VS Codeの便利なファイラーYamafilerの具体的な使い方
はじめに
先日、VS Codeのファイラー拡張機能Yamafilerを公開しました。
この記事では、初めてYamafilerに触れる方のための導入方法、おすすめの設定と具体的な使い方を説明します。
この記事で紹介するのは一例です。コマンドや引数の一覧は前回の記事をご覧ください。
導入方法
インストール
VS Codeの(デフォルトでは)左側にある「拡張機能」バッジをクリックし、
検索ウィンドウにyamafiler
と入力し、
検索結果からYamafilerを選んでインストールします。
ショートカットの設定
Yamafiler 0.0.5 より、推奨のキーボードショートカットを簡単に設定できるようになりました。
この記事ではキーボードショートカットを以下のように設定します。
操作の一覧
キー | 操作 |
---|---|
Ctrl Shift Y
|
起動 |
Shift ` 日本語キーボードでは Shift '
|
ホームフォルダーを開く |
O |
同じフォルダーを隣のカラムにも開く |
H |
親フォルダーを開く |
J |
カーソルを下に移動 |
K |
カーソルを上に移動 |
L |
子フォルダー/ファイルを開く |
E /Enter
|
子フォルダー/ファイルを開く(ファイルはテキストとして開く) |
Shift P
|
ファイルを隣のカラムで開く |
Z |
フォルダーの内容を更新 |
Q |
ファイラーを閉じる |
W |
ワークスペースを開く |
Shift W
|
ワークスペースを新しいウィンドウで開く |
Space |
選択/選択解除 |
Shift 8
|
全ての行を選択/選択解除 |
Shift K
|
新しいフォルダー |
Shift N
|
新しいファイル |
Shift M
|
新しい複数のフォルダーとファイル |
R |
リネーム |
C |
同じフォルダーに複製 |
Shift S
|
同じフォルダーにシンボリックリンクを作成(Linux, MacOS) |
D |
削除 |
M |
移動 |
Y |
コピー |
Shift T
|
シンボリックリンクのターゲットに指定(Linux, MacOS) |
P |
ペースト |
まず左下の歯車をクリックし、「設定」を選択してください。
次に「yamafiler」で検索し、「Yamafiler: Use Recommended Keybindings」をチェックしてください。
これで準備が整いました。
操作方法
ファイラーを開く
Ctrl
Shift
Y
でファイラーを開き、フォルダーの内容を表示します。
開くフォルダーの優先順位は次の通りです。
- 現在開いているファイルのフォルダー
- 現在のワークスペースを構成するフォルダー
- ホームフォルダー
フォルダーとシンボリックリンクの名前にはそれぞれ色が付いています。
シンボリックリンクはさらに L
のマークで区別されています。
小文字の l
は壊れたシンボリックリンクです。
ファイラー内の移動
ファイラーの表示中はキーボードで文字を入力する必要がないので、全てのキーをショートカットに使えます。
そこで、vimの操作方法を参考にしてホームポジションから指を大きく動かさずに操作できるH
J
K
L
を移動に割り当てました。
H
で左、J
で下、K
で上、L
で右に移動するイメージです。
H
で親フォルダーを開きます。
J
でカーソルを下に、K
で上に移動します。
L
でカーソル行のファイルまたは子フォルダーを開きます。
Shift
`
でホームフォルダーを開きます。
O
で現在開いているフォルダーを隣のカラムにも開きます。
Q
でファイラーを閉じます。
ファイルを開く
L
でカーソル行のファイルやフォルダーを開きます。
フォルダーを選んだ場合はファイラーでフォルダーの内容を表示します。
画像、動画、音声はテキストとしてではなくプレビューで開きます。
Shift
P
でファイルを開くと隣のカラムでプレビューします。
ワークスペースを開く
W
とShift
W
はカーソル行のワークスペースを開くコマンドです。
開く対象はフォルダーやワークスペースファイルです。
W
で現在のウィンドウに開き、Shift
W
で新しいウィンドウに開きます。
フォルダーの更新
Z
でフォルダーの内容を更新します。
フォルダー内で完結するファイル操作
この節で使う「選択した」という言葉の意味は、ひとまずカーソル行のファイルやフォルダーのことだと考えてください。
複数ファイルの選択については後述します。
新しいフォルダー、ファイル
Shift
N
で新しいファイル、Shift
