プロジェクトを炎上させないために、ファシリテーションを学ぶ(参加メンバー編)
はじめに
今回は、ファシリテーションについての紹介と、ファシリテーション力を上げて、うまく会議を進めるために必要だと思ったことを記事にしました。
目次
章 | タイトル | 概要 |
---|---|---|
1 | ファシリテーションってなに? | ファシリテーションについて紹介します。 |
2 | なぜファシリテーションを学ぶのか | 私がファシリテーションについて学ぼうと思ったきっかけを紹介します。 |
3 | 会議をうまく進めるために、重要なポイント | 実際に会議で取り組むべき重要なポイントをいくつか紹介します。 |
1.ファシリテーションってなに?
ファシリテーションとは、グループによる課題解決やアイデア出し、合意形成などを促進したり、時に舵取りをして、うまくことが運ぶようにすることを言います。
また、会議の進行役をファシリテータと言います。
ファシリテーションの技術や知識は、会議でファシリテータを務めるために、必要なものとイメージしてしまいがちですが、ファシリテータだけでなく会議に参加するすべてのメンバーが、ファシリテーションに理解があることが必要だと考えます。
なぜなら、ファシリテーションのスキルを身につけることで、「あれ、この会議で何が決まったんだっけ?? 会議終わった後、何しないといけないんだっけ??」となり会議終了後に再確認するなどの時間の浪費や、「⚪︎⚪︎って認識してたけど、お客さんも同じ認識になってるよね??」といった認識の齟齬を防げるようなるからです。
2.なぜファシリテーションを学ぶのか
このファシリテーションについて学ぶきっかけは、会議に参加することが増えてきたからです。
最近、机に向かってコーディングする開発業務のほかに、要件定義などでお客様との定例会に参加する機会が増えてきました。
その定例会で、たまに会話の内容の理解についていけないところがあったり、会議中に議事録を書くも、抑えるべき要点などを書き漏らしたりすることがありました。
世の中の課題を解決する一人のエンジニアとして、プログラミングの技術と同じくらい会議はプロジェクトを成功させるために重要だと認識してはいました。
しかし、これまで他の方のやり方を見よう見まねだけでやってきていただけだったので、これではまずいと感じ、本格的に会議のあり方やファシリテーションについて学ぼうと思ったわけです。
(要件定義などのプロジェクトの最初のフェーズで、認識の齟齬があるまま進むと、後々になって大きな手戻りが発生してしまったなんてことも起こりかねないですよね。。。)
3.会議をうまく進めるために、やるべきこと
それでは、本記事の本題に入ります。
これから私が教わったり、学びで得た、会議に参加する全てのメンバーが、やるべきことを紹介します。
A.会議をする前に、アジェンダを作成し、そのアジェンダを会議の参加メンバー全員に共有しておく。
アジェンダとは、会議で話す議題を洗い出し、その議題をどの順番で話すのかをまとめたものを指します。
会議の『目次』、『予定表』のようなものです。
会議で話す議題をまとめ、その議題に番号を振って話す順番を決めたものを、事前に会議の参加メンバー全員にメールやSlack、Teamsなどのコミュニケーションツールで共有しておきましょう。
そうすることで、ファシリテータ以外のメンバーが、会議になって初めて議題を知り、準備できておらず議題についていけなくなるといったことを防げます。
もし、ファシリテータが忙しく、会議前にしっかりとアジェンダを共有できなかった際は、メンバーの方から「今日の会議のアジェンダはどのようになりますか?」と聞いてみて、それを他のメンバーに共有してなるべく会議前にアジェンダを全員が共有できている状態を作っておきましょう。
B.会議をする前に、それぞれの議題にかける時間を決めておく。
アジェンダを作成する際に、それぞれの議題にどのくらい時間をかけるかおおよそで良いので決めておきましょう。
理由は、時間配分を決めることで、まとまらず長引きそうな議題を話している際に、
早い段階で進め方を変えたり、日を改める決断ができるようになり、会議がグダグダになることを防げます。
基本的に会議は、1時間で終了など、時間が決まっていることがほとんどだと思いますし、
会議の後にまた別の会議が入っていることもあると思います。
なので、時間配分を決めて、なかなか結論が出ない議論の際は、スパッと決断して、会議を進めていくことが重要になってくると思います。
C.会議をする前に、『会議の終了条件』を確認する。
いわゆる、会議のゴールを決める、会議で抑えるポイントを明確にするというものです。
『どういう状態になったら会議を終了してよいか』を決めて、メンバー全員に共有しておきましょう。
そうすることで、会議の参加メンバー全員のベクトルが同じ方向を向き、会議が円滑に進むようになります。
例えば、「お客さんと、契約に関する合意と開発スケジュールの合意が取れており、本プロジェクトで開発する機能の要件が確定した状態」といった形で、会議の終了条件を決めておきましょう。
