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ChatGPTの裏側を知る 〜生成AIの革新とその仕組み〜

2025/03/13に公開

はじめに

株式会社アドバンテッジリスクマネジメント(ARM) DX開発部の清家です!
近年、ChatGPTをはじめとする生成AIが爆発的な進化を遂げ、私たちの生活や仕事のスタイルを大きく変えています。本記事では、ChatGPTの裏側にある技術的要素を紐解きながら、その革新性について解説していきます。

生成AIとは?

定義

生成AIとは、テキストや画像などのコンテンツを生成するAIの総称です。従来のルール
ベースのシステムとは異なり、大量のデータを学習し、文脈に応じた自然な出力を生成できます。

応用例

  • チャットボット:顧客対応やアシスタント
  • 自動翻訳:多言語間のスムーズな翻訳
  • 画像生成:DALL·Eなどによるリアルな画像の生成

ChatGPTとは?

開発元

ChatGPTは、OpenAIによって開発された生成AIサービスです。

基盤技術

ChatGPTの基盤技術には、GPT(Generative Pre-trained Transformer) と呼ばれる大規模な自然言語モデルが使われています。

用途

  • 自然言語生成:文章作成、要約、対話
  • タスク支援:プログラミング補助、アイデア出し

進化の歴史

GPT-1からGPT-4まで進化を遂げ、より自然な会話と高精度な出力が可能になっています。

GPTの技術的特徴

GPTにおける主な技術的特徴として、Transformerと呼ばれる技術が使われていることが挙げられます。

Transformer

ChatGPTの中心的な技術はTransformer と呼ばれるアーキテクチャです。このアーキテクチャは以下のような特徴を有しています。

  • アテンション機構(Self-Attention):各単語が他の単語とどの程度関係があるかを学習し、文脈を理解する。
  • 並列処理:従来の自然言語モデル(RNN,LSTM)とは異なり、全体を一度に処理できるため、GPU/NPUを活用した大規模データの学習が可能。


論文(Attention Is All You Need)から引用

Transformerと従来の生成AIモデルの比較

前章ではTransformerの技術的な特徴を説明しました。
それを踏まえて、従来の自然言語モデル(RNN)と比較してTransformerはどのような点が異なっていたのでしょうか。
比較結果を下記の表にまとめました。
従来のモデルと比較して、処理速度や記憶範囲の面で大きく改善されました。
これにより、これまでのチャットボット等のサービスで問題とされていたルールベースの応答から、ユーザーの質問の意図をある程度正確に汲み取った自然な応答が可能になった上、欲しい情報を速く提供できるようになりました。その結果、生成AIの活用や認知が一気に一般に広まりました。

RNN Transformer
処理方法 単語を逐次処理 全体を並列処理→処理速度が向上
記憶範囲 短期記憶が苦手 長文の文脈も保持可能
計算効率 計算コストが高い GPU/TPUを活用し効率的に学習

Transformerの今後と課題

今後の展開

Transformerは、自然言語処理以外にも画像認識や需要予測など様々な分野で応用が進んでいます。特に、画像認識においてはTransformerの改良系のモデルであるVision Transformerが、従来の画像認識において高い精度を出すと言われていたCNN(Convolutional Neural Network)系列のモデルの精度を超えたという結果が多数報告されており、目覚ましい発展を遂げています。

課題

Transformerには以下のような課題もあります。
これらの課題が克服され、より便利な生成AIサービスが生まれることが期待されます。

  • 計算コストの高さ:学習・推論に膨大な計算リソースが必要
  • 入力長の制限:Transformerへの入力として扱える文章の長さに制約がある
  • バイアス問題:学習データに依存する偏り
  • リアルタイム処理の難しさ:高速な応答が求められる場面での最適化

まとめ

Transformerを活用したChatGPTの主要なポイントは以下の通りです。

アテンション機構:文脈理解と情報の長期保存
並列処理:学習&推論の高速化
→従来のモデルよりも高速かつ高い性能を出せるようになった!

ChatGPTの技術的な仕組みを知ることで、生成AIがどのような発展を遂げていくのかということをより深く考えるきっかけになれば幸いです!

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