Linuxアプリから出力するPDFのバージョンを調べてみた
※この記事は2024年6月時点における情報です。将来のバージョンアップなどで変わることがありえます。
意外とPDFは文字化けする
筆者はLinuxを使用しているのだが、時々PDFが文字化けすることに閉口する。やはり日本語がうまく扱えないことが多いようである。やっぱり世界的に見ればマイナー言語であることを痛感。
どこがマルチプラットフォームなんや!
…とボヤいていても仕方が無い。
いろいろとググって調べてみると、PDFにはバージョンというものがあって、古いバージョン(例えば1.4とか)のファイルを、Acrobat(Linuxの場合はAcrobatオンラインである)で読み込むと文字化けしてしまうことがある。
PDFバージョンは重要!
PDFバージョンは重要なのです!(大切なことなので2回書きました)
ナニでPDFを吐き出したかが重要らしい
Officeアプリになると「エクスポート」という機能でPDFを吐き出せるのだけど、そういったアプリ以外だと「印刷」から「ファイルに出力」だの「PDFに出力」だのといった機能で吐き出すことになる。
Linuxでは CUPS-PDF があるので、とりあえず印刷機能からPDFに吐き出せば、
みんな同じやろ(鼻ホジ)
だと思っていたのですが、見事に思惑が外れていたのでした。
各アプリから吐き出されるPDFのバージョンは以下のとおり。
なお、筆者が使っているのは MX Linux である。
ブラウザ
ブラウザ名 | PDF作成ツール | バージョン |
---|---|---|
Chrome | Skia/PDF m126 | 1.4 |
FireFox | cairo 1.18.0 | 1.7 |
Brave | Skia/PDF m126 | 1.4 |
Opera | Skia/PDF m125 | 1.4 |
FireFoxだけ違うのである。
したがって、Chromeで「PDF印刷」させたファイルが文字化けして読めない場合、FireFoxから「PDF印刷」すると読めることがある。
オフィス系
名前 | PDF作成ツール | バージョン |
---|---|---|
GoogleDocument | Skia/PDF m127 Google Docs Renderer | 1.4 |
MS Office Online | 不明 | 1.7 |
LibreOffice | LibreOffice 7.4 | 1.6 |
GoogleのサービスはやはりSkiaを使っている。
MS Office Onlie は「ファイル→エクスポート→PDFでダウンロード」を選択した場合である。
LibreOfficeは「PDFとして直接エクスポート」を使った場合。
興味深いことに
MS Office Onlie だと、「印刷」から「PDFファイルに保存」にしても、いったんPDFに変換され、ChromeからであってもPDF作成ツールが「PDFium」、PDFバージョンが1.7になるのである。
LibreOffice は「印刷」→「ファイルに出力」だと、PDF作成ツールが「LibreOffice 7.4.7.2」、PDFバージョンは1.4になる。
うーーん。なんだかちょっとややこしい...
PDFビューア・ツール
PDFビューアやツールからPDFを開いて「ファイルに出力」をかけた場合
名前 | PDF作成ツール | バージョン |
---|---|---|
PDF Arranger(別名に保存) | 不明 | 1.3 |
PDF Arranger(印刷→ファイルに出力) | cairo 1.16.0 | 1.5 |
Evince(印刷→ファイルに出力) | cairo 1.16.0 | 1.5 |
Okular(印刷→ファイルに出力) | GPL Ghostscript 10.00.0 | 1.4 |
PDF Studio Viewer(注釈をつけて別名に保存) | 元ファイルと同じ | 元ファイルと同じ |
うがー。わけわらんw
「別名に保存」のときと、印刷機能からファイルに出力するときのPDFバージョンが違ったりするのである。。。
まとめ
Acrobat などで PDF の日本語が文字化けして読めない場合は、とりあえず Evince あたりでいったん開いて、印刷機能のファイル出力を使って、PDFバージョンを変更してあげると良いかも。
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