Windows Server 2022でタッチパッドを無理やり有効化する
TL;DR
タッチパッド等を使用するのに必要なI2C HID Deviceドライバが、Windows Server 2022ではデフォルトで入っていない。
そのため、Windows Server 2022のインストールメディアからドライバファイルを抽出し、infファイルを少し書き換えた上で手動でインストールする必要がある。
環境および前提条件
以下の環境で動作することを確認した。Synaptics Touchpad が搭載されているノートパソコンをお持ちの場合は、先にそちらのドライバをインストールした方がいいかもしれない。
- PC: Dell Inspiron 3501
- OS: Windows Server 2022 Datacenter
また、以下のものが必要になる。
- Windows Server 2022のインストールメディア (boot.wim が参照できればよい)
- 7-Zip (wimファイルを開くため)
今回は、I2C HID Deviceドライバをインストールすることを目標とする。
ドライバファイルの抽出と書き換え
hidi2c.sys
と hidi2c.inf
をインストールメディアから抽出し、Windows Serverへインストールできるようinfファイルを少し書き換える。
インストールメディアよりファイルを抽出
まず、インストールメディアをマウントして \sources\boot.wim
を7-Zipで開く。
その後、boot.wim
内の以下のパスに存在するファイルを任意のディレクトリへ抽出する。
Windows\INF\hidi2c.inf
Windows\System32\drivers\hidi2c.sys
なお、hidi2c.inf
と hidi2c.sys
は同一ディレクトリ内にないとインストール出来ないので注意すること。
infファイルの書き換え
抽出した hidi2c.inf
を開き、以下のように書き換える。
--- hidi2c.inf 2019-12-07 15:52:55.804049300 +0900
+++ hidi2c.mod.inf 2023-10-01 20:55:36.738298200 +0900
@@ -38,9 +38,9 @@
;*****************************************
[Manufacturer]
-%MSFT%=Microsoft,NTamd64...1
+%MSFT%=Microsoft,NTamd64
-[Microsoft.NTamd64...1]
+[Microsoft.NTamd64]
%hidi2c.DeviceDesc%=hidi2c_Device, ACPI\PNP0C50
[hidi2c_Device.NT]
ドライバのインストール
このままドライバのインストールをしてしまいたいが、署名が存在しない。これだとインストール出来ないので、ドライバ署名の強制を無効化してからインストールする。
ドライバ署名の強制を無効化する
スタートメニューより、Shiftキーを押しながら再起動を行う。
その後に表示される青い画面で、「トラブルシューティング」→「スタートアップ設定」を選択し、次の画面で「ドライバー署名の強制を無効にする」を選択する。
レッツ、インストール
ドライバ署名の強制を無効にして起動した後、先程書き換えを行ったinfファイルを右クリックして「インストール」をクリックする。
その後、ドライバーソフトウェアの発行元を確認できない旨の警告が表示されるが、無視してインストールする。
正常にインストールされると、タッチパッドが正しく使えるようになるはず。
参考
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