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ガイダンス確率統計 例題3.2.2

2025/02/20に公開

問題

箇条書きにて。

  • 長さ2の線分AB
  • ABの中点をC
  • AC上に無作為に点P
  • X=線分APの長さ
  • 点Pに対してAQの長さがAPの長さの2倍になるようにAB上に点Q
  • 線分QB上に無作為に点R
  • Y=線分QRの長さ

同時確率密度関数

テキストには以下と記載されているが、これを導出したい。

f_{X,Y}(x,y) = \begin{cases} 1/(2-2x) \quad 0≦x\lt 1, 0\lt y≦2-2x \\ 0 \quad \text{otherwise} \end{cases}

同時確率密度関数の導出

Xの確率密度関数f_XYの条件付き確率密度関数f_{Y|X}を求め、最後に両者掛け算することでX,Yの同時確率密度関数f_{X,Y}を導出する。つまり同時確率密度関数導出には以下の公式を用いる。

f_{X,Y}(x,y) = f_{Y|X}(y|x)f_X(x)

step0:X,Yの範囲

テキストに従う。

step1: f_X

X[0,1)区間で一様分布に従うので、

f_X(x) = 1_{[0,1)}(x)

step2: f_{Y|X}

Yの長さは、Xが与えられた時(0, 2-2x]区間で一様分布に従うので、

f_{Y|X}(y|x) = \tfrac{1}{2-2x}1_{(0,2-2x]}(y)

step3: f_{X,Y}

公式より

f_{X,Y}(x,y) = f_{Y|X}(y|x)f_X(x)\\ = 1_{[0,1)}(x)\tfrac{1}{2-2x}1_{(0,2-2x]}(y)\\ = \begin{cases} 1/(2-2x) \quad 0≦x\lt 1, 0\lt y≦2-2x \\ 0 \quad \text{otherwise} \end{cases}

となる。

Yの周辺確率密度関数f_Yを求める

同時確率密度関数をxで積分すれば良いつまり、

f_Y(y) = \int_{\mathbb{R}}f_{X,Y}(x,y)dx

ここで、

  • yは関数の変数
  • xは積分変数
  • 従って、yが与えられた時の積分範囲を考える。
  • 言い換えると、yに応じてxの範囲が定まる。

つまり、
0\lt y≦2-2xの制約を受けた0≦x\lt 1が積分範囲となる。

以上を踏まえると、xの上限はy≦2-2x⇔x≦(2-y)/2となりxの下限は0となる。

従って、

f_Y(y) = \int_{\mathbb{R}}f_{X,Y}(x,y)dx \\ = \int_{0}^{(2-y)/2} f_{X,Y}(x,y)dx\\ = \int_{0}^{(2-y)/2} \frac{1}{2-2x} dx\\ = -\frac{1}{2}\int_{0}^{(2-y)/2} \left(\ln(1-x)\right)' dx\\ = -\frac{1}{2} \Bigl[\ln(1-x)\Bigr]_{0}^{(2-y)/2} \\ = -\frac{1}{2} \ln(y/2)

Discussion