wsl2: wsl上のDebianを日本語化する
はじめに
Debian は apt で簡単に日本語環境にできます。
この記事では、wsl 上の Debian を日本語化し、あわせて日本語マニュアルもインストールします。
Debianの日本語化
パッケージの導入と日本語の設定
Debian の apt には日本語環境のためのパッケージがあるので、それをインストールします。
その後、locale と timezone を日本語環境に書き換えます。
日本語packageの導入
Debian の日本語パッケージは、task-japanese
です。次の手順で、日本語パッケージをインストールします。
atsushifx@ys:~$ sudo apt install -y task-japanese
Reading package lists... Done
Building dependency tree... Done
Reading state information... Done
The following additional packages will be installed:
bzip2 dmidecode fbterm fontconfig-config fonts-dejavu-core fonts-unifont laptop-detect libbrotli1 libfontconfig1
.
.
.
Processing triggers for libc-bin (2.31-13+deb11u3) ...
ldconfig: /usr/lib/wsl/lib/libcuda.so.1 is not a symbolic link
atsushifx@ys:~$
以上で、日本語パッケージのインストールは終了です。
localeを日本語にする
システムの locale を日本語にすると、エラーメッセージが日本語になります。
次の手順で、 locale を日本語にします。
対話型 (初心者向け)
dpkg-reconfigure を使うことで、画面のメニューを見ながら locale を設定できます。
次の手順で、locale を日本語にします。
-
dpkg-reconfigure の起動
コマンドラインからdpkg-reconfigure locales
と入力し、locale 設定ダイアログを表示します。 -
日本語ロケールの選択
生成するロケール
でja_JP.UTF-8 UTF-8
をチェックし、<OK>
を選択します。 -
デフォルトロケールの設定
Default Locale にja_JP.UTF-8
を選択し、<Ok>
を選択します。
以上で、default locale が日本語になります。
wsl を再起動しないと変更が反映されません。一度、wsl のコンソールを閉じ、再度 wsl を起動してください。
コマンド型 (Pro用、スクリプト用)
非対話式のコマンドでも、日本語 locale を設定できます。
次の手順で、locale を日本語にします。
-
ja_JP.UTF-8 locale を追加
sudo vim /etc/locale.gen\
として/etc/locale.gen
を編集し、ja_JP.UTF-8
をコメントアウトから外す。 -
locale の再作成
/usr/sbin/locale-gen
コマンドを実行し。ja_JP.UTF-8
も含めた locale を再作成する。
atsushifx@ys:~$ sudo /usr/sbin/locale-gen
Generating locales (this might take a while)...
en_US.UTF-8... done
ja_JP.UTF-8... done
Generation complete.
atsushifx@ys:~$ /usr/bin/localectl list-locales
C.UTF-8
en_US.UTF-8
ja_JP.UTF-8
atsushifx@ys:~$
上記のように、locale にja_JP.UTF-8
が含まれていれば成功です。
- デフォルトロケールを日本語に設定
update-locale
でデフォルトロケールを変更します。
atsushifx@ys:~$ sudo /usr/bin/update-locale LANG=ja_JP.UTF-8
atsushifx@ys:~$
以上で、日本語 locale の設定は終了です。以後、エラーメッセージなどが日本語で表示されます。
TimeZoneの設定
次に、TimeZone を日本時間に設定します。これも、対話型とコマンド使用の 2 種類の方法があります。
TimeZoneの設定 (対話式)
次の手順で、TimeZone を設定します。
-
dpkg-reconfigure
コマンドを起動する
bash から、次のコマンドを実行します。
atsushifx@ys:~$ sudo dpkg-reconfigure tzdata
と入力し、tzdataを設定しています
ダイアログを表示します。
-
tzdata
の設定
ダイアログでAsia
、Tokyo
を選択し、OK
で設定します。
- Debian の再起動
設定を反映させるため、Debian コンソールからexit
で抜けます。その後、PowerShell 側で、wsl --shutdown Debian
として wsl 上の Debian をシャットダウンします。
再度、Debian コンソールを起動すると、Debian が日本語化されています。
TimeZoneの設定 (コマンドライン)
TimeZone 自体は、/etc/localtime に保存されています。このファイルは/usr/share/zoneinfo 下にある各地域の TimeZone 情報ファイルへのシンボリックになっています。
/etc/localtime のリンク先を変更すれば、TimeZone を変更できます。
次の手順で、TimeZone を設定します。
- 旧 TimeZone の削除
旧 TimeZone ファイル/etc/localtime を削除します。
atsushifx@ys:~$ sudo rm /etc/localtime
atsushifx@ys:~$
- 新 TimeZone の設定
新 TimeZone ファイルを/etc/localtime にリンクします。
atsushifx@ys:~$ sudo ln -s /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
atsushifx@ys:~$
- TimeZone の確認
date コマンドを実行し、日時が JST になっているか確認します。
atsushifx@ys:~$ date
2022年 8月 15日 月曜日 17:48:51 JST
atsushifx@ys:~$
これで、TimeZone の設定は終了です。
man の日本語化
Debian には、日本語に翻訳されたmanpages
があります。通常のmanpages
パッケージに加え、日本語manpages
パッケージをインストールして、man を日本語化します。
次の手順で、manpages を日本語化します。
-
manpages
パッケージのインストール
次の手順で、manpages
パッケージをインストールします。
atsushifx@ys:~$ sudo apt install -y manpages manpages-dev man-db
パッケージリストを読み込んでいます... 完了
依存関係ツリーを作成しています... 完了
状態情報を読み取っています... 完了
.
.
.
atsushifx@ys:~$
以上で、manpages
のインストールは終了です。
-
manpages-ja
パッケージのインストール
日本語manpages
パッケージmanpages-ja
は、task-japanese
と一緒にインストールされます。
実行する必要はありませんが、次の手順で日本語manpages
パッケージをインストルします。
atsushifx@ys:~$ sudo apt install -y manpages-ja manpages-ja-devb
パッケージリストを読み込んでいます... 完了
依存関係ツリーを作成しています... 完了
状態情報を読み取っています... 完了
.
.
.
atsushifx@ys:~$
以上で、日本語manpages
のインストールは終了です。
以後、man
コマンドで日本語マニュアルを表示します。
おわりに
やはり日本語表示はストレスがかからなくて良いです。みんなも Debian を日本語化して、じゃんじゃん開発しましょう。
それでは、Happy Hacking
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