QCDを学んで開発者の自分を守る - CR(ちょっと理想論)シリーズ
QCDとはなにか
製造工程における以下の要素を指す。
- Quality(品質)
- Cost(コスト)
- Delivery(納期)
想定される状況
顧客から「2ヶ月後に絶対リリースしたい。重要度『中』以上のバグはない状態で、コストがかかるから御社のQAはアサインしないでください。不具合はこっちでチェックします」といった全盛りリクエストを受ける状況はままある。そうしたい気持ちはわかるが、ここで「やりましょう」と承諾してしまうと、ご想像通りの結果になってしまう。この状況から自分、あるいはチームを守る必要がある。
本記事で『CR(ちょっと理想論)[1]』という表題を付けたのは、今回ここで書くことが顧客に「はい、わかりました」と受け入れてもらえるとは限らないためだが、災害時の防衛策を知っているか否かには大きな差があると考えている。
どうすればいいのか
上記のような災害が起きないために、まず最初の段階でQCDのなかで「どれかひとつだけを大事にする」という方針を定める。かつ、どれを大事にするかを明記しておく。
「全部大事です」と言われることは理解できるが、全部大事にしてしまうと燃えたときに責任の所在がおかしくなる。自分たちを守るため、また期待される結果を出すため、責任の所在をハッキリさせるためにどれを大事にするかを取り決めて明記しておく。
具体的には作業計画(WBS)にこれを明記しておき、各期間ごとにその作業計画を絶対に見直して「今期はどれを大事にするのか」を顧客を含めたチーム全体で確認する。
やや余談
心理的にも、今回のように3つの選択肢がある場合が一番選びやすい。
2択だと『究極の選択』のようになってしまうし、4択だと選択肢が多すぎる。
まとめ
- QCDどれかひとつを大事にするかを決めて作業計画に明記する
- 作業計画は各期間ごとに必ず見直し、今期はどれを大事にするのか顧客を含めたチーム全体で確認する
- 全部大事にすることは無理。燃えたときに責任の所在がおかしくなる
-
筆者が勝手に作った用語で、ビジネス用語界には存在しない ↩︎
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