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Datadog Live Tokyo 2025 に参加してきました!

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こんにちは。anyでエンジニアをしている @koukibuu3 です。
6/3(火) 大手町三井ホールで行われた Datadog Live Tokyo 2025 に参加してきました。

Datadog Live Tokyo 2025 大手町三井ホールのモニターに映る Datadog Live Tokyo 2025

弊社でも Datadog を活用しているため、今回は他社の活用事例や新機能を聞きたくて参加しました。とても学びの多い濃密な時間だったため、それぞれの講演を簡単に振り返ってみます。

当日は、A会場とB会場に分かれており、全ての講演を聞くことはできませんでした。
そのため、私の聞いた講演のみの振り返りになる点をご承知おきください。

https://www.event-site.info/ddt2025/

キーノートセッション

O11y CoE の戦略と軌跡:プロダクトチームをビジネス価値創出へ導く仕組みづくり

株式会社村田製作所 / 新出 悠一郎 様

プロダクトチームが抱えるオブザーバビリティの課題に対し、CoE(Center of Excellence)を発足して向き合った事例が紹介されました。CoE は、オブザーバビリティに関する検討項目を削減し、伴走支援を行うことで、全社最適を目指す組織として機能しているとのこと。

中でも印象的だったのは、その取り組みをわずか3名(社員1名+パートナー2名)で推進しているという事実です。

V ポイントサービスにおける Datadog 導入プロジェクト CCCMKホールディングスにおける取組み

CCCMKホールディングス株式会社 / 松井 太郎 様

TポイントからVポイントへのリニューアルを機に、CCCMKホールディングスはAzureとオンプレのハイブリッド環境下で段階的なクラウドシフトを推進していました。
構成が統一されていないマイクロサービスや、リフトのみで移行した旧システムなどの課題に対し、Datadogを活用した可観測性の向上に取り組んでいるとのこと。これにより、システム移行時の安全性と運用後の安定性を両立しているようです。

Datadogを選定した理由には、APM・セキュリティ機能の統合、柔軟な課金体系、PoC段階からの手厚い支援が挙げられました。トップダウンで可観測性の必要性を伝え、リーダー層の意識変革を促進した点も印象的でした。

Datadog × NTTデータの AWS マネージドサービス(PCS for Enterprise)について

株式会社NTTデータ / 葛西 直俊 様

2024年3月に新しくDatadogとパートナー契約を締結したNTTデータは、エンタープライズ向けクラウド基盤「PCS for Enterprise」においてDatadogを標準搭載した提供を開始しているとのことです。
クラウド活用の現場では、複数クラウドの煩雑な管理や継続的なアップデート対応など、多くの課題が存在。そうした中で、Datadogを組み込んだ標準基盤を用いることで、アプリケーション開発に集中できる環境を実現しています。

Monitoringは「体温計」、Observabilityは「ドクター」と例えられていたのも秀逸でわかりやすかったです。Datadogを活用することで予防的・包括的な運用体制を築けることが、ビジネススケールを支える1つの選択肢になっていると語られていました。

新たな共有価値の創造を支えるアフラックの IT インフラ運用変革

アフラック生命保険株式会社 / 正木 聡 様
キンドリルジャパン株式会社 / 赤塚 大輔 様

アフラックは、長年オンプレ中心で構築されたインフラを2027年までに大幅にクラウド化する計画を進めており、キンドリルとともにその基盤整備に取り組んでいるそうです。
移行に伴う課題として、パフォーマンス遅延や障害時の影響範囲の特定が困難であることが挙げられました。従来型のコンポーネント単位の監視では限界があり、DatadogによるAPMや外形監視の導入により、サービス単位での可視化を実現しています。

また、SREモデルの導入により、これまでバケツリレーのようだったDevとOpsの関係が、Datadogを介した協働関係へと変化。柔軟な課金体系や広範なインテグレーション、DevSecOpsへの対応力も評価ポイントだったとのことが印象的でした。

ブレークアウトセッション

障害のトリアージを素早く・丁寧に・柔軟に:Datadog のサービス管理機能

Datadog Japan合同会社 / 中奥 洋志彦

インフラやサービスが複雑化する中、障害発生時の初動対応に多くの判断が求められるという課題に対し、Datadogのサービス管理機能を活用する事例が紹介されました。
特に注目を集めていたのは、インシデントのライフサイクル全体をDatadog内で完結できる仕組みです。アラートの正規化・集約・優先度判定を行い、相関処理を経て、オンコール対応や通知までを一貫して自動化できます。これにより、アラート疲れの軽減や判断の迅速化が可能になります。

また、AIを活用した支援も進んでおり、類似インシデントの検索や、英語での障害レポートの自動生成機能なども備わっているとのこと。インシデント対応を“人頼み”から“仕組み化”へと転換するための強力なサポートが印象的でした。

ログ管理の属人化を解消:Datadog で始めるログの運用効率化とコスト最適化

Datadog Japan合同会社 / 伊藤 忠司

現代の複雑化するインフラ環境ではログが爆発的に増加し、分断や操作性の課題、さらには保管コストの問題が顕著になっていると指摘されていました。

こうした課題に対応するために、Datadogの「Logging without Limits」機能が紹介されました。これは必要なログだけをリアルタイムに補完し、不要なログはアーカイブしてコストを最適化する仕組みです。保管する際は頻繁に使うログをインデックス化し、監査ログなどはアーカイブ。必要に応じてアーカイブ済みデータの再取り込みも可能です。

このようにDatadogを活用することで、運用効率とコストの最適化を両立できる点が強調されました。

サービスマネジメント + LLM オブザーバビリティ! Datadog で行う次世代運用

アイレット株式会社 / 蓮沼 翔悟 様

運用自動化や大規模言語モデル(LLM)を活用した次世代の運用支援について紹介されました。cloudpackというソリューションを提供し、Datadogを用いて24時間365日の障害対応サービスのインフラを管理しています。実際の数値として、約10,000リソースがある上、年間100万件超のアラートのうち90%を自動化しているという驚愕の点が印象的でした。

また、自社で運用開発していたAMSというツールによる自動化を、DatadogのIncident ManagementやWorkflow Automationに置き換えて運用を回すようになったという点も、Datadogの力強さを感じました。

更に、LLMの精度を可視化する LLM Observerbilityを使っているとのこと。弊社もAIナレッジプラットフォームを提供している以上、ぜひ有効的に使って検証・改善を回していきたいと感じました。

最近の趣味は筋トレで自分自身のオブザーバビリティに関心があるという掴み、会場はやや受けでしたが個人的には爆笑でした。

おわりに

今回、Datadogについてより深く学びたいという思いで参加した「Datadog live Tokyo 2025」は、オブザーバビリティに対する熱意と技術の最先端を感じられる貴重な機会となりました。一日の中で何度「オブザーバビリティ」という言葉が飛び交ったか分かりません。

多様な業界・企業の事例紹介や最新機能のデモを通じて、運用自動化や監視の高度化だけでなく、LLM(大規模言語モデル)を活用した新しい運用の形も見えてきました。
Datadogの進化が、単なるモニタリングツールを超えて、ビジネス価値創出や組織文化の変革にも寄与していることを強く感じられました。本日の学びを社内でのプロダクト開発に活かしていきたいと思います。

any株式会社

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