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たとえで学ぶ!MVC・MVP・MVVMの違いを解説

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🌟 はじめに

おぐまです。
本記事では、アプリ開発でよく採用される3つのアーキテクチャパターンのMVC、MVP、MVVMの違いとそれぞれの特徴を身近なたとえ話を交えてわかりやすく解説していきます。
これからご紹介する内容を理解することで、プロジェクトに最適なアーキテクチャ選択の参考になるはずです。

👷‍♂️ 事前準備

この記事を読むために、特別なツールやソフトウェアは不要です。
基本的なオブジェクト指向の知識とアプリ開発経験があれば十分に理解できる内容となっています。

💡 必要な知識

項目 内容
オブジェクト指向 クラスやインスタンス、メソッドの概念
基本的なアーキテクチャ MVC、MVP、MVVMの存在を耳にした経験
開発経験 実際にアプリケーションを作成したことがある

📖 3つのアーキテクチャパターンをたとえ話で解説

ここからは、各アーキテクチャパターンの特徴を、わかりやすいたとえ話とともに紹介します。

👉 ステップ1: MVC ― 「レストランのウェイター」

MVC(Model-View-Controller)は、歴史ある古典的なアーキテクチャです。
【たとえ話】
あなたがレストランに入ると、テーブルに案内され、そこでメニューを見ながら注文を決めます。

  • Model(キッチン)
    → 料理のレシピや調理方法、食材が保管されており実際に料理を作る場所です。
  • View(テーブル・内装)
    → お客さんに料理を提供し、視覚的に楽しませてくれる部分です。
  • Controller(ウェイター)
    → お客さんの注文を聞き取り、キッチン(Model)に伝え出来上がった料理をテーブル(View)に運びます。

MVCでは、ウェイター(Controller)が中心となって注文(ユーザーの入力)を受け渡すため処理の流れは一方向に進みます。
しかし、大勢の注文に対応すると「ウェイターに頼みすぎて大変…」となる(Massive View Controller問題)場面も出やすいのが難点です。

👉 ステップ2: MVP ― 「ソムリエ付きレストラン」

MVP(Model-View-Presenter)は、MVCの課題を解決するための進化系です。

【たとえ話】
高級レストランではただ料理を出すだけでなく専任のソムリエがあなたの好みをヒアリングし、料理とワインのペアリングを提案してくれます。

  • Model(キッチン)
    → 料理のレシピや調理のプロセスは変わりません。
  • View(テーブル・内装)
    → お客さんはテーブルにつくだけで、料理が美しく盛り付けられて提供される受動的な存在です。
  • Presenter(ソムリエ)
    → あなたの要望を詳しく聞き、キッチン(Model)と連携しながら最適な料理・飲み物を提案・調整します。

MVPでは、ソムリエ(Presenter)が全ての意思決定や処理を担うため、Viewは表示に専念できます。
これにより、各層の責務が明確になりテストもしやすくなりますがやや実装が複雑になる場合もあります。

👉 ステップ3: MVVM ― 「スマートホームの自動連携」

MVVM(Model-View-ViewModel)は、宣言的プログラミングとデータバインディングの力を活かしたパターンです。

【たとえ話】
現代のスマートホームでは、スマートフォンからエアコンや照明セキュリティシステムを操作できます。

  • Model(各家電の内部ロジック)
    → エアコンの温度調節やライトの明るさなど、各デバイスの基本動作です。
  • View(家電本体や表示パネル)
    → 実際に操作して結果が目に見える部分です。
  • ViewModel(スマートフォンのアプリ)
    → あなたの入力に応じて、各家電を制御し、また家電の状態を自動的にスマートフォンの画面に反映します。

MVVMでは、スマートフォン(ViewModel)が中央でデータの受け渡しや変換、状態管理を行うため家電(View)は自動的に最新の状態に更新されます。
双方向のデータバインディングにより、ユーザーの操作とシステムの反応がスムーズに連携するのが特徴です。

🔍 パターン比較まとめ

ここで、3つのアーキテクチャの特徴を簡単な表にまとめてみます。

パターン 主な役割 たとえ話でのイメージ メリット
MVC Controllerが仲介 ウェイターが注文と料理のやり取り シンプルでわかりやすい
MVP Presenterが全体管理 ソムリエが提案と調整を担当 各層が明確に分離されテストが容易
MVVM ViewModelが状態管理・データバインディング スマートフォンで家電を自動連携 自動更新により効率的なUI管理と再利用性が高い

各パターンは「現場の状況」や「プロジェクトの規模」に応じて使い分けることが大切です。
たとえば、シンプルなプロトタイプや小規模なアプリではMVCのシンプルさが魅力的ですが、大規模なシステムやテスト重視のプロジェクトではMVPやMVVMが適している場合が多いです。

🎉 まとめ

この記事では、アプリ開発で用いられるMVC、MVP、MVVMの各パターンをレストランやスマートホームになぞらえて解説しました。

  • MVCはウェイターが注文を取り、料理を届けるシンプルな流れ。
  • MVPはソムリエがあらゆる調整を行うように、ViewとModelの仲介を徹底。
  • MVVMはスマートフォンのように、各デバイスが自動的に同期する高度な仕組みです。

どのパターンも一長一短がありプロジェクトの要件や規模チームのスキルセットによって最適な選択は異なります。
今後の開発現場で、状況に応じたパターン選択を意識してみてください。

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