⛏️

Windows: Scoopをディレクトリ指定つきでインストールする方法

2023/05/31に公開

はじめに

この記事では、Scoopをディレクトリ指定付きでインストールする方法について解説します。

Scoop公式サイトなどの解説では、インストール先がデフォルトのディレクトリで固定されています。
しかし、一度インストーラーをダウンロードしてからオプションを指定してインストールすることで、指定したディレクトリにインストールできます。
このときに、グローバルインストール時のインストール先やパッケージをキャッシュするディレクトリも指定できます。

ここでは、上記のディレクトリを指定したインストール方法を詳しく解説します。

1. Scoopとは

Scoop は、Windows上で動作するパッケージマネージャーです。パッケージマネージャーとは、ソフトウェアのインストール、アップデート、削除などを管理し、これらのプロセスを自動化するツールのことを指します。

Scoop の特徴は、豊富な開発ツールを提供していることと、個人用のパッケージ管理リポジトリを容易に設立できることです。

プログラマーやエンジニアにとって、開発ツールの管理を容易に行なうことが可能です。」

2. Scoopのインストール

2.1. インストールするディレクトリ

Scoop インストーラーinstaller.ps1のオプションで、パッケージのインストール先などのディレクトリが指定できます。
この記事では、下記の表の設定でScoopをインストールします。

設定項目 設定値 説明
ScoopDir C:\Users<ユーザー名>\app\scoop Scoopのインストール先ディレクトリ。
ScoopGlobalDir C:\app\scope グローバルインストール時にパッケージを配置するディレクトリ
ScoopCacheDir C:\var\cache\scoop scoop用キャッシュ: ダウンロードしたパッケージは、このディレクトリ下にキャッシュされる

注意: <ユーザー名>は、自分のアカウント名に置き換えてください。

2.2. インストーラーのダウンロード

Scoop のインストーラーのスクリプトをダウンロードします。
以下の手順で、インストーラースクリプトをダウンロードします。

  1. PowerShell を起動する

  2. 作業用ディレクトリに移動する

    cd ~/temp
    
  3. 以下のコマンドを実行して、スクリプトをダウンロードする

    Invoke-WebRequest -UseBasicParsing get.scoop.sh -Outfile installer.ps1
    

上記の手順で、カレントディレクトリにinstaller.ps1という名前でインストーラーを保存します。

2.3. ディレクトリ指定付きインストール

次の手順で、Scoopを指定したディレクトリにインストールします。

  1. PowerShell を起動する

  2. ディレクトリ指定付きで、インストーラーを起動する

    ./installer.ps1 -ScoopDir "C:\Users\<ユーザー名>\app\scope" -ScoopGlobalDir "C:\app\scoop" -ScoopCacheDir "C:\var\cache\scoop"
    

    注意: <ユーザー名>は、自分のアカウント名に置き換えてください。

2.4. インストールの確認

scoop configコマンドで、Scoopの設定が確認できます。
次の手順、Scoopの設定を確認します。

  1. PowerShell を起動する

  2. Scoopの設定を確認する

    > scoop config
    
    root_path    : C:\Users\<ユーザー名>\app\scoop\
    global_path  : C:\app\scoop\
    cache_path   : C:\var\cache\scoop\
    last_update  : 2023/05/31 7:56:21
    scoop_repo   : https://github.com/ScoopInstaller/Scoop
    scoop_branch : master
    
    

上記のように、指定したディレクトリが表示されていれば、正常にインストールされていることが確認できます。

3. 指定ディレクトリの変更

ディレクトリ指定を間違えた場合など、ディレクトリを変更したいときはScoopの設定ファイルを書き換えます。

3.1. Scoopの設定ファイル

Scoopの設定ファイルは、%USERPROFILE%/.config/scoop/config.jsonです。
このファイルを書き換えると、ディレクトリなどを変更できます。

config.json の中身は、つぎのようになっています。

${USERPROFILE}/.config/scoop/config.json
{
  "root_path": "C:\\Users\\<ユーザー名>\\app\\scoop\\",
  "global_path": "C:\\app\\scoop\\",
  "cache_path": "C:\\var\\cache\\scoop\\",
  "scoop_repo": "https://github.com/ScoopInstaller/Scoop",
  "scoop_branch": "master",
  "last_update": "2023-05-31T07:56:21.9231246+09:00"
}

注意: "<ユーザー名>"には、実際には自身のアカウント名が入ります。

3.2. 設定ファイルの書き換え

設定ファイルconfig.jsonは、json形式のテキストファイルです。
以下の手順で、設定ファイルを編集してディレクトリを変更します。

  1. テキストエディタで config.json を開く

  2. root_path、global_path、cache_path の値を変更する

    config.json
    {
      "root_path": "C:\\Users\\<ユーザー名>\\app\\scoop\\",
      "global_path": "C:\\app\\scoop\\",
      "cache_path": "C:\\var\\cache\\scoop\\",
      ...
    }
    

    注意: 実際の設定ファイルでは、"で囲うため、"\"とエスケープしている。

  3. 設定ファイルconfig.jsonを保存する

  4. scoop configコマンドを実行して、変更したディレクトリが反映されているか確認します。

    scoop config
    
    root_path    : C:\Users\<ユーザー名>\app\scoop\
    global_path  : C:\app\scoop\
    cache_path   : C:\var\cache\scoop\
    last_update  : 2023/05/31 7:56:21
    scoop_repo   : https://github.com/ScoopInstaller/Scoop
    scoop_branch : master
    

    上記のように、変更したディレクトリが表示されれば、設定の変更が正常に行われています。

3.3. pathの修正

root_path, global_pathの設定を変更したときには、実行ファイルのインストール先も変わります。
これに合わせて、Path の設定も変更する必要があります。

次の手順で、Path を修正します。

  1. Windows の「システムのプロパティ」を開きます。
  2. 「詳細設定」タブを選択し、「環境変数」をクリックします。
  3. "ユーザー環境変数"もしくは"システム環境変数"の"Path"を探し、"編集"をクリックします。
  4. "新規"をクリックし、追加したい Path を入力します。
  5. "OK"をクリックして、ダイアログを閉じます。

3.4. 変更したディレクトリの確認

再度、scoop configを実行して、変更したディレクトリになっているか確認します。

> scoop config

root_path    : C:\Users\<ユーザー名>\app\scoop\
global_path  : C:\app\scoop\
cache_path   : C:\var\cache\scoop\
last_update  : 2023/05/31 7:56:21
scoop_repo   : https://github.com/ScoopInstaller/Scoop
scoop_branch : master

上記のようになっていれば、修正できています。

さいごに

以上で、Scoop のディレクトリ指定つきインストール方法とディレクトリの変更方法について解説しました。
Scoop は便利なパッケージマネージャーであり、開発ツールの管理を簡単に行えます。

なにか疑問があれば、この記事のコメント欄に気軽に書き込んでください。

それでは。Happy Hacking!

技術用語と注釈

  • Scoop: Windows 用のパッケージマネージャーです。Scoop上のコマンドを使用して、ソフトウェアのインストール、アップデート、アンインストールを簡単に行えます
  • パッケージマネージャー: ソフトウェアのインストール、アップデート、削除などを管理し、これらのプロセスを自動化するツールのこと。

参考資料

Webサイト

GitHubで編集を提案

Discussion