WSL開発環境: Homebrewのセットアップ

2024/02/02に公開

はじめに

Homebrew は、macOS で広く利用されるパッケージマネージャーで、Linux や WSL[1] 環境下でも使用できます。
WSL は Windows上で Linux 環境を提供する機能で、開発者にとって非常に便利です。

Homebrewは、各種パッケージを/home/linuxbrew下にインストールするため、管理者権限を必要としません。
システムへの影響を最小限に抑えるため、開発環境の構築時に大きな利点となります。

1. 注意事項

Linux版Homebrew[2] では、/home/linuxbrew下にパッケージを配置しています。
このディレクトリ構造のため、linuxbrewというユーザーアカウントのホームディレクトリと衝突します。
これを防ぐため、'linuxbrew'というユーザーアカウントを作成することは避けましょう。

2. Homebrewのセットアップ

2.1 パッケージのインストール

Homebrew をインストールするためには、aptを使用してbuild-essential[3] などの必要なパッケージをインストールしておきます。

以下のコマンドを実行して必要なパッケージをインストールします:

sudo apt install build-essential gcc procps curl wget file git

2.2 Homebrewのインストール

Homebrew のインストール方法は、brew.shに示されています。
以下のコマンドを実行して、Homebrew をインストールします:

/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"

上記のコマンドを実行すると、下記のようなメッセージが表示されます。

==> Checking for `sudo` access (which may request your password)...
==> This script will install:
/home/linuxbrew/.linuxbrew/bin/brew
 .
 .
 .
Press RETURN/ENTER to continue or any other key to abort:

[ENTER]キーを押すと、インストールを続行します。

 .
 .
 .
==> Next steps:

上記のように、"Next steps:"と表示されれば、インストールは成功しています。
以上で、Homebrew のインストールは完了です。

2.3 環境変数の設定

Homebrew を正しく使用するために、環境変数と PATH を設定する必要があります。
以下のスクリプトを/opt/etc/envrc[4] に追加して、環境変数を設定してください:

/opt/etc/envrc
# setup for brew
export HOMEBREW_PREFIX="/home/linuxbrew/.linuxbrew";
if [[ -d "${HOMEBREW_PREFIX}" ]]; then
  HOMEBREW_CACHE="${HOMEBREW_PREFIX}/.local/cache"
  HOMEBREW_CELLAR="${HOMEBREW_PREFIX}/Cellar";
  HOMEBREW_REPOSITORY="${HOMEBREW_PREFIX}/Homebrew";

  PATH="${HOMEBREW_PREFIX}/bin:${HOMEBREW_PREFIX}/sbin:${PATH+:$PATH}";
  MANPATH="/home/linuxbrew/.linuxbrew/share/man${MANPATH+:$MANPATH}:";
  INFOPATH="/home/linuxbrew/.linuxbrew/share/info:${INFOPATH:-}";

  export HOMEBREW_PREFIX HOMEBREW_CACHE HOMEBREW_CELLAR HOMEBREW_REPOSITORY
  export PATH MANPATH INFOPATH
fi

2.4 Terminalの再起動

Homebrew の設定を有効にするため、Windows Terminal上で Debian タブを再起動します。
再起動後は、以下のように brew コマンドが使用できます:

$ brew -v
Homebrew 4.2.6

上記のようにバージョンが表示されれば、Homebrew は正常にインストールされています。

おわりに

Homebrew を使用して、WSL上で開発環境を効率的に構築できます。
これにより、開発作業がスムーズに行え、ソフトウェア開発の生産性が向上します。

それでは、Happy Hacking!

参考資料

Webサイト

脚注
  1. WSL (Windows Subsystem for Linux): Windows上で Linux 環境を提供する機能 ↩︎

  2. Homebrew: macOS向けに開発されたパッケージ管理システムで、Linux 環境や WSL でも利用可能 ↩︎

  3. build-essential: ソフトウェア開発に必要なコンパイラ、ライブラリといったパッケージをまとめたメタパッケージ ↩︎

  4. /opt/etc/envrc: dotfilesで規定されたユーザー共通の環境変数設定 ↩︎

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