TSKaigiで登壇デビューしました 〜過去の自分に伝えたい登壇して良かったことと準備の流れ〜
はじめに
こんにちは。atama plusのtakei(@yutake27)です。
先日、TypeScriptのカンファレンス「TSKaigi2025」のライトニングトーク(LT)枠で人生で初めて登壇しました。
これまで小さなイベントでさえ現地参加の経験がほとんどなく、登壇は自分には縁がないと思っていました。
そんな自分が、なぜ登壇することになったのか、どんな準備をして、どんな経験を得たのかをまとめます。
かつての自分のように「登壇はハードルが高い」と感じている方の参考になれば幸いです。
参考までに当日の登壇資料はこちらです。
TypeScriptのdeclaration mergingという性質を活用したテクニックを発表しました。
なぜ登壇しようと思ったのか
きっかけは、登壇経験が豊富な弊社VPoE(@kzk_maeda)から「応募してみない?」と声をかけてもらったことです。
最初は「発表するほどの内容がない」と思っていました。
しかし、「これまでに書いた記事の内容でも、十分学びはあると思うよ」と背中を押してもらい、記念受験のつもりで応募しました。
応募自体が初めての経験で、文章の書き方や構成を考えること自体が勉強になりました。
もし採択されたら実績にもなるし、個人ブランディングにもつながるかもと思い、挑戦しました。
応募から採択まで
応募にあたっては、弊社VPoE(@kzk_maeda)にプロポーザルの添削やアドバイスをもらいました。
詳しいアドバイス内容は記事後半にまとめています。
結果、ありがたいことに採択されました。
応募してみなければ採択されることもないので、とりあえず打席に立ってみることの重要さを感じました。
登壇してよかったこと
今まで学びを記事にしてアウトプットしたことはありましたが、実際に登壇してみて、記事を書くのとはまた違った経験ができました。
ここでは、実際に登壇して感じた主なメリットをご紹介します。
プレゼンスキルの向上
短時間で分かりやすく内容を伝えるためにスライドの構成や話し方など、どうすれば良いか考える良い機会になりました
社内での練習時に色々なフィードバックを頂けたので当日はそれを活かして発表できました。
登壇者ならではのイベントにも参加できた
特に、カンファレンス前日に開催されたスピーカーディナー(登壇者懇親会)は、運営や他の登壇者の方と交流できる貴重な機会でした。
参加前は知り合いが誰もいなかったので不安だったのですが、人数がそこまで多くなかったのと同じ登壇者同士だったので初対面でも話しやすかったです。
新しい人とつながることができた
スピーカーディナーや懇親会、スポンサーブースなどで沢山の初めましての方とお話しできました!
「登壇します〜」という掴みが使えたので、話のきっかけになりやすかったです。
カンファレンスのテーマである「学び、繋がり、”型”を破ろう」を体現できたのではないかと思います。
Xのフォロワーも増えました!
大勢の人の前で話す経験ができた
大勢の人の前で話す経験はこれまでの人生でほとんどありませんでした。
今回経験できたことで、今後人前で話すことのハードルがかなり下がりました。
現地参加してよかったこと
登壇する・しないに関わらず、カンファレンスの現地参加自体にも多くの良い点がありました。
技術にどっぷり浸かる時間を作れた
カンファレンスのためだけに時間が取れるので、興味がそこまで高くないと思っていた発表もふらっと聞きにいくことができ、聞いてみると新たな知見が得られました。
オンライン参加の場合、興味が強いところだけの視聴になりがちだったので、オフライン参加の強みを感じました。
スポンサーブースで素敵なノベルティをもらえた
スポンサーブースを周るスタンプラリーが企画されていて、楽しく色々な企業のブースを周ることができました。
各社が工夫を凝らした素敵なノベルティーを用意してくださっていて、どのブースも個性が光っていました。
いくつか特に印象に残ったノベルティーを紹介します。
TypeScriptのクイズに正解するともらえたキーホルダー
「TS」という文字が入ったキーホルダーで、クイズに正解しないともらえないというゲーム性もあり、会場が盛り上がっていました。
くじ引きで当たった本
技術書が当たるくじ引きもあり、前から気になっていた「型システムのしくみ」が当たって本当に嬉しかったです。
押すと光るキーキャップとデコシール
ビンゴを揃えるともらえる、押すと光るキーキャップもありました。
1日目も2日目も人気すぎて一瞬で無くなっていました。凄く欲しかったので2日目の早い時間に行きました!
