OpenMediaVaultをインストールしたRaspberry PiでpCloudを自動バックアップする設定
crontabとは?
crontabは、Unix系オペレーティングシステムで定期的にジョブを実行するための設定ファイルです。ユーザーはこのファイルを編集して、特定の時間や間隔でコマンドやスクリプトを自動的に実行するスケジュールを設定できます。crontabは分、時、日、月、曜日の5つのフィールドで構成され、各フィールドに指定した値に基づいてジョブが実行されます。
Raspberry Piの設定
以下の手順で、Raspberry PiにOpenMediaVaultをインストールしておきます。
バックアップ方法
環境変数HOMEを確認する
Raspberry Pi上で以下のコマンドを実行して、ホームディレクトリの環境変数HOME
が定義されていることを確認しておきます。
echo $HOME
今回のようにOpenMediaVaultをマウントしたRaspberry Piの場合、以下のように表示されます。
/srv/dev-disk-by-uuid-<UUID>/nas/<ユーザー名>
これがOpenMediaVaultをインストールしたRaspberry Piのホームディレクトリの絶対パスになります。
環境変数HOME
は、crontabの設定やシェルスクリプトの作成時に使用します。
crontabの設定ファイルへの記入方法
crontabファイルの末尾に、スペース区切りで以下のフィールドを並べた行を追加することで、スケジューリング設定ができるようになっています。
フィールド | 内容 |
---|---|
分 | 0〜59までの整数 |
時 | 0〜23までの整数 |
日 | 1〜31までの整数 |
月 | 1〜12までの整数 |
曜日 | 0〜6までの整数(0が日曜日) |
コマンド | 実行するコマンド |
バックアップの設定例
シェルスクリプトの設定例
今回は、pCloudのホームディレクトリのバックアップを取得するため、定期実行するシェルスクリプトを作成します。
sudo nano $HOME/cron/bachup.sh
以下のような内容でシェルスクリプトを作成します。
#!/bin/bash
set -e # エラー時に即座に終了
MOUNT_POINT="$HOME/pCloudDrive"
BACKUP_DEST="$HOME/Backup/pCloud"
DATE=$(TZ='Asia/Tokyo' date '+%Y%m%d-%H%M%S')
BACKUP_FILE="backup_pcloud_$DATE.tgz"
# 必要な関数
check_command() {
command -v "$1" >/dev/null 2>&1 || { echo >&2 "$1が見つかりません。インストールしてください。"; exit 1; }
}
# 必要なコマンドの確認
check_command rclone
check_command tar
# マウントポイントの準備
mountpoint -q "$MOUNT_POINT" && fusermount -u "$MOUNT_POINT"
mkdir -p "$MOUNT_POINT"
# pCloudのマウント
rclone mount pcloud: "$MOUNT_POINT" --daemon --vfs-cache-mode full
# マウントの確認
for i in {1..30}
mountpoint -q "$MOUNT_POINT" && break
sleep 1
[ $i -eq 30 ] && { echo "pCloudのマウントに失敗しました。"; exit 1; }
done
# バックアップの実行
mkdir -p "$BACKUP_DEST"
tar -czf "$BACKUP_DEST/$BACKUP_FILE" -C "$MOUNT_POINT" .
# 4週間以前の古いバックアップの削除
find "$BACKUP_DEST" -name "backup_pcloud_*.tgz" -type f -mtime +28 -delete
# pCloudのアンマウント
fusermount -u "$MOUNT_POINT"
echo "バックアップが完了しました: $BACKUP_DEST/$BACKUP_FILE"
pCloudのホームディレクトリを、OpenMediaVaultをマウントしたRaspberry Piの$HOME/Backup/
に.tgzファイルで保存して、最新の3回分だけ残して古いファイルは削除するようにしました。
crontabの設定例
以下のコマンドで、crontabの設定を編集します。
crontab -e
crontabの設定ファイルが開くので、例えば以下のような記述を末尾に追加します。
# pCloudを$HOME/Backupにバックアップする
# (毎週月曜の2:00に$HOME/cron/backup.shを実行する)
0 2 * * 1 sh $HOME/cron/backup.sh
crontabの設定ファイルに編集内容を保存して終了すると、スケジュール設定が反映されます。
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