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Azure Quota Groups

に公開

みなさま、こんにちは。
AZPower 株式会社のクラウドインテグレーション部に所属しているSUGI-CHANです。
前記事に続き今回も、最近のAzureの新機能について紹介させて頂きます。

★分類:インフラ・リソース管理
★機能:Azure Quota Groups
★提供:GAされている(2025/07)
     https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/quotas/quota-groups

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Azure Quota Groupsの機能提供により、以下の内容が実現できるようになった

そもそもクォータとは?

Azureにおける「クォータ」とは、サブスクリプションごとに設定されるリソースの上限値で、
vCPU数、VM数、ストレージ容量などに使用できる上限が定められている
これは、リソースの過剰使用や誤操作を防ぐための制限であり、必要に応じて「クォータ引き上げ申請」が可能

今回の新機能提供によるメリットは?

柔軟なクォータ運用、とはどういう事?

・これまでは、クォータはサブスクリプション単位で個別に管理・申請する必要があり、MS社へのサポートリクエスト(SR)起票が必要
 サブスクリプション間でのクォータ移動は、即時性や柔軟性に欠ける
・新機能にて、クォータは管理グループ単位で一括管理可能となり、そのQuota Group内で未使用クォータを自由に再配分できるようになった
 これにより、即時対応が可能となり、また、クォータはARMオブジェクトとして管理され、ポータル・CLI・APIで操作可能となった
・この結果、BCPや障害対応時に、優先度の高いサービスへ迅速にリソースを再配分したり、SLA維持に活用できるようになる

サポート依存の削減、とはどういう事?

・上記の通り、クォータの引き上げや再配分には、毎回MS社へのSR起票が必要で、対応には数日〜数週間かかることもある
 また、場合によっては需要過多により申請が却下される場合もある
・新機能にて、上記でも記載の通り、クォータの再配分はユーザー自身で可能となり、MS社の承認なしで、グループ内のクォータを割り当て可能
 クォータ引き上げも、グループ単位で申請できるようになったため、管理が効率化できる

こんなユーザーに特におすすめ

・複数サブスクリプションを運用している企業
・BCPや障害対応で迅速なリソース再配分が必要な環境
・vCPUやVM数の使用量が変動する開発・検証環境
・Azure Enterprise契約や内部顧客向けの大規模環境

デメリットや注意点は?

<利用条件>
・EA契約またはMicrosoft内部顧客のみ利用可能(導入前に契約形態の確認必要)

<運用面>
・管理グループ削除時、クォータグループへのアクセスが失われる可能性あり
 (管理グループの構成変更がQuota Groupのアクセス制御に影響するため注意を要する)

<技術的制約>
・コンピューティングリソースに限定
・クォータ共有だけではリージョン制限は解除されない(制限解除は別途申請が必要)
・サブスクリプションは1つのクォータグループにしか所属できないため、クォータグループは共有対象とするサブスクリプション全てが含まれる管理グループに対して作成

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具体的な設定手順

①AzurePortalで「クォータ」を検索する
  

②左メニューから、「設定」→「クォータグループ」を開く
  

③「+作成」をクリックし、クォータグループの名称の入力と、どの管理グループに対してクォータグループを作成するかを選択する
④グループ対象とするサブスクリプションを選択する

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まとめ

・Azure Quota Groups は、クォータ共有・再配分の新機能のこと
 ・管理グループ単位で、複数サブスクリプション間の vCPU クォータを 柔軟に再配分・管理可能
 ・MS社への申請不要で、セルフサービスによる即時調整が可能
 ・BCP対応や大規模環境の運用効率化に有効な機能
 ※クォータグループ全体でクォータが枯渇した場合は、クォータの引き上げを行う必要がある(今まで通り)

終わりに

「Azure Quota Groups」は、所有しているリソースの活用効率を上げるために、非常に有効な選択肢です。
またサブスクリプションがたくさんある企業のシステム管理者の方にとっては、管理の効率化に役立つ機能となりそうです。

今後も、いろいろな記事を投稿していければと思います。
簡単ではありますが、今回はここまでとさせていただきます。

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