Claude Code CLIを使いこなす!基本〜便利コマンド紹介編
はじめに
今回は、Anthropicが提供するAIコーディング支援ツール「Claude Code」の CLI (Command Line Interface) に焦点を当てて、その使い方を基本から応用まで徹底的に解説していきます。
CLIというと少し敷居が高く感じるかもしれませんが、一度使い方を覚えれば、コードに関する様々なタスクを効率的に、そして柔軟にこなせるようになります。この記事を読めば、今日からClaude Code CLIを開発ワークフローに取り入れ、作業を加速させることができるはずです!
この記事では以下の内容を学ぶことができます。
- Claude Code CLIの2つの主要な使い方(インタラクティブモードとワンショットモード)
- 作業効率を向上させる基本的なCLIコマンド
- CLIの動作をカスタマイズする便利なフラグ
- インタラクティブセッション中に役立つスラッシュコマンド
- 知っておくと便利な特殊ショートカットやVimモード
さあ、一緒にClaude Code CLIの世界へ踏み出しましょう!🚀
Claude Code CLIとは?
Claude Codeは、コードの生成、デバッグ、レビュー、ドキュメント作成など、開発プロセスにおける様々なタスクをAIの力でサポートしてくれるツールです。その中でもCLI版は、ターミナルから直接Claude Codeと対話したり、スクリプトに組み込んで自動化したりできる強力なインターフェースです。
まずはここから!CLIの基本的な使い方
Claude Code CLIには、主に2つのインタラクションモードがあります。この2つを理解することが、CLI活用の第一歩です。
2つの主要なインタラクションモード
1. インタラクティブモード (Interactive mode)
これは、ターミナル上でClaudeと対話形式でやり取りするモードです。まるでチャットのように、連続して質問したり、指示を出したりできます。
インタラクティブモードを開始するには、単純に claude
コマンドを実行します。
claude
特定のタスクから始めたい場合は、初期のクエリ(質問や指示)を指定して開始することも可能です。
claude "explain this project"
このコマンドを実行すると、"explain this project"
というクエリから対話が開始されます。
2. ワンショットモード (One-shot mode)
ワンショットモードは、単一のクエリを実行して結果を出力し、すぐに終了するモードです。スクリプトでの利用や、サクッと質問して答えを得たい場合に非常に便利です。
ワンショットモードを使うには、claude
コマンドに -p
または --print
フラグとクエリを指定します。
claude -p "what does this function do?"
このコマンドは、指定した関数の説明をClaudeに求め、その結果を出力して終了します。
また、ファイルの内容などをパイプ(|
)を使って入力として渡し、それをClaudeに処理させることも可能です。例えば、ログファイルの内容を分析させたい場合などに有効です。
cat logs.txt | claude -p "analyze these errors"
基本コマンド一覧
ソースで紹介されている基本的なCLIコマンドをいくつか見てみましょう。
-
claude
: インタラクティブREPL (Read-Eval-Print Loop) セッションを開始します。REPLとは、入力(Read)、評価(Eval)、出力(Print)、繰り返し(Loop)を行う対話型環境のことです。 -
claude "query"
: 初期プロンプトを指定してインタラクティブREPLセッションを開始します。 -
claude -p "query"
: ワンオフのクエリを実行し、その後終了します。 -
cat file | claude -p "query"
: パイプで渡されたコンテンツを処理します。 -
claude -c
: 現在のディレクトリで最も新しい会話を継続します。作業を中断して再開したい場合に便利です。 -
claude -c -p "query"
: 最新の会話を継続しつつ、ワンショットモードで指定したクエリを実行します。 -
claude -r "<session-id>" "query"
: 指定したセッションIDの会話を再開します。特定の過去の会話に戻りたい場合に利用します。 -
claude config
: 設定(configuration)を構成します。例えば、テーマをダークモードにするなど、設定を変更できます (claude config set --global theme dark
)。 -
claude update
: Claude Codeを最新バージョンにアップデートします。 -
claude mcp
: モデルコンテキストプロトコルサーバーを設定します。
