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輪読会でのファシリテーターのススメ。

2024/05/31に公開

始めに。

少し前の話になるのですが、
社内で輪読会の企画とファシリテーターを行いました。
それがとても楽しかったので、
輪読会を行ってみたい人や、
ファシリテーターをやってみたい人の何か参考になれば良いなと思い、
記事を書いてみることにしました。
誰かの参考になれば幸いです。

輪読会の企画を行ったきっかけ。

元々輪読会というイベントに興味がありました。
同じ本を読むことで、その本の分野の知識を一緒に深めることができたり、
普段業務では一緒にならない人と積極的に交流できそうだと思っており、
一度社内で行ってみたいと感じていました。
社内で勉強会の企画をすることになった際、
輪読会をやってみたいという提案を行ったものの、
同じ本を何冊も揃える必要がある、
一冊をみんなで読むにはそれなりに時間がかかる、
定期的にみんなで集まって読む時間を取るのは、
業務上難しそうなど、意外にハードルが高そうでした。
そんな時下記の記事に出会いました。
https://engineer.crowdworks.jp/entry/2023/04/28/100000
こちらの記事では、Googleが公開している「コードレビューの仕方」の日本語翻訳版
を題材にしておりました。
無料で公開されており、なおかつ量もそこまで多くない、
またどういう案件やどの言語に携わっていても、
コードレビューに関してはエンジニアなら必ず通る内容になるため、
単発で輪読会を行うのにピッタリだと感じ、
今回こちらを題材にし、
社内で3人で輪読会の企画運営を行うことにしました。

そもそも輪読会とは。

エンジニアの人であれば、結構聞いたことがあると思うのですが、
一般的な定義は下記になるようです。

「人々が集まって、同じ教科書などの本を読み、その内容について意見を交わすこと」

引用元: 「輪読会(りんどくかい)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

ただ私は、エンジニアになって初めて知った言葉でした。

そもそもファシリテーターとは。

こちらも別にエンジニア界隈だけの言葉ではないと思うのですが、
私はエンジニアになって初めて知った言葉でした。
一般的な定義は下記になるようです。

ファシリテーターとは、会議やミーティングなど議論や意見交換の行われる場で、参加者たちの話の内容を整理したり、意見が活発に出るように発言を促進したりする進行役のことをいう。議論の決定権は持たず、中立的な立場で討論が円滑に行われるようにする世話役を担う。

引用元: 「ファシリテーター)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

当日の輪読会に関して

行った輪読会に関してまとめておきます。

前提

今回はハードルを低くするために、あらかじめ読んできたり、
まとめてもらってきたりせず、その場で読む方式にしたい

今回読むもの

コードレビューを通過するための CL 作成者のガイド

輪読会の目的

  • 題材をきっかけにコードレビューを受けることについて考えて意見交換する
  • どんな風にPRを作成すれば、コードレビューを通過しやすいかを考える
  • 普段業務では一緒にならない人との交流

運営側の動き

  • ファシリテーター(私)
  • タイムキーパーと進行補佐
  • 書記(出てきたコメントや意見をまとめておいて、輪読会に参加していない方にも共有できるようにするため)

流れ

輪読会は60分の想定。

5分:今回の輪読会の説明、資料の共有、タイムテーブルの説明

5~10分:みんなで資料を読む

※5分で一回終わったか声掛け
※早めに読み終わった人は自分の過去のPRと比べて気づいたことなど考えておいてもらう

10分:「適切なCLのディスクリプションを書く」を読み終わっての感想を言っていただく

10分:「小さなCL」を読み終わっての感想を言っていただく

10分:「レビューコメントの対応の仕方」を読み終わっての感想を言っていただく

※ 本当に読んで思ったことをそのままコメントして頂いて大丈夫なことを伝える
またコメントに対して他の参加者が自由に発言して頂いてOKなことを伝える
手を挙げるのは中々難しいとは思うので、
適宜このコメントに関してどう思いますか?など指名させて頂く形であることを伝える

参加者

12人(Meetと会議室でのハイブリッド)

行ってみての感想。

今回は誰もが参加しやすいように、
出来るだけハードルを下げて輪読会を実施してみました。
そのお陰か参加人数は10人を超えており、とても嬉しかったです。
ファシリテーターとしての経験はそこまでなかったため、
事前に輪読会の記事や、ファシリテーターの記事などを読みました。
当日は自分の意見をまず簡単に伝えてから、
誰かに意見を振ってみて、
その方の意見をちゃんと聞いた後、
深掘りしたり、また他の方に振ってみることを意識しました。
また読む題材も、
その時々で入っている案件や言語に関わらず、
全員が作成するであろうPRの話だったためか、
ディスカッションが活発になりやすかったです。
幅広い経験年数の方達が参加してくださったおかげで、
普段はあまり聞くことができない意見を聞けたことも、
貴重な経験ができてよかったなと感じました。
何よりファシリテーターを行うのは、
とても緊張しましたが、同時にとても楽しかったです!
また運営側も役割分担をきちんと行い、
私の拙いファシリテーターの補佐をしてくれた方が、
とても優秀な方だったため、上手く場を回すことができました。

改善点。

ファシリ力が足りないため、
皆の意見を上手く引き出すのが難しく、
最後のまとめ方も少し上手くいきませんでした。
最初にわかりにくいCLという言葉について、
もう少し丁寧にみんなで深掘りしてからの方が、
もっとスムーズにディスカッションができたかもしれないと感じました。
(一応CL=PRという想定で行ってはいましたが)
また今回輪読会のアンケートを取ったところ、
指名制にすることで、全員の意見を聞くことができましたが、
本当なら指名がなくても、
誰でも発言できる雰囲気があるといいなといった意見や、
更に人数を絞って、
フラットに発言できる環境があると良いなという意見などもありました。
とはいえ勉強会の満足度自体は高く、
企画をした側もとても楽しく行うことができたため、
概ね満足しています。

まとめ

今は社内で勉強会を業務時間内に率先して行うのは難しいのですが、
業務時間外に有志で、
またこのような輪読会を行ってみたいなと感じています。
特に今回読めていない、コードレビューの仕方の方も、
また一緒に読んで意見を交換してみたいですね。
https://fujiharuka.github.io/google-eng-practices-ja/ja/review/reviewer/
勉強会を企画したり、ファシリテーターを経験することは、
コードを書いたり、実装するのとはまた違った経験を積むことができ、
業務でも活かせる部分があると思います。
この記事を読んで、輪読会でファシリテーターを行ってみたい!
と思ってくだされば幸いです。

参考文献

この記事は下記の記事を参考にして、書かせていただきました。

https://engineer.crowdworks.jp/entry/2023/04/28/100000

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