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自作pythonパッケージのドキュメントをお手軽に作ってgithub pagesに置く方法

2021/11/04に公開

pythonで自作のパッケージを書いてPyPIに上げようとして「あ、README書かなきゃ」ってなりませんか?コードやテストは苦にならないけどドキュメントを作るのは面倒ですよね。

ドキュメント自動作成ツールも考えてみたけど、pydocはデザインがアレだしSphinxは設定が面倒。
色々ググってみた結果、pdoc3という自動作成ツールが簡単でデザインもそこそこだったので使ってみました。

成果物はこちらです。

https://atu4403.github.io/adash/adash/

pdoc3とは

pdocからforkしたパッケージでpdocとは別モノです。

本家(pdoc)
mitmproxy/pdoc: API Documentation for Python Projects

分家(pdoc3)
pdoc3/pdoc: Auto-generate API documentation for Python projects

しかし、pip install pdoc3でインストールするとcliコマンドpdocをアサインします。つまり競合します。
この2つのプロジェクトはあまり良い関係では無いようです。

pdoc vs. pdoc3 | PythonRepo

しかし現状でpdocはdoctestの表示がうまくいかないようなので、ここではpdoc3を取り上げます。

pdoc3はソースコードにdocstringを書いたらそれを元にhtmlのドキュメントを自動作成します。実行は簡単なコマンド一発です。

docstringのstyleはnumpy,google,reST等に対応しています。

準備

docstringを書く

ちゃんとしたプロジェクトならドキュメントにもそれなりの水準が求められますが、弱小プロジェクトなので機能性を優先します。
ドキュメントは関数の種類、引数の型、使用方法があれば十分と思ったので型アノテーションとdoctestだけ書きます。

typing --- 型ヒントのサポート — Python 3 ドキュメント

doctest --- 対話的な実行例をテストする — Python 3 ドキュメント

def replace_all(s: str, obj: dict) -> str:
    """複数のreplace
    Example:
        >>> _obj = {"円": ".", "銭": ""}
        >>> replace_all("3円00銭", _obj)
        '3.00'
        >>> _obj = {"[△▲]": "-", "[,、]": ""}
        >>> replace_all('▲12,345', _obj)
        '-12345'
        >>> replace_all('△12、345', _obj)
        '-12345'
    """
    # 実装部分

実例はこちら

https://github.com/atu4403/adash/blob/main/src/adash/string_util.py

READMEを読み込む

docstringだけでは情報が足りないのなら、ドキュメントにREADMEを差し込むことができます。
プロジェクトソース直下の__init__.pyの冒頭にコメントを追加します。

"""
.. include:: ../../README.md
"""
# 以下普通に実装
from foo import bar

../../README.md__init__.pyからの相対パスです。私はsrcレイアウトを使っているのでこうなりますが、そうでないなら../が減ります。

pdoc3のinstall

pip install pdoc3

ドキュメントの作成

pdoc --html --output-dir docs --force src/{プロジェクト名}

これを実行するとdocsディレクトリにhtmlのドキュメントが作成されます。

srcレイアウトで無いのならsrc/は不要です。

ここまで問題なければgithubにpushします。

github pagesの操作

pushしたリポジトリのgithubのページから、settings → pagesを開き、Branchとdocsを選ぶだけです。

alt

これで完了のはずですが、表示されたリンクを開いたら404になりました。
どうやらpdocでhtmlを作成した際に、srcレイアウトの弊害でdocsの下にもう1階層できてしまったようです。

.
├── LICENSE
├── README.md
├── docs
│   └── adash
│       ├── download.html
│       ├── index.html
│       ├── proportion.html
│       └── string_util.html
├── poetry.lock
├── pyproject.toml

そのままURLの階層を深くするとちゃんとアクセスできるようなので、特に修正はしません。

URLがちょっと気持ち悪いですが、今回作成したドキュメントがこちらです。

https://atu4403.github.io/adash/adash/

自動化

(2021/11/06追記)

上記の手順ではドキュメント更新時にその都度pdocコマンドで作成し、commit & pushする手間があります。これをgithub actionsで自動化します。

https://github.com/peaceiris/actions-gh-pages

このActionを使うと、指定したディレクトリをgh-pagesブランチにデプロイします。

.github/workflows/deploy.ymlを作成します。

name: GitHub Pages

on:
  push:
    branches:
      - main
  pull_request:

jobs:
  deploy:
    runs-on: ubuntu-20.04
    concurrency:
      group: ${{ github.workflow }}-${{ github.ref }}
    steps:
      - uses: actions/checkout@v2
      - uses: actions/setup-python@v2
        with:
          python-version: 3.9
      - name: Build
        run: |
          pip install pdoc3
          pdoc --html --output-dir tmp --force src/{ここにproject-name}

      - name: Deploy
        uses: peaceiris/actions-gh-pages@v3
        if: ${{ github.ref == 'refs/heads/main' }}
        with:
          github_token: ${{ secrets.GITHUB_TOKEN }}
          publish_dir: ./tmp

ここにproject-nameの部分をプロジェクト名に合わせて書き換えます。

以上でpush時に自動で、gh-pagesブランチにドキュメントが作成されます。

settings → pages の設定をgh-pagesとrootに変更すると完了です。

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