DATA Saberのススメ - dat-a-washの場合
はじめに
自分がDATA Saberとしてお弟子さんをとるなら,こういうドキュメントがあって然るべきだなと思って書いています。また,自分が師匠でなくても,Saberプログラムに挑戦するApprenticeたちにとっていち参考値になれば幸いです。
内容は逐一アップデートしていくつもりです。
更新履歴
- 2024/07/23:よくあったQ&Aを追記。また誤記修正。
- 2024/09/25:最終試験(実技)と口頭試問についての記述を追記。また,よくあったQ&Aやコミュニティポイントの報告について追記。
- 2024/09/26:ご指摘いただいたので誤記修正。有難うございます。
- 2024/09/30:口頭試問あたりの部分を修正。
自己紹介
2024/07/07現在,Rakutenで社内Tableauユーザ向けのデータパイプラインの運用・サイト運営・ビジュアライゼーション作成サポートを行なっています。DATA Saberは2023/05/16に取りました。二つ名がdat-a-wash
です。
ここの記事では
ありがたくも自分を師匠としてくれる人たちに向けて,これを見たらDATA Saber Programを進められるっていう資料を作りたいな,という思いで作りました。もちろん,随時チャットとかで質問を投げてくれていいけど,一番最初の説明書として,そして自分向けの覚書として,これを使いたいと思います。
DATA Saberとは
プログラム開始(Program Apply)まで
必要なものを準備しよう
必要な情報やアカウントがいくつかあるので,それらを先に登録してから,Saberプログラムの登録画面にいくのがおススメ。
- (Optionalだが個人的にオススメ)自分用のフリーメール
- Twitterアカウント
- 自分(弟子)の氏名(アルファベット)
- 師匠の氏名(アルファベット) (誤記に注意)
- Tableau Publicのアカウント
- Tableau Communityのアカウント
- (Optional)Tableau Creator License
- (Optional)Slackのアカウント
ひとつずつ説明します。
-
(Optionalだが個人的にオススメ)自分用のフリーメール
- 下記に続くアカウント作成に必要
- 会社のメールアドレスでも勿論O.K.。だが転職したり独立したりする可能性があるので,できれば自分がある程度管理できるドメインのものを使用したほうがいい,と思っている。
- なので,なにかこれというメールアドレスを決めて,それを下記すべてのアカウント作成に使うことをおススメします。
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Twitterアカウント
- 今後,Saberプログラムでの成果を対外的に発信するために使います。また,Saberになったあと,多くの先輩Saberたちが活動の主軸にしているのがTwitterです。つまり,Tableauの情報が盛んに取得できます。
-
自分(弟子)の氏名(アルファベット)
- とくに指定はないものの,自分がSaberになって,弟子を取りますってタイミングで,これがキーになるので,そんな辺鄙なものは入力しないこと
- 本名が使えるなら,自分の戸籍に使われている氏名を下記文法に沿って入力すればよさそう
- First Name, Last Nameともに,頭文字は大文字。それ以外は小文字。Tableau的に言えば
PROPER()
。 - First NameとLast Nameの間に半角空白
- First Name, Last Nameともに,頭文字は大文字。それ以外は小文字。Tableau的に言えば
-
師匠の氏名(アルファベット) (誤記に注意)
- プログラム中の活動は,自動で認定されるというわけではなく,師匠側が確認したり問い合わせしたりして認定されるもの
- そのため,誰が師匠として動いているかがここの入力で決定されるため,誤記に注意。
- 自分の場合は
Shota Nakagawa
です。頭文字だけが大文字で,間は半角空白。
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Tableau Publicのアカウント
- ここ用のアカウント → https://www.tableau.com/ja-jp/community/public
- ここはTableauワークブック用のSNS,という場所。Ord試験の提出や,コミュニティポイント稼ぎのためにワークブック作ってPublishする用に使う。
- Tableau Communityのアカウントとは異なるので注意。ただし同じメールアドレスが使用可能。
-
Tableau Communityのアカウント
- ここ用のアカウント → https://www.tableau.com/ja-jp/community
- ここは文字通りコミュニティに参加できるプラットフォーム。また,これまたコミュニティポイント稼ぎのために使えるFAQフォーム(Tableau Community Forums)が存在し,そこにコメント等するためにアカウントが必要になる。
- Tableau Publicのアカウントとは異なるので注意。ただし同じメールアドレスが使用可能。
- (Optional)Tableau Creator License
- 2024/07/07現在,Tableau Desktop Public Editionが使えるので,当面はそれで良い(はず)。しかし今後組織内に文化を浸透させていくなら,Tableau Creator Licenseはあるに越したことはない。
- (Optional)Slackのアカウント
- 連絡用。TeamsやメールやLinkedinなどで連絡つきそうなら別にそれで良い。自分も練習中。
これらが準備できたらApplyへ
なお,Apply後90日間が期限になるので,楽しみながらがんばっていきましょう。一生懸命サポートします。
プログラム開始から最終認定まで
クリアすべき試練はまず第1段階で2種類,そのクリア後に第2段階として1種類,さらにクリア後に第3段階として1種類あります。
- 第1段階
- 技術試験
- コミュニティポイント試験
- 第2段階(第1段階クリア後)
- 最終試験(実技の)
- 第3段階(第2段階クリア後)
- 口頭試問(師匠との)
それぞれ,師匠及び弟子さんのその時の状況によって臨機応変にするつもりですが,基本,以下に記す進め方でいこうかなと考えています。
全体的なスケジュール感をすり合わせる
まず最初の1,2週あたりで,次のことをすり合わせたいです。
また,少なくとも月一回くらいのペースで,オンライン・オフライン問わず顔合わせてお話したいですね。
- 90日間の間に,特に忙しくなりそうな時期はあるか?