その他にもたくさんの素敵なノベルティーをいただきました!
周りの人に刺激を受けた
登壇者の方々のアウトプットを見て、自分もアウトプット頑張ろう!とモチベーションが上がりました。
この記事も、その一環で書いています。
美味しいご飯やお弁当も楽しめた
スピーカーディナーや懇親会で美味しいご飯をいただきました。
また、美味しいお弁当が2日間参加者全員分用意されていました!
オンライン参加も便利ですが、現地ならではの体験ができました。
プロポーザル提出〜発表までの流れ
ここから、実際にプロポーザル提出〜発表までどんな準備をしたかの流れをご紹介します。
テーマ決め・プロポーザル提出
2テーマまで応募できたので、2テーマ考えて応募しました。
採択確率が上がると思うのでおすすめです。
書く際には、弊社VPoE(@kzk_maeda)から以下のアドバイスをいただきました。
(※これは@kzk_maedaさんのご経験に基づくものであり、TSKaigiの公式な選考基準ではありません)
- 「この話から何が得られるのか」「何を話すのか」が明確だと、採択されやすい
- 話す内容の構造や具体的な内容まで記載されていると良い
- イベントの趣旨に沿っているか、想定される参加者にマッチしているかが分かると良い
上記観点をもとにプロポーザルの作成→社内でレビュー→ブラッシュアップ→提出という流れでした。
社内に詳しい人がいない場合は、プロポーザルを一緒に書くイベントがあったのでそのようなイベントに参加してもよいかもしれません。
採択通知
プロポーザル提出後約3週間、カンファレンスの約2ヶ月前に採択通知が来ました。
通知が来たときは嬉しさよりも不安が大きかったです。
資料作成
採択されたテーマは、もともと記事にしていた内容に関連するものだったので流れは作りやすかったです。
スライドは Markdown で書けるプレゼンテーションツール「Marp」を使って作成しました。
箇条書きから仮スライドまではすぐできて便利でした。スライド最終調整時の細かいCSS調整はやや大変でした。
発表練習
社内で発表練習をし、フィードバックをもらいながら資料をブラッシュアップしました。
実際に頂いたフィードバック
様々な観点からフィードバック頂けて、本番はそれを活かして発表できたので非常にありがたかったです。
特にフィラーをなるべく入れない、声をワントーンあげることを意識するようになり、本番ではそれを活かして発表できました。
スピーカーディナー(発表者懇親会)
前日に登壇者・運営者限定のイベントがありました。
くじ引きでテーブルを決める形で、知らない人とでも話しやすかったです!
周囲からTypeScriptのニッチな話ばかり聞こえてきて、非常に楽しかったです。
本番
会社の人が応援に来てくれたおかげで、思ったよりも緊張せずに発表できました。
Xで感想を呟いてくれた方もいて、とても嬉しかったです。
懇親会
全体終了後の懇親会では、転職した先輩やその方のお知り合いの方々と話すことができました。
ただ、スピーカーディナーよりもかなり人数が多かったので全く繋がりがない方に話しかけるのは自分にはハードルがありました。次回は挑戦してみたいです。
感想
登壇はハードルがかなり高いと感じていましたが、周りの方のサポートのおかげでなんとかやり遂げることができました。この場を借りて感謝を伝えたいです。
また、TSKaigiの運営の皆さんにも感謝しています。
あの規模で大きなトラブルもなく、素晴らしいイベントでした!
来年も、登壇の有無に関わらず、ぜひ参加したいと思います。
今回の登壇を通じて、自分の知識や経験を整理し、それを言語化することの難しさや重要性を改めて感じました。
また、様々なアウトプットをしている周りの方々から大きな刺激を受け、自分も頑張ろうと思いました。
あとがき
ここまで色々書いてきましたが、正直、この記事を過去の自分に見せても「登壇してみよう!」とはならないかもしれません(笑)
それでも、カンファレンスに現地参加するだけでも十分意味があるので、まずは気軽に参加してみてほしいなと思います。
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