コメントすべきこととすべきでないこと
コードが何をしているのかを、コメントで説明することは、コードの可読性を向上させるために非常に重要です。しかし、コメントが冗長である場合は、かえってコードを読みづらくすることがあります。
コメントアウトすべきことと、すべきでないこと
コードのコメントは、コードの理解を助けるために重要な役割を果たします。しかし、コメントの書き方によっては、かえってコードを読みづらくしてしまうこともあります。そこで、本記事では、コメントアウトすべきことと、すべきでないことについて解説します。
1. コメントアウトすべきこと
1-1. コードの意図や目的の説明
例えば、以下のようなコードがあったとします。
# 変数xに2を代入する
x = 2
このような場合、コメントによって変数に代入される値が説明されていますが、コメントが冗長であるため、かえってコードを読みづらくしてしまいます。このような場合は、コメントを省略することが望ましいでしょう。
一方で、コードが複雑である場合や、特別な処理がある場合は、コメントを付けることでコードの可読性を向上させることができます。例えば、以下のようなコードがあったとします。
# ファイルを読み込む
with open("sample.txt", "r") as f:
# 1行ずつ読み込む
for line in f:
# 行末の改行文字を削除する
line = line.rstrip()
# 行をスペースで分割する
words = line.split(" ")
# 単語数をカウントする
count = len(words)
# 単語数を出力する
print(count)
このコードは、ファイルからテキストを読み込み、各行に含まれる単語数をカウントして出力するものです。このような場合は、コメントを付けることで、コードの意図や目的が明確になります。
1-2. 複雑な処理やアルゴリズムの説明
複雑な処理やアルゴリズムを実装する場合は、コメントを付けることで、コードの可読性を向上させることができます。例えば、以下のようなコードがあったとします。
# フィボナッチ数列を計算する
def fibonacci(n):
# 初期化
a, b = 0, 1
# nが0以下の場合は0を返す
if n <= 0: return 0
# nが1以下の場合は1を返す
elif n == 1:
return 1
else:
# フィボナッチ数列を計算する
for i in range(n - 1):
a, b = b, a + b
return b
このコードは、フィボナッチ数列のn番目の値を計算するものです。このような場合は、コメントを付けることで、フィボナッチ数列の計算方法が明確になります。
1-3. 仕様の説明
コードが実装する仕様や、仕様に基づく決定事項を説明することは、コードの可読性を向上させるために重要です。例えば、以下のようなコードがあったとします。
# 燃料の種類
FUEL_TYPE = { "gasoline": 1, "diesel": 2, "electric": 3 }
このコードは、燃料の種類を定義するものです。このような場合は、コメントを付けることで、燃料の種類に関する仕様が明確になります。
2. コメントアウトすべきでないこと
2-1. 不要なコメント
コードが明確である場合や、冗長なコメントがある場合は、コメントを省略することが望ましいでしょう。例えば、以下のようなコードがあったとします。
# 変数aに1を代入する
a = 1
このような場合は、コメントが冗長であるため、コメントを省略することが望ましいでしょう。
2-2. コードの説明
コードが何をしているのかを説明するためのコメントは、必要な場合がありますが、コードが自己説明的である場合は、コメントを付ける必要はありません。例えば、以下のようなコードがあったとします。
# リストから重複した要素を削除する
unique_list = list(set(original_list))
このような場合は、コメントが不要であり、コード自体が十分に説明的であるため、コメントを省略することが望ましいでしょう。
2-3. バグの説明
コードにバグがある場合、コメントを使ってそのバグを説明することは、開発者がコードの修正に役立ちます。しかし、バグを修正した場合は、コメントを削除することが重要です。例えば、以下のようなコードがあったとします。
# リストの要素を2倍にする
new_list = [] for i in range(len(old_list)): new_list.append(old_list[i] * 2)
# バグ:リストの要素を2倍にする代わりに、要素を足し合わせています。
このような場合は、バグの説明コメントが必要であり、修正後にはコメントを削除することが望ましいでしょう。
2-4. コードの履歴
コードを改善するために、変更の履歴を残すことは重要です。しかし、コードの履歴を記録するために、コードの一部をコメントアウトすることは避けるべきです。代わりに、バージョン管理システムを使用して、変更の履歴を追跡することが望ましいでしょう。
まとめ
以上が、「コメントアウトすべきことと、すべきでないこと」についての解説となります。コメントアウトの適切な使い方を身につけることで、コードの可読性を向上させることができます。
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