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Vercel Hobby プランと Pro プランの比較ドキュメント

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1. 概要

Vercel(※クラウド上でWebアプリや静的サイトをホスティング・デプロイできるサービス)の Hobby プランは、個人開発や小規模プロジェクト向けに設計されており、無料または低コストで利用できます。一方、Pro プランは商用利用やチーム開発を想定し、リソース上限(※利用可能な計算・メモリ容量の上限)の大幅な拡張、コラボレーション機能(※複数人での同時作業機能)、長期的なログ保持(※運用記録の保存期間延長)、より高度なセキュリティ設定などを備えています。

2. リソース面の違い

Pro プランは Hobby プランに比べて計算リソースが4倍に拡張されます。具体的には、Active CPU(※実行中のアプリに割り当てられるCPU時間の合計)は Hobby が 4 CPU-hrs(※1時間あたりのCPU利用時間)なのに対し、Pro は 16 CPU-hrs、Provisioned Memory(※実行中のアプリに割り当てられるメモリ容量の合計)は Hobby の 360 GB-hrs に対して Pro では 1440 GB-hrs です。
ISR(Incremental Static Regeneration)(※静的ページを部分的に再生成するVercelの仕組み)では、読み取り回数が Hobby の最大100万回に対して Pro では1000万回、書き込み回数も Hobby の最大20万回に対して Pro では200万回まで対応します。
Edge Requests(※Vercelのグローバルエッジネットワーク経由で処理されるリクエスト数)も Hobby の最大100万件から、Pro では1000万件に増加します。

3. プロジェクトと機能制限

Hobby プランでは作成できるプロジェクト(※Vercel上で管理されるアプリ単位)の数は最大200件ですが、Pro プランでは無制限です。
Vercel Function(※Vercel上で実行されるサーバーレス関数)の最大実行時間は Hobby が初期値10秒で最大60秒まで設定可能なのに対し、Pro では初期値15秒で最大300秒まで設定できます。
ビルド実行時間(※アプリをデプロイする際のビルド工程にかけられる合計時間)も Hobby の6000分から Pro では24000分へ拡張されます。

4. チーム・コラボレーション機能

Hobby プランにはチームコラボレーション機能がありませんが、Pro プランではチームでの共同作業が可能です。RBAC(Role-Based Access Control)(※役割ごとにアクセス権限を設定する機能)により、Owner(管理者)、Member(一般メンバー)、Billing(請求管理)といった権限を設定できます。コメント機能も Pro ではチーム利用に最適化されています。

5. デプロイとドメイン

デプロイ(※アプリを公開環境に反映する作業)回数は、Hobby プランは1日あたり最大100回、Pro プランは最大6000回です。
ドメイン(※インターネット上でサイトを識別する名前)は Hobby の最大50個に対し、Pro では無制限に設定できます。

6. 分析・モニタリング

Analytics(※アクセス解析機能)では、Hobby プランは5万イベント(※ページビューやユーザー操作などの計測単位)を記録し1ヶ月分のデータ保持が可能ですが、Pro プランは10万イベントに対応し、12ヶ月分のデータを保持できます。
さらに Pro ではカスタムイベント(※任意で設定した計測イベント)にも対応します。
ログ保持期間(※実行履歴やエラーログの保存期間)は Hobby の1時間(最大4000行)に対し、Pro では1日(最大10万行)まで延長されます。

7. サポートとAI機能

Hobby プランではメールサポートがありませんが、Pro プランではメールサポートを受けられます。
Vercel AI Playground(※AIモデルを試せるVercelの実験環境)で利用できるモデルも異なり、Hobby では Llama、GPT-3.5、Mixtral のみですが、Pro では GPT-4、Claude、Mistral Large、Code Llama など高性能モデルを利用可能です。

8. セキュリティとその他の機能

WAF(Web Application Firewall)(※不正アクセスや攻撃を防ぐファイアウォール)のIPブロック数は Hobby の最大10件に対し、Pro では最大100件まで設定可能です。
カスタムルール(※独自設定によるアクセス制御ルール)も Hobby の最大3件に対し、Pro では40件に対応します。
また、Pro ではデプロイ保護(※パスワード保護や共有リンクによるアクセス制限)やSpend Management(※利用料金の管理)、Log Drains(※外部のログ管理サービスへの出力)などの高度な運用機能も利用できます。

9. まとめ

Hobby プランは試験的な開発、個人ポートフォリオサイト、軽量な趣味プロジェクトに向いています。
Pro プランは商用規模のサービス、トラフィックの多いアプリ、複数人での共同開発、長期運用を前提としたシステムに適しており、安定性・拡張性・チーム機能・サポート面で大きな優位性があります。

10. 参考

Comparing Hobby and Pro plans

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