K
で新しいフォルダーを作成します。
入力ボックスにファイルやフォルダーの名前を入力します。
名前の変更
R
で選択したファイルやフォルダーの名前を変更します。
新しい名前を入力ボックスに入力します。
コピー
C
で選択したファイルやフォルダーを複製します。
コピーの名前を入力ボックスに入力します。
シンボリックリンク
Shift
S
で選択したファイルやフォルダーのシンボリックリンクを同じフォルダーに作成します。
リンクの名前を入力ボックスに入力します。
削除
D
で選択したファイルやフォルダーを削除します。
ファイルの選択
R
、C
、Shift
S
、D
は複数のファイルやフォルダーを選択して実行できるコマンドです。
複数選択は以下のいずれかの方法で行います。
・Space
で選択をトグルする方法
Space
でファイル名の先頭に*
マークが付きます。
マークが付いている行でSpace
を押すと*
が外れます。
この画像では2つのフォルダーと1つのファイルが選択されています。
Shift
8
で全ての行に*
を付けたり外したりします。
・マウスで複数のファイルの範囲を選択する方法
選択範囲の行を全て扱います。
この画像では2つのフォルダーと2つのファイルが選択されています。
*
マークも選択範囲もない場合、カーソル行のファイルやフォルダーを選択します。
バッチファイルを使った名前入力
複数のファイル名を一度に入力するためにバッチファイルというファイルを使います。
Shift
M
で複数のファイルとフォルダーを作成します。
入力すると空のバッチファイルが表示されます。
このファイルに作成したいファイルやフォルダーの名前を入力してください。
フォルダーの名前は終わりにスラッシュを付けます。
保存してウィンドウを閉じると新しいファイルやフォルダーができています。
複数のファイルやフォルダーを選択してR
を押すと、ファイル名変更のバッチを開きます。
左側に元のファイル名が並んでいるので、右側のファイル名を編集して新しいファイル名にします。
手動で保存してウィンドウを閉じると、
名前が変更されています。
複数ファイルを選択してC
を押すと複数ファイルをコピーするバッチを開きます。
複数ファイルを選択してShift
S
を押すと複数ファイルにシンボリックリンクを張るバッチを開きます。
クリップボードを使う操作
ファイルやフォルダーを別のフォルダーに移動するには、クリップボードを使用します。(OSのクリップボードとは異なるYamafiler独自のものです。)
ファイル名にカーソルを合わせ(または上述の複数選択を行い)、M
で切り取り、Y
でコピー、Shift
T
でシンボリックリンクのターゲットを設定します。
貼り付け先のフォルダーに移動し、P
でペーストします。
クリップボードを使用してファイルを別のフォルダーにコピーする例
Space
でコピーするファイルを選択します。
Y
で選択されたファイルをクリップボードに記録します。
K
でカーソルをコピー先のフォルダーまで移動します。
L
でコピー先のフォルダーを表示します。
P
で貼り付けます。
ファイルが貼り付けられました。
ペースト先に同名のファイルやフォルダーがある場合は、重複するものを上書きするかキャンセルするか選択できます。
コピーしたものをペーストする際、MacまたはLinux限定でフォルダーのマージもできます。
リモートフォルダーの閲覧
Remote - SSHで開いたリモートフォルダーもYamafilerで閲覧できます。
開いたリモートウィンドウでYamafilerをインストールしてください。
全てのSSHホストに常にYamafilerをインストールしたい場合は、settings.json
にこれを設定してください。
"remote.SSH.defaultExtensions": [
"artakase.yamafiler"
]
他の拡張とキーバインドが衝突している場合、推奨のキーバインドが使用できないことがあります。
この例の内容などを参考にkeybindings.json
を手動で設定してください。
ごみ箱が使用できない環境では、以下のように設定してください。
{
"key": "d",
"command": "yamafiler.delete",
"args": {
"useTrash": false
},
"when": "resourceScheme == yamafiler && editorTextFocus"
}
ご清読ありがとうございました。
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