これらのコマンドを覚えるだけで、Claude Code CLIを使った基本的な操作ができるようになります。
さらに便利に!知っておきたいCLIフラグ
コマンドにフラグ(--flag
や -f
の形式)を付けることで、Claude Code CLIの動作をより細かくカスタマイズできます。いくつか重要なフラグを見てみましょう。
フラグ名 | 説明 | 例 |
---|---|---|
--print , -p
|
レスポンスをインタラクティブモードではなく、標準出力に直接表示します(ワンショットモード)。 | claude -p "query" |
--output-format |
ワンショットモード(-p )での出力形式を指定します。オプションは text , json , stream-json です。json 形式はスクリプトや自動化に特に有用です。 |
claude -p "query" --output-format json |
--verbose |
詳細なログ(ターンごとの詳細出力など)を有効化します。インタラクティブモード、ワンショットモードどちらでも利用でき、デバッグに役立ちます。 | claude --verbose |
--max-turns |
非インタラクティブモード(ワンショットモードなど)でのエージェントの思考ターン数を制限します。長すぎる応答を防ぎたい場合に利用できます。 | claude -p --max-turns 3 "query" |
--model |
現在のセッションで使用するAIモデルを指定します。最新モデルのエイリアス (sonnet や opus ) またはモデルのフルネームを指定できます。 |
claude --model claude-sonnet-4-20250514 |
--resume |
指定したセッションIDで会話を再開します。インタラクティブモードでセッションを選択して再開することも可能です。 | claude --resume abc123 "query" |
--continue |
現在のディレクトリの最も新しい会話をロードします。-c コマンドと同じ機能です。 |
claude --continue |
--dangerously-skip-permissions |
権限プロンプトをスキップします。⚠️ 使用には十分な注意が必要です。 | claude --dangerously-skip-permissions |
これらのフラグを組み合わせることで、CLIの柔軟性が大きく向上します。例えば、JSON形式で結果を取得して後続の処理に渡す、特定のモデルで応答を得る、詳細な実行ログを確認するなど、様々なシナリオに対応できます。
インタラクティブモードを使いこなすスラッシュコマンド
インタラクティブモード(claude
コマンドで開始されるセッション)では、/
で始まる特殊なコマンド(スラッシュコマンド)を使って、セッションの途中で様々な制御を行うことができます。
いくつかの便利なスラッシュコマンドを紹介します。
-
/clear
: 現在の会話履歴をクリアします。新しいトピックについて話したい場合などに使います。 -
/config
: 設定を表示したり変更したりできます。claude config
コマンドと同じ機能ですが、セッション中に実行できます。 -
/cost
: 現在のセッションやアカウントのトークン使用量統計を表示します。コスト管理に役立ちます。 -
/help
: Claude Code CLIの使い方のヘルプを表示します。困ったときにすぐに参照できます。 -
/model
: セッション中に使用するAIモデルを選択したり変更したりできます。タスクに応じて最適なモデルに切り替えたい場合に便利です。 -
/review
: コードレビューをリクエストします。コードベース全体または特定の部分のレビューをClaudeに依頼できます。 -
/status
: アカウントやシステムのステータスを表示します。接続状況やログイン状態などを確認できます。 -
/vim
: Vimモードを有効にします。後述します。
これらのスラッシュコマンドは、インタラクティブセッションをより効率的に、よりコントロール可能にするための重要なツールです。対話中に /
を入力して候補を見てみるのも良いでしょう。
開発効率を上げる特殊ショートカット
Claude Code CLIには、さらに作業をスムーズにするための特別なショートカット機能があります。
#
)
クイックメモリで素早く記憶 (Claude Codeは、プロジェクトに関する情報などを「メモリ」として保持し、会話の中で参照することができます。通常はメモリファイルを編集して情報を追加しますが、CLIでは 入力の先頭に #
を付ける ことで、その入力を素早くメモリに追加できます。
# Always use descriptive variable names
このように入力すると、その内容(Always use descriptive variable names
