OCaml: OCaml用にVisual Studio Codeをセットアップする
はじめに
Visual Studio Code (以下、VS Code)は多言語をサポートする強力なエディタです。
OCaml用の拡張機能も提供されています。
この記事では、VS CodeでのOCaml開発環境の構築方法を紹介します。
1. OCamlパッケージのインストール
1.1 LSPサーバのインストール
VS CodeのOCaml Platform拡張機能は、LSP (Language Server Protocol)を使用しています。
OCamlのLSPサーバパッケージをインストールし、動作を確認します。
次のコマンドで、OCaml用LSPをインストールします:
opam install --yes ocaml-lsp-server
注意:
関連パッケージを自動的にインストールするため、--yesオプションを追加しています。
LSPの動作確認は、ocamllspを実行してエラーメッセージが出力されることを確認します。
次の手順で、LSPを動作確認します:
-
LSPサーバの起動:
次のコマンドでLSPサーバを起動するocamllsp -
エラーメッセージの確認:
[Enter]キーを押して、LSPサーバからエラーメッセージを出力されるかを確認する
注意:
これは、LSPサーバが正常に動作していることを確認するため# [Enter]を押す /----------------------------------------------------------------------- | Internal error: Uncaught exception. | Error: content length absent上記のようなエラーメッセージが出力される
-
LSPサーバの停止:
[Ctrl+C]を入力し、LSPを中止する^C # [Ctrl+C]を押して、中止する >
上記のようにエラーメッセージが出力されれば、LSPは正常にインストールされています。
1.2 コード整形ツールのインストール
OCamlのコードを整形するツールocamlformatをインストールし、動作を確認します。
次のコマンドで、コード整形ツールをインストールします:
opam install --yes ocamlformat
次の手順で、コード整形ツールの動作を確認します:
-
フォーマッタ用に
.ocamlformatを作成する:touch .ocamlformat -
コード整形用にプログラムを作成する:
hello.ml(* my first OCaml program *) print_endline "Hello, OCaml!!" -
上記の
OCamlプログラムをフォーマッタで整形する:ocamlformat hello.ml (* my first OCaml program *) print_endline "Hello, OCaml!!"注意:
Warningエラーが出る場合は、--enable-outside-detected-projectを追加する
上記のように整形されたプログラムが出力されれば、フォーマッタの正常にインストールされています。
2. 拡張機能のインストール
2.1 OCaml Platformのインストール
OCaml PlatformはLSPを利用して、コーディング時にタブ補完やエラーチェックを行います。
次の手順で、OCaml Platformをインストールします:
-
VS Codeを起動する:code . -
[拡張機能ビュー]を表示する:
[Ctrl+Shift+X]を入力し、[拡張機能ビュー]を表示する。 -
[
OCaml Platform]を検索する:
上部の検索バーにocamlと入力し、[OCaml Platform]を検索する。 -
[
OCaml Platform]をインストールする:
[インストール]をクリックし、[OCaml Platform]をインストールする。
2.2 Code Runnerのインストール
Code Runnerは、編集中のプログラムを簡単に実行できる拡張機能です。
編集するプログラミング言語にあわせて、適当なコマンドを実行します。
次の手順で、[Code Runner]をインストールします。
-
VS Codeを起動する:code . -
[拡張機能ビュー]を表示する:
[Ctrl+Shift+X]を入力し、[拡張機能ビュー]を表示する。 -
[
Code Runner]を検索する:
上部の検索バーにcodeと入力し、[Code Runner]を検索する。 -
[
Code Runner]をインストールする:
[インストール]をクリックし、[Code Runner]をインストールする。
2.3 Code Runnerの設定
[Code Runner]を使用するため、設定ファイルにOCaml用の設定を追加します。
次の手順で、OCaml用の設定を追加します。
-
VS Codeを起動する:code . -
設定ファイルを開く:
[Ctrl+Shift+P]として、[Open User Settings (JSON)]を選び、設定ファイル(settings.json)を開く。 -
OCaml設定を追加する:
設定ファイル (settings.json)に次の行を追加する。
これにより、OCamlでのプログラム実行時に適切なコマンドが使用される。
code-runner.executorMap": {
"ocaml": "cd $dir && ocaml $fileName"
}
注意:
OCaml以外の言語で環境構築する場合は、executorMapセクション内にほかの言語の設定を追加します。
以上で、Run Codeでプログラムが実行できます。
おわりに
この記事では、VS CodeにOCamlの拡張機能を追加する方法を説明しました。
このように拡張機能を使用することで、OCamlによる関数型プログラミングの学習がより便利になりました。
今後はVS Codeを活用して、OCamlで関数型プログラミングを学習しましょう。
それによって、さらにスキルを向上させていきましょう。
それでは、Happy Hacking!
技術用語と注釈
この記事で使用される主な技術用語について解説します:
-
OCaml:
強力な型システムを特徴とする関数型プログラミング言語 -
VS Code(Visual Studio Code):
Microsoft によって開発された、軽量で強力な機能を持つコードエディタ -
opam:
OCaml用のライブラリやツールを提供するOCamlパッケージマネージャー -
LSP(Language Server Protocol):
エディタ、IDE用に統一された方法でプログラミング言語のサポートを提供するプロトコル -
OCaml Platform:
OCamlプログラミングのために、OCaml言語のサポートを強化するVS Code拡張機能 -
Code Runner:
任意の言語のコードスニペットやファイルを簡単に実行できるVS Code拡張機能
参考資料
Webサイト
-
opam:
OCaml用パッケージマネージャー -
ocaml-lsp:
OCaml用LSPサーバ -
ocamlformat:
OCaml用コード整形ツール -
OCaml Platform:
OCaml用VS Code拡張機能 -
Code Runner
コード実行VS Code拡張機能
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