役に立たない音声コーデックやらワイヤレス音質の話
巷ではiPhone流行りからによるAirPods普及であったりで
高級ワイヤレスイヤホンがわりかし身近な存在になった時代になりました
そこでワイヤレスイヤホンとは切っても切り離せない存在であるコーデックについて
あれこれ書いていこうと思います。
要約
長いので最初に要約です。
- ハイレゾとハイレゾ相当は厳密には違うもの
- ワイヤレスイヤホンだけ高級でもフルパワーは発揮できない
- 音源・再生機器・ワイヤレスイヤホン全てが高水準である場合に初めて本領発揮される
- ワイヤレスで音質なんてと言われるのは上記によるもの
- 音源・再生機器・ワイヤレスイヤホン全てが高水準である場合に初めて本領発揮される
- 192kbps 以上であれば聴感では原音と区別できない(らしい)
- それはそれとして個人的はやっぱり違うと思う
そもそもハイレゾとは何か
ハイレゾリューションオーディオの略で
CD-DAのサンプリングパラメータ(44.1 kHz, 16bit)
よりもレゾリューションが高い(デジタル)オーディオのことだそうです。
尚、日本オーディオ協会(JAS)が定めている定義としては
アナログ信号に関わること
- 録音マイクの高域周波数性能: 40kHz以上が可能であること。
- アンプ高域再生性能: 40kHz以上が可能であること。
- スピーカー・ヘッドホン高域再生性能: 40kHz以上が可能であること。
デジタル信号に関わること
- 録音フォーマット: FLAC or WAVファイル96kHz/24bitが可能であること
- 入出力I/F: 96kHz/24bitが可能であること。
- ファイル再生: FLAC/WAVファイル96kHz/24bitに対応可能であること。
- (自己録再機は、FLACまたはWAVのどちらかのみで可とする)
- 信号処理: 96kHz/24bitの信号処理性能が可能であること。
- デジタル・アナログ変換: 96kHz/24bitが可能であること。
という形で定められている。
ハイレゾ音源
前述の録音フォーマット項でも出てきましたが
96kHz/24bitが可能であるFLAC or WAVファイル
という形になります。
ではこれらのファイル形式はどういうものかというと
-
WAV
- 圧縮前の元の形式であり圧縮されていないので劣化していない
- しかし未圧縮なのでファイルが重い
-
FLAC
- 音声データの可逆圧縮方式およびファイル形式の一つ
- 可逆圧縮方式なので音質をまったく損なわずに保存することができる
ということで簡単にまとめると元ファイルがWAV、圧縮してるけど音質を損なわないのがFLAC
ぐらいの感覚で覚えてれば問題ないと思います。
なので商品として売られているハイレゾ音源は大体FLACということですね。
では音声コーデックとは何なのか
簡単にいうと圧縮方式の総称ということみたいです
厳密いうと色々違うような気がしますが
音源を気にする上でだけの話で言うとそれぐらいの認識で問題ないように思います。
しかしワイヤレスになると話が変わってくる
ここまでは音源側だけの話だったのですが
ワイヤレスで音源を聴くにあたっては色々事情が変わってきます
それは何故かと言うとBluetoothが絡んでくるためです。
BLE通信とは
BLEとは、近距離無線通信技術Bluetoothの拡張仕様の一つで極低電力で通信が可能なもの。
2009年にBluetooth 4.0規格の一部として策定された。
ということらしいです。
名称はBluetooth Low Energyの略でBLEということですね。
それではここで何故BLEが絡んでくるかという話になるのですが
ワイヤレス機器で音源を再生するには
音源を持っている機器から再生機器へBLEを使って音源を転送する際に
またコーデック圧縮されて音源が転送されるのです。
じゃあ結局FLAC音源を買ってもワイヤレスだと意味ないじゃん!!!
