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Pythonデコレーター入門:概要から具体例まで
🌟 はじめに
おぐまです。
本記事ではPythonのデコレーターについて基本的な概念から具体的なコード例、実行順序の詳細な説明および実行結果を通してその仕組みや活用方法を詳しく解説します。
実際の利用例を確認することでデコレーターの理解がより一層深まるでしょう。
👷♂️ 事前準備
以下の環境とツールをご用意ください。
💻 開発環境
項目 | 要件 |
---|---|
Python | 3.8以上 |
テキストエディタ/IDE | VSCode(推奨) |
📖 ステップバイステップ
👉 ステップ1: Pythonデコレーターの基本を理解する
デコレーターは、関数やメソッドの挙動を変更・拡張するための「ラッパー関数」です。
元の関数のコードを修正することなく、共通処理(例: ログ出力、実行時間の計測)を追加できるためコードの再利用性や保守性が向上します。
実行順序:
- デコレーターが適用された時点で対象関数がラップされ、関数呼び出し時にラッパー関数内の処理が実行されます。
- 例えば、以下の例では、関数呼び出し時に
null_decorator
によりそのままの処理が行われます。
def null_decorator(func):
# 何も変更せず、元の関数をそのまま返す
return func
@null_decorator
def greet(name):
return f"こんにちは、{name}さん!"
print(greet("太郎"))
# 出力: こんにちは、太郎さん!
👉 ステップ2: シンプルなデコレーターの作成
次は、関数の実行前後にメッセージを表示するデコレーターを実装します。
実行順序と期待されるレスポンス:
-
say_hello("花子")
が呼び出されるとまずwrapper
関数が実行され「関数実行前」が表示されます。 - その後、元の
say_hello
が実行され、「こんにちは、花子さん!」が表示されます。 - 最後に「関数実行後」が表示されます。
def print_decorator(func):
def wrapper(*args, **kwargs):
print("関数実行前") # 前処理
result = func(*args, **kwargs) # 元の関数を実行
print("関数実行後") # 後処理
return result
return wrapper
@print_decorator
def say_hello(name):
print(f"こんにちは、{name}さん!")
say_hello("花子")
# 出力:
# 関数実行前
# こんにちは、花子さん!
# 関数実行後
👉 ステップ3: 実行時間を計測するデコレーター
関数の実行時間を計測するためのデコレーターも有用です。
実行順序と期待されるレスポンス:
-
sample_task(1)
が実行されると、timer_decorator
のwrapper
が開始され、start_time
に現在時刻を記録します。 - 次に
sleep
関数で1秒待機した後、"処理完了"が返されます。 - 関数終了後、
end_time
を記録し、差分を計算して実行時間を表示します。
import time
def timer_decorator(func):
def wrapper(*args, **kwargs):
start_time = time.time() # 実行前の時刻を記録
result = func(*args, **kwargs) # 関数実行
end_time = time.time() # 実行後の時刻を記録
print(f"{func.__name__}の実行時間: {end_time - start_time:.4f}秒")
return result
return wrapper
@timer_decorator
def sample_task(duration):
time.sleep(duration)
return "処理完了"
print(sample_task(1))
# 出力例:
# sample_taskの実行時間: 1.0012秒
# 処理完了
👉 ステップ4: 複数のデコレーターを適用する
複数のデコレーターをスタックして適用する場合、適用順序に注意が必要です。
以下の例では、まず大文字変換デコレーター、次に文字列分割デコレーターが適用されます。
実行順序と期待されるレスポンス:
-
say_hi
が最初にuppercase_decorator
により大文字に変換され、"HELLO WORLD"となります。 - 次に
split_decorator
が適用され、文字列がスペースで分割されて['HELLO', 'WORLD']
となります。
def uppercase_decorator(func):
def wrapper(*args, **kwargs):
result = func(*args, **kwargs) # "hello world"を取得
return result.upper() # 大文字に変換
return wrapper
def split_decorator(func):
def wrapper(*args, **kwargs):
result = func(*args, **kwargs) # 大文字変換済みの文字列を受け取る
return result.split() # スペースで分割
return wrapper
@split_decorator
@uppercase_decorator
def say_hi():
return "hello world"
print(say_hi())
# 出力:
# ['HELLO', 'WORLD']
⚠️ 補足・注意事項
🎉 まとめ
本記事では、Pythonデコレーターの基本的な概念から具体例、実行される際の順序とレスポンスについて詳細に解説しました。
この記事が、Pythonデコレーターの理解と実践にお役立ていただけることを願っています。
1回学んだことでも使わないとやっぱり忘れちゃいますね。。
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