OpenAI APIのTierの上げ方・上がり方
OpenAI APIのTierの上がり方(条件達成のタイミングなど)がよくわからなかったので調査した。
Tierについて
OpenAIのAPIを使うには課金が必要であり、あらかじめお金をチャージしてそれを消費していくプリペイド方式となっている。
そして、支払った金額や経過日数に従って開発者のランク(Tier)が決定し、このTierによって、1ヶ月間に使える上限金額やAPIのRate Limit、使用可能モデルが決まる。
特に「使用可能モデル」の変化は開発者にとって重要で、例えば2024.11.18現在の最新のモデルであるo1-previewを使うにはTier3以上が必要となっている。
しかしTier表を見る限りでは
- 課金額の条件は、「課金した時点で達成」なのか「実際にAPIを使用してその金額を消費して達成」なのかわかりづらい(Tier表だと「paid」だけど、他のページだと「spent」と表記されていたりするため)
- 経過日数の条件の起算日がどこからなのかわかりづらい
ため、その挙動を確認してみた。
なお、自分のアカウントの現在のTierがいくつかなのかは下記のページより確認できる。
試したこととその結果
実験当時のOpenAIのTierの説明の要約すると以下の通り。
- 5ドル課金すればTier1だよ
- 50ドル課金すればTier2だよ。ただし最初の課金から7日経過している必要があるよ
- 100ドル課金すればTier3だよ。ただし最初の課金から7日経過している必要があるよ
そして実施した内容は下記。
日付 | 試したこと | 結果 |
---|---|---|
2024.07.30 | 5ドル課金 | Tier1に昇格 |
2024.11.18 | 45ドル課金 | Tier2に昇格 |
2024.11.18 | 50ドル課金 | Tier3に昇格 |
いずれも課金した金額全てを消費したわけではない。したがって、下記の仕様であると推測される。
- Tier表にある「$N paid」はAPIで実際に消費しなくともよく、かつ課金した合計金額で計算される
- Tier表にある「N+ days since first successful payment」は、そのアカウントにおける最初の課金日が起算日となる(これは読んで字の如く)
なお、下記のコミュニティサイトの投稿にあるように、経過日数の条件は、経過時には達成されず、Tierの再計算はあくまで課金時に行われるようである。
つまり、新規アカウントを作って即日100ドル課金、その後7日経過しても経過しただけでは自動でTier3には上がらない。そこから1ドルでも良いので課金するとTierの再計算が走り、Tier3となる。
Playgroundで使えるモデルもTierにより更新される
OpenAIのダッシュボードにあるPlaygroundで選べるモデルは、現在のTierで使えるモデルのみが列挙される。
課金制限について
課金は下記のようなダイアログで行うが、入力できる金額の上限は現在のTierによって決定するようである(下記はTier3時点の様子。一度に900ドルまで課金できる)
これは、課金後の合計金額が、Tier表にある各Tierの「USAGE LIMITS」を超えないように制限されているということのようである。
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