モンティ・ホール問題のルール
3つのドアがあり、ドアを開けると当たりが1つ・外れが2つある。まず挑戦者はドアを1つ選択する。次にホストは、挑戦者が選択したドアと当たりのドアを除いた残りのドアを、等確率で1つ選びオープンする。最後に挑戦者は最初に選んだドアもしくはホストがオープンしていないドアのうち1つ選び最終的に挑戦者がオープンするドアを決める。
状況
挑戦者はドア1を選択しホストはドア2をオープンした
今回の問題
挑戦者はドア1を選択すべきかドア3を選択すべきか
設定
D_i … ドア i が当たりである事象
H_j … ホストはドア j をオープンする事象
P(D_i) = \frac{1}{3}
お気持ち
この問題は「ドア1・3が当たりである確率が、ホストがドア2をオープンしたという情報を得ることで確率が更新されること」を確かめることが問われている。
つまり事前確率と事後確率の比較作業をすれば良い。挑戦者・ホストが選択したことは条件として確定されており、挑戦者・ホストの行動そのものを確率的に考えなくても良い。
それはたとえば、P(D_1) は「挑戦者がドア1を選択する確率」ではなく、「ドア1が当たりである確率」と解釈するように、この問題を解くあなたは「俯瞰的に」、挑戦者・ホストの行動が全て終わったあとに「神の視点」で考えることが重要である。
解答
求めたいのは、P(D_1 \mid H_2) と P(D_3 \mid H_2)。
ベイズの定理より、
P(D_1 \mid H_2) = \frac{P(D_1) \cdot P(H_2 \mid D_1)}{P(H_2)}
さて、
P(H_2 \mid D_1) = \frac{1}{2}
P(H_2 \mid D_2) = 0
P(H_2 \mid D_3) = 1
なので、
P(H_2) = P(D_1)P(H_2 \mid D_1) + P(D_2)P(H_2 \mid D_2) + P(D_3)P(H_2 \mid D_3) \\
= \frac{1}{3} \cdot \frac{1}{2} + \frac{1}{3} \cdot 0 + \frac{1}{3} \cdot 1 \\
= \frac{1}{6} + 0 + \frac{1}{3} = \frac{1}{2}
ゆえに、
P(D_1 \mid H_2) = \frac{\frac{1}{3} \cdot \frac{1}{2}}{\frac{1}{2}} = \frac{1}{3}
P(D_3 \mid H_2) = \frac{\frac{1}{3} \cdot 1}{\frac{1}{2}} = \frac{2}{3}
結論として:
P(D_1) = \frac{1}{3}
P(D_1 \mid H_2) = \frac{1}{3}
P(D_3 \mid H_2) = \frac{2}{3}
よって、挑戦者はドアを変更した方が良い。 当たる確率が2倍大きくなる。
Discussion