Racket: Visual Studio Codeで快適なRacket開発環境を構築する
はじめに
この記事では、VS Code
(Visual Studio Code
) を使用して、Racket
の開発環境を最適化する方法を解説します。
Racket
専用プロファイルを設定し、タブ補完やコードフォーマットなど、開発効率を高める機能を導入します。
Racket
で関数型プログラミングを学び、プログラマーとしてのスキルを向上させましょう。
1. 前提条件
1.1 Racketのセットアップ
Racket
がすでにインストールされていることを前提としています。
Racket
インストールがまだの場合は、Racket
のセットアップに関する以下の記事を参照してください。
VS Code
設定
1.2 VS Code
にprogramming
プロファイルが設定されていることを前提としています。
この設定がまだの場合は、以下のリンクからVS Code
でのプログラミング環境の設定方法を確認してください。
2. Racket拡張機能のインストール
Racket LSP
設定
2.1 Racket
用のコード補完機能、エラーチェック機能を実現するために、LSP
(Language Server Protocol
)を利用します。
Racket
側では、Racket
用 LSP
サーバ racket-langserver
をセットアップします。
次の手順で、racket-langserver
をインストールし、動作チェックします:
-
racket-langserver
のインストール
次のコマンドを実行し、racket-langserver
をインストールする。raco pkg install --auto --scope installation racket-langserver
-
racket-langserver
の起動
動作チェックのため、racket-langserver
を起動する。racket --lib racket-langserver
-
racket-langserver
の動作チェック
適当なコマンドを入力し、エラーが出力されるかチェックする。content-length: 5 hello [EOF][EOF] ← Ctrl+D(WSL)/Ctrl+Z(Windows)でEOFを入力
-
エラーチェック
エラーメッセージが出力されるかをチェックする。Unexpected EOF
fmt
インストール手順
2.2 Racket
用のコードフォーマッタ fmt
をインストールします。
次のコマンドで、fmt
をインストールします:
raco pkg install --auto --scope installation fmt
fmt
を使用するには、つぎのようにソースコードファイルを指定します:
raco fmt helloworld.rkt
fmt
は、フォーマットされたコードを標準出力に出力します。
#lang racket
(display '("Hello," "my first racket!"))
(newline)
VS Code
環境設定詳細
3. 3.1 プロファイル作成
Racket
専用のプロファイル racket-programming
を VS Code
に設定します。
次の手順で、プロファイルを作成します:
-
[プロファイルの作成]を開く
[⚙ (歯車の記号)]-[プロファイル]-[プロファイルの作成]を選択し、[プロファイルの作成]ダイアログを開きます。
-
プロファイルを作成する
プロファイル名をracket-programming
として入力し、[コピー元]にprogramming
を選んで、[作成]をクリックします。
VS Code
拡張機能インストール
3.2 次の手順で、Racket
用の拡張機能をインストールします:
-
拡張機能画面を開く
アクティビティバーの拡張機能アイコンをクリックし、拡張機能画面を開きます。
-
Magic Racket
をインストール
検索ウィンドウにMagic Racket
と入力し、表示されたMagic Racket
をインストールします。 -
racket-fmt
をインストール
検索ウィンドウにracket-fmt
と入力し、表示されたracket-fmt
をインストールします。
以上で、`コード補完、エラー検出、コードフォーマットなどの機能が利用できます。
Code Runner
設定
3.3 拡張機能Code Runner
に、Racket
プログラミング実行用の設定を追加します。
次の手順で、設定を追加します:
-
ユーザー用設定ファイルを開く
[Ctrl+Shift+P
]→open user settings
として、ユーザー用のsettings.json
ファイルを開きます。 -
Executor Map
を追加
settings.json
ファイルに、次のようにexecutorMap
を追加します。
"code-runner.executorMap": {
"racket": "cd $dir && racket $fileName",
}
4. 追加設定ファイル
editorconfig
設定
4.1 Racket
コードの書式設定に、editorconfig
を使用します。
VS Code
は、Editorconfig
拡張機能により、editorconfig
の設定を適用します。
次のように、.editorconfig
を設定します:
おわりに
以上で、VS Code
にRacket
用のプロファイルが設定できました。
れにより、Racket
ソースファイルでのプログラミングがスムーズに行えます。
より実践的なプログラミング体験を通じて、関数型プログラミングのスキルを向上させましょう。
それでは、Happy Hacking!
技術用語と注釈
-
Racket
:
教育や研究、実用的なアプリケーション開発で使用される関数型プログラミング言語 -
VS Code
(Visual Studio Code
):
多様なプログラミング言語を拡張機能によってサポートした、Microsoft製のソースコードエディタ -
LSP
(Language Server Protocol
):
エディタと通信して、コード補完、エラー検出、コードフォーマット機能などを提供するプロトコル -
racket-langserver
:
Racket
用にパッケージとして提供され、Racket
のコード補完機能などを提供するLSP
の実装 -
fmt
:
Racket
用に提供されるコードフォーマッタ -
Code Runner
:
VS Code
において、様座なプログラミング言語を直接実行する機能を提供するVS Code
格調機能 -
editorconfig
:
エディタ、IDE
でコードの統一した書式設定で適用するための設定ファイル
参考資料
Webサイト
-
Magic Racket:
VS Code
用のRacket LSP
クライアント。コードのタブ補完、エラーチェックといった機能を実現する。 -
racket fmt
:
Racket
用コードフォーマッタ -
racket-langserver
:
Racket
用のLSP
サーバ -
racket fmt
公式ドキュメント
Racket
公式サイトによるコードフォーマッタのドキュメント
Discussion