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クエリの可視化で理解を深めるには
単独クエリならMermaid、テーブル単位ならdbt
なぜ可視化が必要か
SQLを日常的に書いていると、クエリのロジックを頭の中で追うだけでは複雑さに飲み込まれることがあります。特にJOINが増えたり、集計やサブクエリが入り組んでくると、「どのテーブルからどのデータが流れ込み、どこで絞り込まれているのか」を見失いがちです。そこで役立つのが可視化です。
単独クエリはMermaidで
1つのクエリを対象にするなら、Mermaidが有効です。Markdownベースでフローチャートを記述できるため、テーブルや処理を「ノード」として整理し、矢印で繋げるだけで依存関係を直感的に理解できます。
例えば以下のように書けば:
graph TD
A[users] -->|JOIN| B[orders]
B -->|FILTER| C[completed_orders]
C --> D[aggregate sales]
「ユーザー → 注文 → フィルタリング → 集計」という流れが一目瞭然になります。これは1クエリ単位での思考整理に最適です。
Cursorを使った効率的な流れ
実際にMermaidを取り入れる際には、Cursorを活用すると効率が上がります。
- まずCursorでSQLクエリを書き、実行結果やクエリの意図をデザインとして整理する。
- そのアウトプットをもとに、再びCursorでMermaid記法を書き起こす。
この流れを繰り返すことで、コードと設計図を往復しながらクエリの理解を深められるのがポイントです。
テーブル単位はdbtで
一方、複数のクエリを跨ぎ、テーブル全体の依存関係を理解したい場合は、dbt (data build tool) の出番です。dbtではモデル(=テーブルやビュー)をSQLで定義し、それらを依存関係としてグラフ化できます。プロジェクト全体を通して、
- どのテーブルがどのテーブルに依存しているか
- データマートがどんな生データから作られているか
といった関係性を俯瞰できます。つまり、dbtはクエリではなくテーブル単位での理解を助けるツールなのです。
使い分けの主張
- クエリを追うなら → Mermaid(+Cursor)
クエリごとのロジックを明確にし、コードレビューやチーム内共有をスムーズにする。 - データモデルを追うなら → dbt
プロジェクト全体のデータフローを把握し、長期的な保守性と拡張性を高める。
まとめ
SQLの世界は「一枚のクエリの理解」と「全体のデータフローの理解」の2層構造です。前者はMermaid+Cursor、後者はdbtという役割分担を明確にすることで、開発者もアナリストもデータの世界を見通しよくナビゲートできるようになります。
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