WSL 2 上の Debian で systemd を有効化する方法
tl;dr
WSL 2 上の Debian で systemd を有効化する方法を紹介します。
これにより、Linux デーモンを使ったソフトウェアを活用できます。
-
/etc/wsl.conf
の[boot]
セクションにsystemd=true
を追加 -
wsl --terminate Debian
として、Debian を停止 -
Windows Terminal
上で Debian を起動
以上で、WSL2 上の Debian で systemd を使用可能になります。
はじめに
この記事では、WSL 2[1] 上の Debian で systemd[2] を有効化する方法を紹介します。
systemd は Linux のサービスやプロセスを管理するツールです。
WSL2 で systemd を有効にすることで、Linux の機能を Windows上でも活用できるようになります。
/etc/wsl.conf
の設定
1. WSL では、/etc/wsl.conf
を使って細かい動作を設定できます。
systemd の設定も同様です。
1.1 systemdの有効化
systemd を有効化するには、以下の手順で/etc/wsl.conf
に systemd の設定を追加します。
この記事では、テキストエディタvi
[3]を使用して/etc/wsl.conf
を編集し、systemd の設定を追加します。
vi
エディタの詳しい使い方は、Vim日本語ドキュメントを参照してください。
次の手順にしたがって systemd を有効にします。
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vi エディタで
/etc/wsl.conf
を編集
bash
で次のコマンドを実行します。sudo vi /etc/wsl.conf
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/etc/wsl.conf
の設定
/etc/wsl.conf
に次の設定を追加します/etc/wsl.conf[boot] systemd=true
以上で、/etc/wsl.conf
の設定は終了です。
Debian を再起動すると、systemd が有効となります。
2. Debian の再起動
ここでは、systemd を有効化するために、WSL 2 上の Debian を再起動する方法を解説します。
2.1. Debianを再起動する
Windows Terminal
[6] でwsl
コマンド[7]を使い、Debian を再起動し、systemd を有効化します。
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Debian の停止
wsl
コマンドで、Debian を停止します。wsl --terminate Debian
-
Debian の再起動
Windows Terminal
上で Debian を選択して、Debian を再起動します。
以上で、Debian の再起動は完了しました。
おわりに
この記事では、WSL 2 上の Debian で systemd を有効化する手順を紹介しました。
systemd を有効にすることで、Linux 環境の多くのサービスやアプリケーションを Windows上でも利用できます。
開発やテスト環境が柔軟になりますので、是非 systemd を有効化し、WSL 2 を最大限に活用してください。
それでは、Happy Hacking!
参考資料
systemd
Microsoft Learn
vi
エディタ
-
WSL: Windows Subsystem for Linux の略で、Windows 上で Linux を実行させるサブシステム ↩︎
-
systemd: Linux のプロセス管理および初期化システム ↩︎
-
vi
: Linux上で広く使用されているテキストエディタ ↩︎ -
ノーマルモード:
vi
の編集モードの 1つで、コマンドを入力できるモード ↩︎ -
:wq
:vi
エディタで編集中のファイルを保存して終了させるコマンド ↩︎ -
Windows Terminal
: Windows上で複数のターミナルを管理するためのアプリケーション ↩︎ -
wsl
コマンド:Windows Subsystem for Linux
を操作するためのコマンド ↩︎
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