🧙‍♂️

フォールバックUI - 概要

2025/02/15に公開

フォールバックUIとは

Web開発において、主要なコンテンツやコンポーネントの読み込みが遅延したり、失敗したりした場合に、代わりに表示される代替のUIのことです。
ユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させるために重要な役割を果たします。

フォールバックUIの目的

  • 待ち時間の短縮: ユーザーに「何も表示されない」という空白の時間を感じさせず、何らかの情報を提示することで、体感的な待ち時間を短縮します。
  • 状況の伝達: コンテンツが読み込み中であること、またはエラーが発生したことをユーザーに明確に伝えます。
  • 操作の継続性の確保: 読み込み中でも、ユーザーが他の操作(例えば、別のタブへの移動や検索など)を続けられるようにします。
  • ブランドイメージの維持: エラーや遅延が発生した場合でも、洗練されたフォールバックUIを提供することで、ブランドイメージを損なわないようにします。

フォールバックUIの種類

フォールバックUIには、さまざまな種類があります。状況やコンテンツの種類に応じて、適切なものを選択する必要があります。

  • プレースホルダー (Placeholder):
    コンテンツが読み込まれる場所にあらかじめ表示される、薄いグレーのボックスや線など。
    コンテンツの構造やレイアウトを事前に示すことで、ユーザーは「ここに何かが表示される」という期待感を持つことができます。
    例:スケルトンスクリーン、ローディングシャイマー

  • ローディングインジケーター (Loading Indicator):
    コンテンツが読み込み中であることを示す、アニメーションするアイコンやプログレスバーなど。
    ユーザーに「処理が進行中である」ことを明確に伝えます。
    例:スピナー、プログレスバー、ローディングメッセージ

  • エラーメッセージ (Error Message):
    コンテンツの読み込みに失敗した場合に表示されるメッセージ。
    エラーの原因や、ユーザーが次に取るべきアクション(再試行、別のページへの移動など)を具体的に示すことが重要です。
    例:「読み込みに失敗しました。再試行してください。」

  • 部分的フォールバック (Partial Fallback):
    ページ全体ではなく、特定のコンポーネントやセクションに対してのみ適用されるフォールバック。
    例えば、コメント欄の読み込みに失敗した場合、コメント欄のみにエラーメッセージを表示し、他の部分はそのまま表示する。

  • 代替コンテンツ (Alternative Content):
    主要なコンテンツが利用できない場合に、代わりに表示される別のコンテンツ。
    例えば、動画が再生できない場合に、代わりに静止画やテキストの説明を表示する。

フォールバックUIの実装例 (React)

Reactでは、Suspense コンポーネントを使うことで、簡単にフォールバックUIを実装できます。

import React, { Suspense, lazy } from 'react';

// コンポーネントを遅延ロード
const MyComponent = lazy(() => import('./MyComponent'));

function App() {
  return (
    <div>
      <Suspense fallback={<div>Loading...</div>}>
        <MyComponent />
      </Suspense>
    </div>
  );
}

この例では、MyComponent の読み込みが完了するまで、fallback プロパティに指定された <div>Loading...</div> が表示されます。

フォールバックUIの設計における注意点

まとめ

フォールバックUIは、Webサイトやアプリケーションの使いやすさを大きく左右する重要な要素です。 適切に設計・実装されたフォールバックUIは、ユーザーのストレスを軽減し、快適な利用体験を提供します。 開発の初期段階からフォールバックUIを考慮し、ユーザー中心の設計を心がけましょう。

参照

https://ja.react.dev/reference/react/Suspense

Discussion