お父さん、バービーを買ってよ!: 本当に欲しいクリスマスプレゼントのために提案書をつくろう
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誰だって……
クリスマスプレゼントには本当に欲しかったおもちゃが欲しい。
たしかに、大切な人からもらったものはそれだけで特別な価値がある。とは言え、レゴブロックのお城を望んでいたにも関わらず、実際にもらったものが双眼鏡では正直子供心に「………」という感じだろう(実体験)。
だが、単に「買ってよ!!!」とグズるだけでは買ってもらえないこともある。大人だって先方に「契約してよ!!!」とグズったところで契約してもらえるわけがない。そこで、きちんとした提案書を用意して望む必要がある。
というわけで、Zennを読んでる少年少女のみなさんもお父さんお母さん、もしくはサンタクロースにきちんとした提案を行おう。クリスマスプレゼントには本当に欲しかったおもちゃを買ってもらいたい!そうだろう?なら提案書をつくろう。子供だって本気なんだ。
提案書とは
提案書とは「私はこうしたいんだけどどうでしょうか?」と相手に伝えるものである。
もちろんそれは私にとってメリットがある内容であり、また相手にとってもメリットがある内容でなければ提案は聞いてもらえない。ここが本当の本当に重要なのである。
なので「とにかく買ってよ!欲しかったんだから!」と伝えるだけでは「で、それはパパになんのメリットがあるの?」と言われてしまう。いやさすがにそんな意地の悪い父親はいないにしても(いないよね?)、お互いが得になるような言い方をすれば、父親だって財布からお金を出しやすくなるだろう。
提案書をつくろう
フォーマットは最低限以下のような目次になるだろう。
これに沿ってつくっていこう。
- タイトル
- 現状の課題
- 提案内容
- 効果・メリット
- スケジュール・予算
- その他
タイトル
タイトルは注意を引きつけやすく、パッと「この提案がどんなものか」が伝わるものにしよう。
『わたしの願いを叶える: クリスマスプレゼントにほしいもの』
なんてどうだろう。
現状の課題
「そもそもこの提案をすることになったのはこういう問題があると思ったからです」というものを書く。
ここは「わたしは本当にバービーが欲しいけど持っていない」のがストレートな書き方になるが、このままだと結局「欲しいから欲しいんだ」みたいな提案書になってしまうので、こんな書き方をしよう。
「わたしは、バービーが大好きで、映画も見たし、CMとかおもちゃ屋さんで見るたびいつも遊びたいと思っています。でも、わたしはまだバービーを持っていないので、遊ぶことができません。このままでは、わたしの夢を叶えることができません」
このように、現状の課題を「夢を叶えることができない」という点でアプローチしている。これにより、父親に娘の夢を叶えてあげたいという気持ちに訴えかけることができる。『現状の課題』は交渉相手に「痛いところを突かれた」という気持ちにさせなければダメなのだ。
提案内容
課題を解決するための提案内容を書こう。
もちろんここで書くのは「わたしにバービーを買ってくれませんか?」だ。
「お父さん、クリスマスプレゼントにバービーを買ってほしいです。バービーは、女の子の憧れで、遊びながらいろんなことを学ぶこともできます!」
具体的に欲しいものとシンプルにメッセージを伝えることで、相手に理解してもらいやすくなり、説得力を持たせることができる。
そしたら父親が「で、それはパパになんのメリットが――」などと口にしたら、口の前に人差し指を立てるジェスチャーをして、次に移ろう。
効果・メリット
ここがむずかしい。
結局のところ「で、ウチにとってなにが嬉しいわけ?」を解決しないと提案は受け入れてもらえない。仕事であれば『提案を飲んでくれたらこれだけの売上が見込めます』という数字と根拠のデータを見せないと、大抵の場合は偉い人(お金を出す人)のオッケーがもらえないだろう。その見込みと今回の契約によって支払う金額がマッチしなければ「やりましょう」とはならないのである。我々の普段やってる買い物と同じである。
さすがにバービーを買うことで我が家に直接的な経済効果をもたらすことは(よっぽど)ないが、父親にとっても嬉しくなるようなことを書く。
- バービーは、わたしの創造力や社会性、共感力を養うことができます [1]
- バービーは、わたしの将来の夢や目標を考えるきっかけになることができます [2]
- 私がバービーのプレゼントラッピングを開けた瞬間の笑顔や感動は、一生の思い出になります!
おもちゃで遊んでいると「そんなことばっかやってたら将来バカになるぞ」という心配をされがちだが、それは自分自身の過去を鑑みてのことだろう。自ら「ちゃんと将来のことを考えています」ということを伝えて、父親を安心させよう。それは彼にとってもメリットになるはずだ。
スケジュール・予算
ここはこれまで書いた『物語』のようなものではなく、具体的な数字などを出さなければならない。
現時点では完ぺきにやることが決まったわけではないため、ハッキリとしたスケジュールや金額は見えないことが多い。とは言え、大きく判断材料に影響するのでできるだけきちんと書く。ここを適当に「ウチならこのアプリの開発は100万円!1ヶ月でできます!まかせてください!」などと抜かしてしまった結果、現場と営業が揉めるなんてのはあるあるの話なのだ。
しかしバービーを買ってもらうだけなら話は早い。こんな感じになるだろう。
- スケジュール: いまから12/25まで。売り切れちゃうかもしれないから気をつけて
- 予算: 4,950円
クリスマス商戦で売り切れたりすることも大いに有り得るのでスケジュールは余裕をもって望みたい(この記事が出る頃にはもう遅いかもしれないが)。
その他
最後に補足などがあれば追記しよう。
「私からも、お父さんへのプレゼントがあります!クリスマスをお楽しみに」
キュートなオチをつけた。
スライドもつくろう
今回つくった提案書はスライドにして、リビングで父親相手にプレゼンを行おう。
成功率をあげるためにリハーサルもお忘れなく!
母親に提案書やスライドをレビューしてもらうのもいいだろう。
おわりに
究極的には、自分の娘がこれほどの提案書とスライドを作成し、プレゼンまで行ってくれたなら、それに応えてバービーを買ってあげない理由はないだろう。
実際の営業においても情熱は大切な要素ではあるが、同時にデータや他の根拠を整えて、数字や整合性に注意を払うことが成功への鍵である。情熱だけではなく、クオリティの高いプレゼンテーションがより良い結果を生むことだろう。どうかお忘れなく。成功への第一歩は、情熱とプロフェッショナリズムが共に歩むことだ。
メリー・クリスマス。チャオ。
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