- およそ3ヶ月といえど,時間的余裕はないと思ってください。あまり時間が取れない時期があるなら,その分を前もってしわ寄せておくなどの予防が必要だなと考えます。
- 最後の2週あたりの曜日配置・祝日配置はどうなっているか?
- 最後はみんな慌てます。直前になって一日二日休みで動けないということは避けたいので,だいたいこのへんで最終試験(実技)や口頭試問を受けます,という当たりをつけておきたいです。
技術試験のススメかた
Ordeal(オーディール)が10個あります。注意点は下記4点です。
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早めに進めましょう!
- 90日間でいうとおよそ12週あるので,1週ずついちOrdealをクリアするペースが目安。されど目安でしかありません。
- コミュニティポイント試験などや予期せぬ状況の変化もあると思うので,可能なときに早めに進めましょう。
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Google Forms提出前に,自分の回答をPDFに保存しておきましょう
- Saber用のFormsは,提出後に確認できません。
- 自分がどこで間違っていそうか,自信がないまま送信したかを記録しておきましょう。同じお弟子さんがいれば,それを議論の種にできます。
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Ordeal用のワークブックをPublicに提出したら,師匠(自分)宛てにご一報ください。
- Tableauワークブックで答えを導出するタイプの問題は,道程はひとつではないことがあります。どんな解き方をして正答にいたったか,もしくはどこで間違っているか,自分も確認したいです。
-
同じ回のOrdealに3回失敗したら,師匠(自分)宛てにご相談ください。
- Ordealである四択問題や多答式問題に完璧に正答することは大事ですが,それが全てではないと考えています(人による)。
- 最初は自分のチカラで解いてみましょう。可能なら,同期のお弟子さん同士で議論してみましょう。どうしても分からないような上記の場合に,相談してみてください。
コミュニティ活動のススメかた
組織内・パブリックでそれぞれ最低20ptsずつ,合計で50pts必要です。注意点は下記です。
- 最初の2,3週が経過したあたりで,Tableauについても経験値が増えてくるころだと思うので,そのときにどのポイントをどれくらいずつ取得する予定かを共有いただければ嬉しいです。
- 自分からは,これ取るならこういう準備がいるねとか,こっちのポイント取りやすいんじゃない?とか,アドバイスしようと思います。
- とくに,「組織内>分析案件実施」は30ptsと魅力的ですが,下記Q&Aのとおり,スタート時期に期限を設けます。
- 組織内のコミュニティポイントをやったという証拠(スクリーンショットや録画など)を残して,師匠へお渡しください。 自己申告制なので,疑うわけではないですが,そういうところもデータドリヴンでやりましょう。
- コミュニティポイントの申請時に,「協力して実施した同組織内のApprenticeの人数を教えてください(自身含む)」という項目があります。 ここを勘違いして誤った値を入力し,本来もらえるはずのポイントがもらえないというケースが多々発生しました。 二度手間になるのでやらないように。間違いのパターンは例えば以下のようなものです。
- Viz共有した閲覧者の数にしてしまった(Viz自体は1人で作成したにもかかわらず)
- 開催したイベントの参加者の人数にしてしまった(イベントの幹事を1人で行なったにもかかわらず)
また,師匠への報告には,下記のようなテンプレートを使ってまとめておくと,あとから振り返りやすいのでおすすめです。
最終試験(実技の)
内容に関する質問は受け付けておりません,すみません。自分のTableauの技術力に不安があるところは,Ordeal試験など各種復習しておきましょう。
注意点を強いて書くとすれば,
- 回答フォームに入力した値がなんらかの事情で立ち消えてしまってもいいように,使用するワークブックに問題の回答を記録しておき,こまめに保存しておきましょう。最終的に師匠に提出してもらいます。
- 早く解けたから早めに解散する,というのは無しとします。(経験的に時間は足りないので心配しなくていいかもしれない)
- Tableau Publicにあげないこと。問題の共有は禁止です。
また,当日の流れはこんな感じです。
- 説明事項の説明(5min)
- ここの時間で,使用する資料のダウンロードができるかを確認します。
- 小休憩(5min)
- 試験時間(オンラインの場合,ミーティングルームは一時的に退出してO.K.。終了後,再集合する)
- 試験終了時の各種対応とアナウンス(5min)
- 師匠宛に,使用したワークブックの送付をする
- パッケージドワークブック(
.twbx
ファイル)で送付すること。師匠の手元でもデータソース込で確認できるようにするため - また,氏名もファイル名に追記しておくこと
