【RealityCapture】フィギュアを3Dモデルにしてみた
背景
2024年4月からRealityCaptureが無料になった。
本ソフトを用いた業務経験があったため、
動物のフィギュアをRealityCaptureで作成し、そのプロセスを記事にまとめてみた。
RealityCaptureとは?
写真データから被写体の3Dモデルを生成するツールである。
質の良い3Dモデルを作成するには、被写体を様々な方向から撮影する必要がある。
成果物
Sketchfabに本記事を執筆するにあたって作成した3Dモデルをアップロードした。
プロセス
プロセスは以下の通り。
ステップごとで順追って説明していく。
フィギュア撮影
撮影環境
撮影環境は下図の通りである。撮影機材について左から説明していく。
番号 | 機材 | 補足説明 |
---|---|---|
1 | カラーチェッカーパスポート | ホワイトバランスなどの色補正に用いる |
2 | 回転台 | フィギュアを回しながら撮影するために用いる |
3 | 定規 | フィギュアのスケールを把握するために用いる |
4 | フィギュア | 3Dモデルにしたいもの |
5 | 照明 | なるべく影を作らないようにする |
6 | カメラ | なるべく解像度の高いほうが望ましい |
7 | カメラスタンド | ブレやボケはテクスチャの品質に直結する |
画像ファイルの取得
回転台の上にフィギュアを乗せ、回転させながら動画を30fpsで撮影する。
撮影データから0.5秒間隔でフレーム画像を抽出しファイルとして保存。
撮影画像の色補正
Lightroomを用いて、フィギュアと一緒に撮影したカラーチェッカーのカラーパッチを用いてホワイトバランスを調整。
モデル生成
RealityCaptureで画像データから3Dモデルデータを生成。下図の輪っかは撮影の際のフィギュアに対するカメラの動きの軌跡である。
モデルデータを生成するために用いた画像データはフィギュアを斜め上方向から撮影して取得したものであるため、上面は比較的良好だが、下面が芳しくない。
上面 | 下面 |
---|---|
よって、斜め下方向からもフィギュアを撮影し、追加の撮影データで下面のメッシュおよびテクスチャのクオリティを向上させる。
2回目の撮影 | 3回目の撮影 |
---|---|
アライメント作業やマスキング作業を経て、フィギュアの全方向からの撮影データをもとに出来上がったのが、右図である。左図は先ほどのメッシュデータだが、比べると下面がしっかり再現できていることが確認できる。
Before | After |
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モデル修正
モデリングツールで有名なZBrushを用いて、RealityCaptureで生成された3Dモデルに対し修正を行う。
メッシュ修正
ZModelerやZRemesherを用いて、形状の修正やリトポロジーを行う。
Before | After |
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UVマップ編集
UVMasterやPolyGroupを活用し、UV編集を行う。
Before | After |
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最終調整
モデル修正後、最終調整としてBlenderでモデルの向きや原点を調整したりシェーダーを作成。
3Dモデル共有サイトで大手のSketchfabはFBXファイルをサポートしているため、
テクスチャファイルをすべてFBXファイルに埋め込みFBX形式でエクスポートした。
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