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Proxmoxのセットアップ - 構成の概要

2024/07/29に公開

はじめに

この記事では、自宅で仮想サーバとして使用しているミニPC Speed S5 Pro を紹介します。
仮想化ソフトウェアであるProxmoxを導入し、複数の仮想マシンを同時に稼働させています。
メモリとストレージ(SSD/HDD)を増設し、上記の仮想マシンをスムーズに運用できます。

1. Proxmoxの概要

1.1 Proxmoxとは

Proxmoxはオープンソースの仮想化プラットフォームです。
Debianをベースにした仮想化専用のLinuxディストリビューションで、Webインタフェースを通じて簡単にゲストマシンを構築して運用できます。

2. 構成

2.1 ハードウェア構成

今回購入したSpeed S5 Proには、ゲストOSを快適に動作させるために、メモリを64GBに増設しました。
あわせて、2TBSATA SSD8TBUSB外付けHDDを追加し、十分に大きなディスク容量にしました。

ハードウェアスペックをまとめると、下記の表となります:

種別 モデル 詳細 備考
CPU AMD Ryzen 7 5800H 8コア / 16スレッド
グラフィックス AMD Radeon Graphics AMD Cezanne 内蔵グラフィックス
メモリ DDR4 64GB
ストレージ1 NVME SSD 2TB
ストレージ2 SATA SSD 2TB
USB外付けHDD USB 3 8TB

2.2 ネットワーク構成

Speed S5 Proはサーバとして、自宅のLANに繋ぎます。
PCスマートフォン無線LANで繋ぎ、NASサーバ有線LANで繋ぎます。
以下が自宅LANの構成図です:

自宅LAN構成図

IPアドレスの割り当ては、次のように設定しています:

IPアドレス 用途 備考
192.168.14.10192.168.14.100 PC,スマートフォンなどのデバイス DHCPにより動的割り当て
192.168.14.200192.168.14.249 自宅サーバ、NAS 各デバイスことに固定
192.168.14.250192.168.14.254 ルータ用 各ルータ用に固定

このように、DHCPで動的に割り当てるアドレスと、サーバ用に固定で割り当てるアドレスの領域を別にすることにより、IPアドレスが衝突しないようにしています。

3. セットアップの概要

3.1 ディスクキャッシュの使用

ミニPC上には、SATA接続のSSDUSB外付けHDDを追加しています。これらのデバイスは比較的低速なため、高速なNVME SSDをディスクキャッシュとして利用します。

ディスクキャッシュツールとして、Linux上のブロックデバイス型ディスクキャッシュツールbcacheを使用します。
bcacheは、/dev/sdaなどの通常のストレージデバイスの代わりに、キャッシュ済みのストレージデバイス /dev/bcache# (#は数字) を提供します。
/dev/bcache#上に、ファイルシステムを構築してLinuxにマウントすることで、通常のストレージと同じように使用できます。

3.2 起動ディスクの作成

USBメモリProxmoxインストーラISOイメージを書き込み、起動ディスクを作成します。
起動ディスクの作成は、rufusを使用して、USBメモリに直接ISOイメージを書き込みます。

3.3 キーボードとマウス、およびモニター

インストール時には、キーボード、マウス、モニターを接続する必要があります。
キーボードとマウスは有線でUSB接続するものを、モニターはHDMIに対応したものを使用します。
また、USB 接続端子のことを考えると、USBハブがあるといいでしょう。

技術用語と注

この記事で使用する技術用語を箇条書きにします。

  • Proxmox:
    DebianベースのLinuxディストリビューションで、Webインタフェースからゲストマシンを管理・運用できる仮想化プラットフォーム。

  • ゲストOS:
    仮想化された環境上で動作するOS

  • bcache:
    Linuxで動作するブロックデバイス型のディスクキャッシュツール。

  • rufus:
    USBメモリISOイメージを書き込み、起動ディスクを作成できるツール。

  • DHCP:
    ネットワーク内のデバイスにIPアドレスを自動的に割り当てるプロトコル。

  • 固定IP:
    サーバなどのデバイスのために、事前に割り当てられたIPアドレス

  • 仮想化:
    ハードウェアリソースを抽象化し、複数の仮想マシンを同時に稼働させる技術。

  • ディスクI/O:
    ディスクへの入出力

  • 起動ディスク:
    OSのインストール時などに使用される、PCの起動に必要なデータが格納されたディスク

おわりに

この記事では、ミニPCを自宅サーバとして使用するにあたり、ハードウェアスペックや自宅LANの環境などを説明しました。
自宅LANの環境はそれぞれで異なります。IPアドレスの範囲 (192.168.14.0/24) や各サーバのIPアドレスは自分のところの環境にあわせて変更してください。

それでは、Happy Hacking!

参考資料

Webサイト

  • proxmox
    サーバ用の仮想化プラットフォーム

  • Rufus
    インストールイメージ作成ツール

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