- パッケージドワークブック(
- Tableau PublicにPublishしていないことを確認する(弟子が確認する)
- 回答入力フォームに回答が送信されているか確認する(師匠が確認する)
- 師匠宛に,使用したワークブックの送付をする
また,これはDATA Saber Bridgeなど,団体でSaberプログラムに挑戦するときに関する,自分自身への備忘録です。
- 試験監督は団体内の別の師匠が代理として行なってよいとします。
口頭試問
こちらも,内容に関する質問は受け付けておりません,すみません。師匠である自分と一対一で,いくつか質問しますので,それに対する考えなどを教えてください。
全部通過したら
晴れてDATA Saber認定です。お疲れ様でした。
種々認定のための作業は師匠のほうで行なうのですが,お弟子さんからはいくつか情報をいただきたいです。基本は「プログラム開始時に登録した項目」(上に詳述)ですが,加えて下記情報が必要となります。
- 自分(弟子)の氏名(First Language)
- 自分(弟子)のGmailアドレス
- DATA Saberとしての二つ名
- (Optional)各種SNSリンク
- その他SNS
下に詳述します。
- 自分(弟子)の氏名(First Language)
- 登録時はアルファベットでの登録でしたが,あわせて母国語でのお名前を教えてください。
- 自分(弟子)のGmailアドレス
- DATA Saber同士はSlackでコミュニケーションしたり,Googleドキュメントでの資料管理などを行なっています。それらを閲覧するために必要となります。
- DATA Saberとしての二つ名
- DATA Saberの文化として,二つ名があります。自分がデータを使って,またDATA Saberとしてどういった活動をしていきたいのか,また,データまわりに対する思いなどを二つ名に昇華して背負っていただきたいです。
- 先人たちがどういった二つ名にしたかは,下記Vizで確認ができます。他の方と被らないようにしてください。漢字も記号も使用可です。
- (Optional)各種SNSリンク
- プログラム中はTwitterを主に活用して対外的活動をしてもらったと思いますが,御存知の通りいろんなプラットフォームがあり,そのすべてがコミュニティになりえます。それらを登録したい場合はそのリンクを教えてください。
よくあったQ&A
以下,よくあったQ&Aを記載。
-
「『ブログ記事』はどこに書けばいいですか?」
- URLがインターネットに公開されていればどこでもいいと考えています。zenn, note, はてなブログ, などでしょうか。Tableau関連の記事なので,そういった使われ方をしているブログサービスのほうが良いかな,と思っています。
- 自分は,エディターの使いやすさやMarkdown形式でのインポート・エクスポート機能が充実しているという点でここ,zennを使っています。
-
「『分析案件実施』は30ptsと高いですが,どういう流れで取り組めばいいですか?」
- 残り45日を切るまでに下記必要な情報を揃えた上で開始を宣言してくださった場合にのみ,最終的な申請を許可する,という形にしたいです。それ相応の時間と労力(1ヶ月ほど)をかかるため,終盤に慌ててしまうのはお互い良くないと思うので。
- 以下,必要そうな情報です。
- 分析の必要性
- 報告する相手(経営層を含める必要があります)
- 使用する予定のデータ
- Vizの構想(イメージ図)
- いつ報告するか
-
「『Tableau PublicへのViz投稿』は,Ordealで提出したワークブックも含まれますか?」
- 含まれません。ご自身で,ビジュアライゼーションするデータから表示方法,メッセージングの内容を考えたオリジナルのものを投稿いただきたいです。
-
「『Tableau PublicへのViz投稿』は,どれくらいのクオリティのものをPublishすればいいでしょうか?」
- 悩ましいですが,答えとしては「どんなものでも良い」です。シンプルなひとつの折れ線グラフでもO.K.といえばO.K.です。
- ただし,Saberプログラムの過程で学ぶことになりますが,ビジュアライゼーションはインサイトを得られてこそ価値があります。使われるには,「ある程度のメッセージ性」や,「ビジュアルとしての綺麗さ」のどちらかは必要だと考えています。前者であれば,「自分はこのVizによってこういうことを伝えたい」というテーマ,後者であれば,「自分ならこんな凝ったビジュアライゼーションを作ることができる」というアピールです。なにせ,Vizはご自身の作品となるので,ぜひ,自分がPublishしてよかったと自信を持って言えるものを作っていただきたいです。
おわりに
ここまで読んでくださって有難うございます。またもし自分を師としてくれていたらより嬉しいです。お互い色々がんばっていきましょう。
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