)をどのメモリファイルに保存するかをプロンプトで聞かれます。頻繁に参照するガイドラインやコードスニペットなどを即座に記憶させたい場合に便利です。
ターミナルでの複数行入力
ターミナルで長いコードや詳細な指示をClaudeに送りたいとき、複数行に分けて入力したい場合があります。Claude Code CLIでは、以下の方法で複数行入力が可能です。
-
クイックエスケープ: 行末に
\
(バックスラッシュ) を入力してEnterキーを押すと、次の行に継続できます。 - キーボードショートカット: Optionキー + Enterキー、または Shiftキー + Enterキーで改行を入力できます。
特にキーボードショートカットは直感的で便利ですが、ターミナルの設定が必要です。
改行ショートカットの設定方法
お使いのターミナルエミュレータに応じて設定方法が異なります。
-
Mac Terminal.app:
- Settings (設定) → Profiles (プロファイル) → Keyboard (キーボード) を開きます。
- 「Use Option as Meta Key (Optionキーをメタキーとして使用)」にチェックを入れます。
-
iTerm2 および VS Code terminal:
- Settings (設定) → Profiles (プロファイル) → Keys (キー) を開きます。
- General (一般) セクションで、Left/Right Option key (左/右Optionキー) の設定を “Esc+” に変更します。
また、iTerm2とVS Codeユーザー向けには、Claude Code内で /terminal-setup
コマンドを実行することで、Shift+Enterによる改行を自動的に設定する機能も提供されています。これはより直感的な選択肢として推奨されています。
/vim
)
Vimモード (Vimエディタに慣れているユーザー向けに、Claude Code CLIはVimモードをサポートしています。インタラクティブセッション中に /vim
コマンドを実行するか、/config
コマンドで設定することで有効にできます。
Vimモードでは、Vimの基本的なキーバインディングを使って入力やナビゲーションを行うことができます。ソースによると、以下の操作がサポートされています。
-
モード切り替え:
Esc
(NORMALモードへ),i
/I
,a
/A
,o
/O
(INSERTモードへ) -
ナビゲーション:
h
/j
/k
/l
(←/↓/↑/→),w
/e
/b
(単語移動),0
/$
(行頭/行末),^
(行頭の非空白文字),gg
/G
(ファイル先頭/末尾) -
編集:
x
(一文字削除),dw
/de
/db
/dd
/D
(削除),cw
/ce
/cb
/cc
/C
(変更),.
(直前の操作を繰り返し)
これらのキーバインディングはVimユーザーにとって馴染み深く、CLIでの入力編集効率を高めることができます。
まとめ
この記事では、Claude Code CLIの主要な機能とその使い方を解説しました。
- 基本: インタラクティブモードで対話、ワンショットモードで単発実行。
-
コマンド:
claude
を中心に、会話継続 (-c
)、セッション再開 (-r
)、設定 (config
)、アップデート (update
) など。 -
フラグ: ワンショットモードの指定 (
-p
)、出力形式 (--output-format json
)、詳細ログ (--verbose
)、モデル選択 (--model
) など、動作をカスタマイズ。 -
スラッシュコマンド: インタラクティブセッション中の履歴クリア (
/clear
)、設定変更 (/config
)、モデル変更 (/model
)、コスト確認 (/cost
) など、多様な制御。 -
ショートカット:
#
でクイックメモリ追加、\
や Option+Enter (/terminal-setup
も) で複数行入力。 -
Vimモード:
/vim
でVimキーバインディングによる操作を有効化。
これらの機能を理解し活用することで、Claude Code CLIはあなたの開発ワークフローにおいて非常に強力なツールとなります。簡単な質問から、コードの自動生成、レビュー、デバッグ、ドキュメント作成まで、CLIを通じてClaude Codeの能力を最大限に引き出すことができるでしょう。
まずはターミナルを開いて claude
と入力し、インタラクティブモードでClaudeと会話を始めてみてください。次に、-p
フラグを使ったワンショットモードで手軽に試してみるのも良いでしょう。
もしCLIの操作で迷ったら、/help
コマンドがいつでも助けてくれます。
ぜひ、この記事を参考に、Claude Code CLIを使いこなして開発効率を爆上げしてください!🚀✨
参照
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