみたいと思って連絡しました。

改善案

【質問】
糸井さんならどうするか、意見をいただけませんか?

- ~~をしたい。
  しかし~~が発生している。
- さらに~~という問題がある。
  推測:~~かもしれない。
- 前回は~~だった(https://‥‥)
  - ~~にした背景:~~が~~だったため

糸井さんならどうしますか?

最初の2行を読んだとき、最後まで目を通したくなるのは後者だと思います。
自分が何をすべきか が、明確だからです。

✅ 一文一意

「~~~なのですが、一方で、~~~」などと文章を続けると、読みづらくなります。
一文一意にしましょう。

一文一意は、先ほどの「読み手にして欲しいことを最初に書く」の例でも活用しています。

~~について~~をしていたんですが、~~が発生しています。
~~をしたいんですが、さらに~~という問題もあり、~~かもしれないと思っています。

改善案

~~をしたい。
しかし~~が発生している。
さらに~~という問題がある。
推測:~~かもしれないです。

横に間延びすると見にくくなるので、短く言い切ることも効果的です。
事実と私見を分けるということも、読み手に優しくなるテクニックです。

✅ 不要な言葉を消す

過度な敬語や冗長な表現は、読みづらさになります。
チーム内でのやりとりなら、思い切って消してしまうと読みやすくなります。

お疲れさまです。
昨日ご共有させていただいた内容につきまして、ご確認のうえ、フィードバックをいただけますと幸いです。
現在、要件の整理をもとに、具体的な改善方針の検討を進めておりますが、今後の進行にあたり、糸井さんの
ご承認とご指導を賜りたく存じます。
よろしくお願いいたします

改善案

【確認依頼:急ぎ】
昨日の〇〇、今日の午前中に確認お願いします!
明日クライアントに出すので急ぎです。

リンク:https://‥‥

同じ「確認して欲しい」というメッセージですが、前者は読むのが大変です。
仕事の関係の場合、あくまで仕事を進めることが最重要です。
上司やメンバーに失礼をしないことではありません。

特に重要な内容は、ひと目見て分かる工夫をした方がよいです。

✅ 箇条書きを使う

いくつも書き並べる場合は、箇条書きで塊を作ると読みやすくなります。
漏れをなくしやすいというメリットもあります。

Usersテーブルのカラムのname, link, user_file_id, company_position,
profile_s3_path, thumbnail_pathの日本語名はどうしますか?

改善案

【依頼】usersテーブルの日本語カラム名を決めてください。
〆切:明日5/27の13時。
以下6個の日本語名を決めて欲しいです。
- name
- link
- user_file_id
- company_position
- profile_s3_path
- thumbnail_path

よろしくお願いします!

パッと見て、横並びより縦の方が視認性がよくなります。

✅ 回答を最初に書く

相手からの質問は、まず1文目で返しましょう。
質問に対する返答は、結論ファーストが鉄則です!

先輩からの質問例
〇〇の件って✕✕だっけ?

NG例:

〇〇の件って✕✕だっけ?

〇〇の件ですが、以前△△の対応をしていて~~です。
~~さんから~~とレビューをもらったので~~をしました。
~~で、結果的に✕✕になります。

OK例:

〇〇の件って✕✕だっけ?

はい、✕✕です。

以前△△の対応をしていて~~だからです。

とにかく結論ファースト。
分からない場合も「分からないです」と一文目に書きましょう。
参考情報があるなら載せると親切です。

すみません、分からないです。

~~さんがPJ-xxxで対応したことは覚えています。
https://github.com/xxx/pull/xxx

心構え編

✅ 相手にとって読みやすく

テクニックの根底にあるのは、「相手にとって読みやすく」という思いです。
チャットツールやチームカラーによっては、使わない方がいいテクニックもあるかもしれません。

思い切って「どんなテキストが見やすいですか?」と確認してみれば、今後のコミュニケーションロスが減らせると思います。
私も1on1などでたまに聞いています。

✅ 自信を持つ

特に経験年数の浅いメンバーから、次のような相談をよく受けます。

「相手の邪魔をしないかな」と考えてしまって、メッセージを送りづらい。

相手を尊重する気持ちが不安を生んでいるようです。
この不安は、相手への思いやりの表れ方のひとつだと思います。

経験則ですが、その思いやりはメッセージを送っても送らずとも、いつもにじみ出ています。

にじみ出ている思いやり

例えば、文章の長さにもにじみ出ます。

「はい/いいえ」だけで返せる質問に対して、背景をたくさん書いたことはありませんか?
(そして「読みづらい」と言われるまでが1セット)
そのとき、「読みづらくしたい」 なんて気持ちではなかったでしょう。
むしろ 「相手が欲しい情報を的確に渡したい」 から、たくさん書いたはずです。

思いやりがにじみ出るのは、テキストメッセージに限りません。
連絡が来るタイミング・アポの取り方・選んだ言葉・話し方からも、私は感じます。

周りの人はどう感じているか

"私の場合は" ですが、そういった人からメッセージを受け取るたびに、「葛藤しながら書いたんだろうな」とありがたさを感じます。
そしてそのメッセージが今までより端的で分かりやすければ、さらに嬉しくなります。

結論

長くなりましたが、この章で伝えたかったことはこんなメッセージです。

あなたが「『相手の邪魔をしないかな』と悩む、思いやりがある人」だということは、重々感じています。
その上でメッセージが送られてきても、失礼に感じません。
だから、送るか迷ったときは、堂々と送って大丈夫です。


おわりに

実は私は、テキストメッセージが「読みづらい」と言われた人間です。
最後の章は、相談をくれる人と過去の自分を重ねつつ書きました。
端的に書けなかったので、この記事のテクニックからは逸れてしまいました。申し訳ありません!

ただ、テキストでのやりとりは、ちょっとした工夫でお互いに気持ちよく、スムーズにできるようになります!
これを読んでくれたあなたのコミュニケーションが、ちょっぴり楽になることを願っています。

BTMにはエンジニアにもビジネスサイドにも、気持ちよくコミュニケーションを取れるメンバーが大勢います。
それが、私が感じるBTMの魅力のひとつです。
ご応募をお待ちしています!

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