D.議論を、スクライブする。
スクライブとは、書くということです。
議論の内容を、見えるところに書いておくことで、議論を可視化しておきましょう。
画面共有や、ホワイトボードがあれば、それらを使ってスクライブしながら共有しながら、議論できると、みんなで整理でき、より良いと思います。
ここで、何を書くかなんですが、下記内容を書きましょう。
- 会議の背景
- 終了条件
- 時間配分
- 議題
- 論点
- 回答
- 結論
例えば、今回予定されている会議で、「プロジェクトの進捗状況のレビューと報告」と「変更要求や追加要件の検討と優先順位付け」の議題が予定されていたとします。
そうなった際に、まずは会議の背景を記載しましょう。
まず「プロジェクトの進捗状況のレビューと報告」の議題の背景として、下記があったとします。
- 達成された進捗の報告をして、スケジュールの認識合わせをしたい。
- 未解決の問題や新たな課題が発生し、議論の必要性が出てきた。
続いて「変更要求や追加要件の検討と優先順位付け」の議題の背景として、下記があったとします。
- ユーザーのフィードバック
- 要件の優先順位の再評価の必要性が出てきた。
となるとこのようにスクライブします。
続いて会議の終了条件と時間配分を記載します。
ここまでは、会議が始まる前に記載できると思います。
続いての「論点」、「回答」、「結論」ですが、これらは会議中に出た内容を記載していきます。
どのように記載していくかですが、会議では、議題に対して、新たな論点(質問)が出てそれに対する回答が出てといったラリーが続いた後に、最終的に結論が出ることがほとんどだと思います。
それを踏まえて新たな論点(質問)が出たら、「問」としてその問いの内容を記載します。
問いに対する回答が出た場合は、その問いの下の階層に回答の内容を書いていきます。
例えば、「プロジェクトの進捗状況のレビューと報告」の議題で、下記のような会話があったとします。
プロジェクトマネージャー: 「こんにちは皆さん、今日の会議ではプロジェクトの進捗状況についてレビューしましょう。状況を報告してもらえますか?」
開発チームリーダー: 「はい、開発チームからの報告です。XXXX機能の開発は順調に進み、一通り実装は完了しました。しかし、QAチームのテストの結果で、いくつかのバグが発見され、修正が必要です。
プロジェクトマネージャー: 「分かりました。それでは、バグ修正のスケジュールについて教えてもらえますか?」
開発チームリーダー: 「修正が緊急を要するものは、今週中に対応する予定です。それ以外のものは、後ほど優先順位付けして対応します。」
プロジェクトマネージャー: 「わかりました。ではその進め方でお願いします。新たに緊急を要するバグが出てきて、スケジュールが厳しそうだったら連絡をお願いします。」
この会話のスクライブは、下記のようになりました。
そうやって会議で出た問いと回答と結論を書いて整理していく事で、「今は何の話をしているのか」、「どういった問い、または回答が出たのか」覚えていなくてもすぐに把握することができるようになると思います。
また「議題に対する結論が出たのか」抑えるべきポイントを認識し忘れることも防げると思います。
E.会議の終盤で、『決まったこと』、『やるべきこと』を確認する。
会議の終盤で、その会議で、「決まったこと」、「やるべきこと」を確認しましょう。
そうすることで、参加者の認識を合わせられますし、抜けや漏れを防ぐことにつながると思います。
確認する際に、「誰が」、「いつまでに」、「何をする」か意識して確認すると、明確に確認できると思います。
F.会議の映像または音声を記録しておく。
基本的に会議の内容は、録画または録音しておきましょう。
そうすることで、後で話した内容を思い出したり、その会議に参加できなかったメンバーが会議の内容を理解することに繋がります。
また、「あの話って結局どうなったんだっけ?」
といったことを防ぐことにも繋がるでしょう。
※社外の方との会議で録画などする際は、
先方の了承を得るように気をつけましょう。
まとめ
以上、ファシリテーションについての紹介と、会議でやるべきこと、やったことがいいことの紹介でした。
私もこれからどんどん、ファシリテーション力を挙げて、プロジェクトを成功に導けるようなエンジニアになっていきたいです。
下記に、ファシリテーションの勉強で使った書籍をご紹介いたします。
業務改革から、IT導入をファシリテートするコンサルティング会社のケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズさんが執筆された書籍になります。
この書籍を通して、ファシリテーションの重要性から、実際に現場で使えるような方法を学ぶことができました。
おすすめの一冊です。
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