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採用担当 4 ヶ月目の初心者が直面した課題と学び

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はじめに

はじめまして、ayatanu です。
普段は EC サイト領域の開発を担当しているエンジニアですが、最近「採用担当」という新しいチャレンジを始めました。

今回初めて投稿するこちらの記事では、採用担当 4 ヶ月目の初心者として、実際に直面した課題や学びを率直に共有します。
これから採用に関わるエンジニアや、同じように「採用って何から始めたらいいの?」と悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。

目次

背景

DX 推進の一環として、2023 年 4 月に社内開発組織が発足し、アジャイル開発やモブプログラミングを中心に活動しています。

組織の成長とともに、「内製化を進めるための採用強化」 が急務となり、採用活動を本格化させることになりました。

採用担当になったきっかけ

最初は完全に"偶然"でした。
元々の担当者が多忙で、「やってみない?」と声をかけてもらったのがきっかけです。

開発以外のスキルを身につけられそうだし、「エンジニア視点で採用を考える」 ことにも興味があり、思い切って引き受けました。

とはいえ、採用はまったくの未経験。
「面接官ってどうやればいいの?」からのスタートでした。

直面した課題 ①:何をどう聞いたらいいかがわからない

最初にぶつかった壁は、「何を聞けば候補者のことがわかるのか」 が分からなかったことです。

面接中、候補者の話を聞いても、次にどう深掘りしてよいかわからない。
結局回答をいただいて「あっ、なるほど、ありがとうございます」で終わってしまう ──。

その結果、会話が表面的になり、判断材料が全く足りないという状態に陥りました。

直面した課題 ②:そもそもどう質問したら候補者のことを知ることができるのかわからない

技術的なスキルについては、技術的な質問で確認できるものの、「人柄や価値観をどう探ればいいのか」 が全くわからない状態でした。

「どんな質問をすれば、この人がチームにフィットするかわかるんだろう?」
「表面的な会話ではなく、本当の考え方や行動パターンを知るにはどうしたらいいんだろう?」

こうした根本的な疑問を抱えたまま面接に臨んでいたため、結果的に当たり障りのない質問しかできず、候補者の本質を見抜けずにいました。

直面した課題 ③:カルチャーフィットの判断基準がない

もう一つの課題は、「私たちの開発組織への適性判断が感覚頼み」になっていたことです。

「いい人そう」「話しやすい」といった印象だけで評価してしまい、メンバー間でも評価がバラバラ。
カルチャーフィットをどう定義するのか? という根本的な課題に直面しました。

改善 ①:質問スキルを体系的に

「なんとなく質問する」から脱却するために、STAR 形式(Situation / Task / Action / Result)を意識するようにしました。

たとえば、

「どんな状況で、どんな課題があり、どう行動して、結果どうなりましたか?」

といった質問を通して、候補者の具体的なエピソードを引き出せるようになりました。

そのシチュエーションにおいての候補者の思考や行動を探ることで、人となりを知ることができるようになったのです。
自然な流れで深掘りができ、面接後の判断も格段にしやすくなりました。

改善 ②:価値観の明文化と質問リストの作成

次に取り組んだのは、カルチャーフィットの軸を言語化することです。

チームで議論しながら、「どんな人と働きたいか」を整理し、次のような価値観を定義しました。

  • 一人ひとりがリーダーシップを発揮できる
  • 挑戦を前向きに捉えられる

これらをもとに、「価値観を探る質問リスト」を作成。
面接官間で共通の視点を持てるようになり、評価の再現性が高まりました。

Before → After の変化

項目 Before After
質問スキル 表面的な会話で終わる STAR 形式で深掘りし、具体的な行動を引き出せる
カルチャーフィット 「いい人そう」で判断 定義された価値観に基づいて評価できる

定性的だった面接が、少しずつ「構造的な会話」に変わっていくのを実感しました。

学びと気づき

1. 面接する側にも「技術」が必要

今まで面接を受ける側しか経験してこなかったので、面接をする側の立場でこんなに難しいと思いませんでした。

採用は感覚ではなく、ちゃんとしたスキルが必要なんだと実感しました。
特に質問設計や評価基準の整備は、学びとトレーニングが不可欠です。

2. 聞く力の大切さ

面接では話す力よりも、聞く力が重要です。
候補者が自分の言葉で語れるように導くのが、面接官の腕の見せどころだと感じました。

今後の展望

今後は、面接体験の向上に向けて取り組んでいく予定です。
また、開発組織全体で採用活動に関われるような仕組みも整えていきたいと考えています。

「採用は人事の仕事」ではなく、
「チームで創る文化」 にしていくことが目標です。

おわりに

採用は思っていた以上に奥が深く、難しい領域でした。
でも、候補者と話す中で、自分たちの組織や開発文化を見直すきっかけにもなり、やりがいのある仕事だと感じています。

初心者でも、やってみることで得られる学びはたくさんあります。
もしチャンスがあれば、「採用担当、やってみませんか?」 という声に、ぜひ手を挙げてみてください。


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