となってしまうのかというとそこも違います。
ワイヤレスコーデック
ワイヤレスで転送する際に使用されるコーデックにも色々と種類があり
その中でもFLAC等のように高品質な音源変換ができるコーデックがあります
それが巷で色々言われている
「LDAC」 や 「aptX Adaptive」 等であったりするわけです。
音源は製品化される際にコーデックされている訳ですが
ではどのタイミングでワイヤレスコーデックが使われるかというと
音源を持っている機器から再生機器へ転送する際に
音源を持っている機器側でワイヤレスコーデックで圧縮されます。
なのでLDACがハイレゾ相当といっているのは
FLACと違い圧縮された音源になっている為です。
しかしこれがハイレゾではないのかというとそうとも言えず
別途ハイレゾワイヤレスという定義がなされているので
ワイヤレスの場合は厳密にはハイレゾとは言えないが
ハイレゾワイヤレスとは言えるということになります。
機器側の話
つまり機器側でコーデック圧縮することになるので
- LDACが使える機器
- aptX Adaptiveが使える機器
- 逆にいうとLDAC等が使えない機器
などがあるということです。
なのでイヤホン側だけ高品質でも機器が伴っていない場合
ワイヤレス環境であれば音質は大きく変わってしまう可能性がある
ということです。
なのでWALKMANで聴くとスマホで音源を聴くのとは違うと言われるのは
この辺りの事情が起因になっているはずです。
ではワイヤレスで高音質な音源を聴きたい場合何を見なければいけないか
- ワイヤレスイヤホン側と音源元機器側の双方で
- どういった方法で高音質を実現しているか
- どんなBluetooth規格を使っているか
- どんなコーデックに対応しているか
- 音源元機器側のSoCは何か
これらを確認するば概ね問題ないはずです。
しかし単純なカタログスペックだけではなく機器の相性などもあるので
なかなか単純にはいかないようにも感じます。
この辺りは様々な機器を聴き比べた訳ではないで絶対こうとは言えないのですが、
人によって評価が分かれたりしているのは
大体イヤホンだけで語られていることが多く、
再生機器側も交えて語られていることが殆ど見受けられない為、
こちらも一因になっているように感じます。
機器の相性の例
代表的な機器の相性の例を上げたいと思います。
それはiPhone + AirPodsProです。
なぜこちらの機器を代表として上げたのかというと、
iPhone及びAirPodsProはLDAC等には対応していません
しかし世間ではとても高評価を得ている製品です。
ではどうやって高音質を実現しているかというと
これが一社で製造されてるが故の機器相性であったり
AACではあるが256kbpsでの転送を実現しているであったりするところになります。
体験談
私自身の一番の体験談としては、
元々Xperia1ⅢとWF-1000XM4を使って音楽をよく聴いていたのですが、
最近Xperia1Vに機種変更をして改めて聴いてみると
明らかに音質が変わったという出来事がありました。
正直今回の記事を書くに至った動機もこれですw
ではXperia1ⅢとXperia1Vの何がそんなに違うのかというと
- LDAC
- 両機種対応
- DSEE Ultimate
- 両機種対応
- SoC
- 1Ⅲ: SD888
- 1V: SD8gen2
- Bluetooth規格
- 1Ⅲ: ver.5.2
- 1V: ver.5.3
というスペックになっており
音質周りは正直カタログスペックでいうとほぼ同じです。
違いはSoCとBluetooth規格のみとなっていて
この辺りがどの程度影響を及ぼすのかはわからないですが
個人的には大きく変わったと感じました。
流石に自分だけの評価では感覚的すぎるので色々検索してみたところ
1Ⅲから1Ⅳに変わった段階でも音質の向上を感じている人もいたことや、
同様に1Vになったことで音質の向上を感じている声もチラホラ確認できたので
勘違いではなさそうに思います。
こういった背景があり機器の相性という言葉を使った形になります。
結論
- ワイヤレスで聴くならイヤホンだけではなく再生機器側にも気を配ることで更に良い体験ができるよ
- 尚且つ音源もハイレゾ音源で聴くともっと良い体験ができるかもしれないよ
- ただ結局の所音質という感覚に全振りした分野の話になってくるので、試聴であったり実際に体験して判断するのが一番いいよ
- 機器の相性もあるので何でも高いもの買えば正解というわけではないよ
- 結局の所自分が満足できればそれでOKなのでそんなに気にするほどの話でもない
以上なります。
長々となりましたが最後までありがとうございました。
参考記事
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