スマホから家庭内ネットワークのOpenHandsにアクセス出来るようにしてスマホからAIエージェントに指示を出せるようにした
はじめに
家庭内にある OpenHands
サーバへスマホからアクセスしたくなりました。
手が離せない状態でアクセスし、個人開発で簡単な作業をやってもらうのをどうにか出来ないかなと思ったのがきっかけでした。
PC なら /etc/hosts をいじれば済むのですが、スマホにはその機能がないので DNS を使う必要がありました。
IP アドレスでのアクセスでは不便だったので、ドメイン名でのアクセスを出来るようにしました。
合わせて一応やるかというのテンションで HTTPS アクセスできるようにした備忘録となります。
ネットワーク環境と目的
- サーバ:Ubuntu(IP 例:
192.168.0.20
) - クライアント:iPhone
- ゴール:iPhone のブラウザから
https://openhands.yourdomain.local/
にアクセス可能な状態
前提
- OpenHands サーバの起動
- mkcert + nginx で
https://openhands.yourdomain.local
にアクセス可能
主にこちらの記事でアクセス出来るような状態にしているので参考にしてください。
3 行でまとめると
- Docker で OpenHands のサーバを起動
- mkcert で証明書作成し nginx へと設定
- nginx に server name の設定をした上で起動
という感じです。
mkcert の証明書は後々スマホへ渡して利用する予定があります。
スマホから DNS 解決のための dnsmasq 設定
dnsmasq のインストールと設定
sudo apt install dnsmasq
ドメイン名 openhands.yourdomain.local
をローカル IP に解決させる設定を追加します。
/etc/dnsmasq.d/local.conf のファイルを作成し、内容を以下のようにします。
address=/openhands.yourdomain.local/192.168.0.20
上流 DNS の明示(ルーターなど)をします。
/etc/dnsmasq.d/upstream.conf のファイルを作成し、内容を以下のようにします。
server=192.168.0.1
以下 2 ファイルを作成し中身を入れたのでこの設定を反映させます。
- /etc/dnsmasq.d/local.conf
- /etc/dnsmasq.d/upstream.conf
sudo systemctl restart dnsmasq
ここでおそらく 53 番ポートが使われているため起動しないかと思います。
systemd-resolved がローカルでスタブ DNS[1] として 53 番ポートを使用していたためです。
なので、systemd-resolved のスタブ DNS の設定を止める必要があります。
systemd-resolved
のスタブを無効化
/etc/systemd/resolved.conf のファイルを以下のように変更します。
[Resolve]
DNSStubListener=no
そして設定を反映します。
sudo systemctl restart systemd-resolved
resolv.conf の修正
/etc/resolv.conf は通常、systemd-resolved によって管理されており、DNS リクエストは 127.0.0.53 に転送されます。
この状態では dnsmasq を経由しないため、dnsmasq に切り替えるにはリンクを削除して上書きする必要があります。
127.0.0.1 を指定して dnsmasq を参照するようにします。
sudo rm /etc/resolv.conf
echo "nameserver 127.0.0.1" | sudo tee /etc/resolv.conf
スマホの DNS 設定
Wi-Fi 設定で、接続中のネットワークを開き「DNS を手動」に設定し、DNS サーバとして 192.168.0.20
を指定します。
HTTPS のための mkcert 設定(iOS 対応)
mkcert の Ubuntu サーバでの設定は完了している前提で進めます。
詳細な mkcert や nginx の設定は、以下の記事にまとめています。
iOS に証明書をインストール
mkcert -CAROOT
でルート CA の場所を確認し、なんらかの方法で iOS に証明書を渡します。
以下の rootCA.pem が対象です。
ls "$(mkcert -CAROOT)"
rootCA-key.pem rootCA.pem
- AirDrop やメールなどで iPhone に送信
- iPhone 側でプロファイルをインストール
- 「設定 > 一般 > 情報 > 証明書 信頼設定」からインストールした CA を「完全に信頼」
Android は未検証ですが、iPhone と同様に証明書をインストールする形になると思われます。(未確認で、すみません)
これで設定した URL とアクセスすれば無事表示できるはずです。
https://openhands.yourdomain.local
おわりに
OpenHands をスマホから開いて指示を出す環境を整えてみました。
dnsmasq + mkcert は構築も楽で良かったです。
手が空かないんだけど、なんかあのコードの検証するスクリプト書いてくれないかな〜みたいな指示を OpenHands 経由で出して時間を有効活用していけると良いなと思いました。
-
自分自身で名前解決はせず、他の DNS サーバに問い合わせを「転送するだけ」の小さな DNS ↩︎
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