atama plusエンジニア達のギルド活動のご紹介〜2024夏版〜
こんにちは!atama plusのパンダ好きエンジニア @pandineer です。
今回は、2024夏版と称して、atama plusで取り組まれているギルド活動の最近について、ご紹介します。
atama plusのエンジニアの活動を知ってもらうとともに、組織的な課題解決のアプローチを探している方の選択肢の1つとしてもらえたら嬉しいです。
ギルドとは
atama plusにおけるギルドとは、特定技術領域や、エンジニアが関係する特定テーマについて、そのテーマに興味関心のある有志がチーム横断で集まる組織体です。
ギルドの活動は目的によって様々ではありますが、Spotifyモデルにおけるギルドと近しいものになっています。
ギルドの中には、さらに分科会のような形で「パーティ」をという組織を持つギルドもあります。
ギルド発足の背景
atama plusでは、開発の規模が大きくなり複雑性も増していく中で、組織横断的な課題が表出してきました。これらの課題は、課題の性質上開発チーム単独では取り組みにくく、解決へのアプローチに工夫が必要になっていました。
そこで、このような課題に対応することを目的としてギルド制度が生まれました。
発足当初はエンジニアのみでギルドを運営していましたが、現在では他の職種もメンバーに加わり、ギルドの数もかなり増えてきました。一方で、ギルド発足時の課題が解決したり、他のチームにマージされることで、役目を終えたギルドも出てきました。この記事を執筆している時点では、社内に以下の14のギルド/パーティがあり、エンジニアだけでなくQA、UXデザイナー等が関心のあるギルドに参加しています。
- 自動テスト推進ギルド
- Jestパーティ
- pytestパーティ
- Playwrightパーティ
- フロントエンドギルド
- Angularパーティ
- Reactパーティ
- uniformパーティ※
- パフォーマンスギルド
- リリースギルド
- ナレッジマネジメントギルド
- データギルド
- 生成AIギルド
- ハッカソン運営ギルド
※「uniform」は、atama plusのデザインシステムの名称です
ギルドについては、過去に以下の記事でも触れています
- https://zenn.dev/atamaplus/articles/qiita-20231218-d75c0a4dd6af9e4554de
- https://zenn.dev/atamaplus/articles/e1477fe17dc162
今回は上記の中から、パフォーマンスギルドと、ナレッジマネジメントギルドについて、最近の具体的な活動をご紹介します。
パフォーマンスギルド
パフォーマンスギルドは、プロダクトのパフォーマンス(特に応答性)について、強い興味を持ったメンバーが集まったギルドです。
ギルド活動のスコープは、パフォーマンスの可視化に始まり、実際のパフォーマンス改善、パフォーマンス維持の仕組み化、啓蒙活動などにわたります。
今回は、パフォーマンスギルド主催で最近行われたワークショップである「閾値を身近に!PJ」についてご紹介します。
「閾値を身近に!PJ」は、啓蒙活動の一環として行われました。
活動のゴールは、以下の3点です
- プロダクトチーム各位が気軽にダッシュボードを作れる状態になっていること
- 作ったダッシュボードを職種関係なく眺められる状態になっていること
- 閾値抵触があった場合の運用フローの認識が揃っていること
ワークショップは、各チームに対して、以下の流れで行われました
- ワークショップ開催前までに、各チームが担当する機能の内、利用頻度が高い機能を決める
- ワークショップ当日は、Datadogを使ってギルドと一緒にパフォーマンスを監視するダッシュボードを作成する
- ダッシュボードの監視頻度をギルドと相談しながら決める
- 実際にダッシュボードを監視してみる
- 一時的にわざと閾値超過が起こるような閾値を設定し、閾値超過時の運用フローをなぞってみる
- ラップアップ
ワークショップの様子
ワークショップ開催後のアンケートで得られた感想をいくつか抜粋してご紹介します
- 実際に行動するまでのハードルが下がるので参加できてとてもよかったです。
- 他の方に設定してもらうのではなく、自分たちでどの画面の機能を計測したいか話し合える良い機会になったと思いました。
- チームでパフォーマンスの継続監視をする動きにつながるというワクワクを感じました
- パフォーマンス改善というと、基準が難しかったり感覚的なもので取り組むのにハードルが高いイメージがありました。以前、なんとなくパフォーマンス悪いけどどこまで良くなったら良いとするかで苦労した記憶も。。パフォーマンスに日常的にチーム全員で目を向けていきたい!
より詳細なワークショップの様子や検討経緯については、後日より詳細に記載した記事が出せたらと思っています。
ナレッジマネジメントギルド
atama plusは創業8年目に突入し、プロダクトの規模や複雑さも増してきており、ナレッジの管理の重要性が増してきています。
そこで、ナレッジマネジメントに課題感と興味関心のあるメンバーが集まり、ナレッジマネジメントギルドが立ち上がりました。
「今後のプロダクト・組織のスケールに備えるためにも、一部の人・チームに属人化されたナレッジを減らしつつナレッジの利便性も高めることで、リスクや開発中の不安・ストレスを減らし、仕事の効率化も進めたい」という目的を掲げています。
今回は、特に最近注力している「カノニカルな情報源の構築・運用」についてご紹介します。
カノニカルな情報源とは、開発で使う信頼できるリファレンスになる情報を集約する場所のことで、この場所にある全てのドキュメントはメンテナンス対象としています。
ギルドメンバーによるブレストや、エンジニアへのヒアリングを経て、『Googleのソフトウェアエンジニアリング』や『GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた ドキュメントの活用でオフィスなしでも最大の成果を出すグローバル企業のしくみ』という書籍を参考に、カノニカルな情報源の構築・運用にトライしています。
いざ始めようとすると考えることが多く、スピード感とアウトカムと今後の運用のバランスを考慮しながら、プロセスを含めて構築していきました。
※具体的なプロセスや検討経緯については、後日より詳細な記事でご紹介できればと思います。
現在運用を開始しており、ドキュメントを今後もっともっと増やしていきたいというフェーズですが、以下のように最近Join頂いた方からもポジティブなフィードバックを頂くことができました。
最近Joinした方からいただいたFB
今後はもっとドキュメントを増やしていくことと、「ここにある全てのドキュメントがメンテナンスされていること」という運用をしっかり回していくことに立ち向かっていきます。
さいごに
atama plusでは、色々な課題に対して、さまざまなアプローチで立ち向かっています。
本記事では、組織的な課題解決のアプローチの一環として、ギルド制度そのものと、事例として2つのギルドの最近の活動を紹介しました。
今回紹介した活動もどちらもとても良いものなので、改めて詳細について記載した記事が出せたらいいなと思っています。
また、今回活動をご紹介できていないギルドもさまざまな取り組みにトライしているので、どこかでご紹介できたら嬉しいです。
最後に、現在 atama plus では多くの職種で採用を行なっております。
新しいサービスも立ち上がっているので一緒に盛り上げてくれる方、ぜひお話ししましょう!
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