技術書典17をふりかえって EMとして考えた学びと出会い
GENDAでPlatform Engineering ChapterのEM(エンジニアリングマネージャー)をしているボブです。
この記事はGENDA Advent Calendar 2024の7日目の記事です。
はじめに
2024/11/03にオフライン開催された技術書典17に、一読者として参加してきました。
技術書典とは、はじめて本を執筆した技術書典14から関わっています。その後、技術広報の視点で技術書典15,16では編集者として参加し、多くの人と一緒に本を作る経験をしました。今回は一読者として軽い気持ちで足を運びましたが、知り合いとの再会や新しい本との出会いがあり、とても充実した時間を過ごしました。
1か月が経った今、このふりかえりを書くことで、技術書典で得た体験や気づきを整理し、共有したいと思います。この記事では、EMとして気づけた視点や学びを含め、技術書典17での体験についてご紹介します。
技術書典17のオフライン会場と出会えた本
執筆者側ではなく、参加者としては今回が初参加でした。
オフライン会場では13:00ごろ、多くの来場者が各ブースを訪れ、物理本を手に取る熱気で活気に満ちていました。この時間帯は販売していた物理本が次々と売り切れる様子も見られました。ジャンルも生成AIをテーマにした本が多く目につき、現在の技術トレンドを強く感じることができました。
私は10冊以上の本を購入しましたが、今回は新刊に絞り、特にEMに成り立ての私だからこそ気づいた課題や、チーム全体の成長に役立つ学びを多く提供してくれる4冊をご紹介します。
生成AIを活用したWebアプリ開発
生成AIを活用したWebアプリ開発 では、GitHub Copilotや生成AIを活用してWebアプリケーション開発の生産性を向上させる方法が詳細に書かれています。
特に印象的だったのは、著者の方と直接お話しする中で、生成AIツールの比較ポイントや導入時の注意点を伺えたことです。すでに生成AIの検証を進める中で、ツールの使い分けや比較の重要性を改めて感じました。この本は、トレンドを追うだけでなく、さまざまなツールを検討しながら、チームの生産性向上を目指すための視点を深めてくれる一冊でした。
ちいさく始めるプラットフォームエンジニアリング
ちいさく始めるプラットフォームエンジニアリング は、私が所属するPlatform Engineering Chapterの活動と深く関連しており、この立場だからこそ手に取った一冊です。小さくはじめて改善を繰り返すアプローチは、チーム全体で生産性向上を目指す上で非常に重要であり、この考え方を改めて再認識しました。
また、日々意識しているTeam Topologiesの考え方や、ドキュメントの整備の重要性についても共感する内容が多くありました。プラットフォームエンジニアリングの価値を広めるために、自分たちがどのように貢献できるのかを考える良い再確認の機会となりました。
メタエンジニアリング 【第2版】 技術広報・採用・組織開発による個人と組織の支援
メタエンジニアリング 【第2版】 では、技術広報、採用、組織開発を横断的に捉え、個人と組織を支援するための視点を学ぶことができます。本書は、単なる施策の羅列ではなく、それらをどう結びつけて組織の成長につなげるかというアプローチが非常に参考になります。
通勤時に何度も読み直す中で、それぞれのテーマが単独ではなく関連し合っていることを実感しました。技術広報や採用、組織開発が持つ可能性を再確認し、EMとして組織全体の成長にどう貢献できるかを改めて考えさせられる一冊です。
技術広報のこころ
技術広報のこころ では、技術広報を単なる情報発信ではなく、組織全体の支援活動として捉える視点を提供してくれます。本書は具体的な事例が豊富で、技術広報が採用や組織開発とどのように関連しているかを深く理解する助けになりました。
これまでの経験をふりかえる中で、技術広報が持つ可能性や、自分自身の取り組みに新たな視点を与えてくれた一冊です。
技術書典での人との出会い
技術書典17では、本だけでなく人との出会いも多く得られました。
たとえば、知り合いのデザイナーの方が売り子さんをしていたアクセシビリティを考えはじめるための本は、その取り組みを知る良いきっかけになりました。また、会社の同僚からすすめられた続・Snowflakeのすゝめは、現場視点での知見が豊富で、データエンジニアとしての実践的な取り組みに刺激を受けました。さらに、Streamlit データ可視化入門では、Advent Calendarにも記載のとおりで、著者がコミュニティ活動を通じて得た知識を体系化しています。こうした姿勢に内外のつながりの大切さを再認識しました。
技術書典で得た学び
技術書典17を通じて、生成AIやプラットフォームエンジニアリング、技術広報や採用の重要性を改めて再確認しました。これらを組織全体の成長にどう活かすかを考える機会となり、EMとしての視点から多くの学びを得られたと感じています。
ふらっと訪れたつもりが、知り合いや社員との再会に加えて新しい本との出会いが次々とあり、非常に充実した時間となりました。こうした偶然の出会いが、学びや成長を促進する力を持つことを実感し、オフラインイベントならではの魅力を改めて感じました。
おわりに
技術書典17をふりかえる中で、自分の視点や取り組みを見直す良いきっかけとなりました。この1か月間、購入した本を読み進める中で、EMとしての視点から多くの学びを得ることができました。年末年始には時間を取って、これらの本をじっくり読み返し、今後の活動やチームの成長に活かしていきたいと考えています。
次回の技術書典では、今回得た学びをさらに広げ、また新しい出会いを楽しみにしたいと思います。技術書典は、技術や人との出会いを通じて学びの多い場だと改めて感じました。この記事が、少しでも技術書典に興味を持つきっかけになれば幸いです。
Discussion