「バックアップと復元 (Windows 7)」のバックアップ先をOneDriveにする
動機
所属先企業では業務用PCのバックアップ先としてOneDriveを使うことが推奨されている。OneDriveには確かに「同期とバックアップ」の設定項目があるが、ここから選択できるのは「デスクトップ」「ピクチャ」「ドキュメント」の三項目のみであり、ドライブ上の任意フォルダを選ぶような機能はなぜか存在しない。
任意フォルダをバックアップしたい場合、例えばリンクを使う[1]という方法があるようだが、ここではWindows 7以降に備わっている「バックアップと復元」機能のバックアップ先をOneDriveにする方法を紹介する。
手順
「バックアップと復元」機能は、Windows 10, 11ではコントロールパネルのコントロール パネル\システムとセキュリティ\バックアップと復元 (Windows 7)
から使うことができる。[2] しかし、この機能ではバックアップ先としてドライブを選択することはできてもフォルダを選択することはできないため、OneDriveのフォルダも普通には選べない。そこでOneDriveフォルダをネットワークドライブとして共有することにする。
1. ローカルユーザーアカウントを作る
まずは「バックアップと復元」機能に必要なアクセスを許可するためだけのローカルユーザを作成する。Windows でローカルのユーザー アカウントまたは管理者アカウントを作成するを参照。
このアカウントのパスワードは手順の後半で必要になるが、一連の設定がすべて終わったら以降このアカウントにログインすることはないため、ずっと保管しておく必要はない。弱いパスワードは避けること。
ここではonedrive
という名前のユーザを作ったとする。
2. OneDriveフォルダを新しいローカルユーザーアカウントに共有する
ここではOneDriveフォルダのパスをC:\Users\taro\OneDrive - 佐藤太郎
とする。OneDriveフォルダのパスは環境変数OneDrive
などでも確認できる。
OneDriveフォルダ、あるいはその下の(バックアップ先として使いたい)フォルダを右クリックしてプロパティから「共有」タブを選択し、「ネットワークのファイルとフォルダーの共有」の「共有」ボタンをクリックする。共有ウィンドウから先ほど作ったonedrive
アカウントに読み取り/書き込み
を許可する。
これで、OneDriveフォルダがネットワークドライブとして使えるようになった。あとは「バックアップと復元」の設定をすればよい。フォルダのプロパティの「共有」タブに表示されているネットワークパスが以下で必要になる。
3. バックアップと復元を設定する
コントロールパネルの「バックアップと復元」機能からバックアップの設定を行う。「ネットワークに保存」を選択して先に共有したフォルダのネットワークパスを入力し、さらに先に作ったローカルアカウントのユーザー名とパスワードを入力する。以下はネットワークパスが\\MACHINE\Users\taro\OneDrive - 佐藤太郎
の場合の例。
これで定期バックアップの設定ができた。
その他メモ
この手順で作ったバックアップイメージはそのままだとローカルディスク上にも存在するため、ディスクがバックアップ分の容量も消費してしまうという欠点がある。データの実体をクラウドのみに置きたい場合、OneDriveフォルダ以下のバックアップファイルあるいはフォルダを右クリックして「空き領域を増やす」を選択すると、ディスク上のサイズを0バイトにできる。[3]
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