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[Kali Linux] Raspberry PiにKali Piを入れる

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はじめに

Raspberry PiにKali Linuxを入れる手順をまとめる。
microSDカードをフォーマットして、使いたいOSのimgを入れればいい。本記事ではRaspberry Pi Imagerを使用した手順を説明する。
なお今回はRaspberry Pi4を使用している。
Kali Pi以外のOSでも、基本的な手順は本記事と同じである。
https://www.raspberrypi.com/

前提事項

  • Raspberry PiのアーキテクチャはARMであるため、x86向けのOSは使えない。
    • x86環境で動かしたい場合は、x86に対応したミニPC等を検討したほうが良い。
  • Raspberry Pi公式のOSとして、Debian系Linuxの「Raspbian」が提供されている。
    • 今回はKali Piを入れるが、他のOSを入れる場合でも、基本的な流れは同じである。
  • 使うmicroSDカードは、32GB, 64GBどちらでもよい。
    • 32GBの場合は32bitを、64GBの場合は64bitのOSを入れるとよい。
    • 32bit版は、提供されているOSの種類が多い。
    • microSDカードが本体ストレージを兼ねるため、64GBの方が容量を多く使える。
    • 尤も容量は拡張すれば済むので、好みや手元にある方で使えばいい。
  • 初回起動時やGUIで操作する場合は、入出力デバイス・各種ケーブルが必要。
    • SSH接続の設定を行うと不要になる。

準備するもの

今回の導入にあたり、用意して実際に使ったものを記載。
Raspberry Piと作業PCの2台が必要。

raspi-set
Raspberry Pi側環境のイメージ

Raspberry Pi環境

  • Raspberry Pi本体
    • 本記事時点で最新はRaspberry Pi5。
    • 今回はRaspberry Pi4(RAM4GB)を使用。
    • 基盤型の他、キーボード一体型の製品もある。
    • Raspberry Pi関連の製品は、秋月電子通商で購入した。
    • https://akizukidenshi.com/catalog/default.aspx
  • 本体ケース
    • 今回は基盤型を使ったのでケースも用意した。
    • 個人感覚だが、蓋が横にスライドする形式より、上から蓋を外せる形式の方が取り外ししやすい。
  • microSDカード
    • OSイメージ書き込み兼本体ストレージ用途で使う。必須。
    • 32GBならFAT32でフォーマットする。64GBならexFAT形式。
    • 後述のImagerを使うことで、この辺のフォーマットも楽に解決できる。
  • モニター
    • 最初の起動確認の他、GUIで操作する際の出力に必要。
    • モバイルモニターでも据え置きでも、映れば何でもよい。
  • micro HDMIケーブル
    • 本体側がmicro HDMI端子なので、片側がmicro HDMI形式のケーブルが必要。
    • HDMI形式のモニターだったので、HDMI - micro HDMIのケーブルを使った。
  • キーボード
    • 入力用。無線でも一応使えるが、迷ったら有線が安牌。
    • 公式でも有線キーボードが販売されているが、操作の認識さえしてくれれば何でも良い。
    • 以下Perixxキーボードが、日本語配列かつサイズ感が良かった。
    • https://amzn.asia/d/fJAT828
  • マウス
    • 入力操作用。今回は有線マウスを使用。
    • USB typeAポートは複数あるので、キーボードとマウスで使っても事足りる。
  • LANケーブル
    • ネットワーク接続用。最近のRaspberry PiはWifi対応しているので必須ではない。
    • 本体側にLANケーブル用の差込口があるので、アダプタは不要。

作業PC環境

  • 作業PC
    • imgを取得したり、SDカードに書き込む用。
    • 今回はWindows11 ノートPCを使用。
    • 後述のRasberry Pi Imagerは、Windows/Mac/Linux(x86)を想定している。
  • microSD カードアダプタ
    • microSDカードの差込口がない場合、アダプタが必要。
    • 直接差し込める場合でも、アダプタ経由の方が抜き差ししやすかった。

導入手順

以下の手順で導入する。

  1. microSDカードに入れたいOS imgを、公式から取得する
  2. microSDカードを、FAT32 or exFAT形式でフォーマットする
  3. microSDカードに、取得したOS imgを書き込む
  4. microSDカードを、Raspberry Piに差し込み、起動確認する

Raspberri Pi Imagerを使った手順

公式提供のRaspberry Pi Imagerを使うことで、上記を簡単なGUI操作で実現できる。
フォーマット操作やimgの取得も一度に行える。
導入には、公式からImagerのソフトをDLする。実行には管理者権限が必要。

https://www.raspberrypi.com/software/

起動すると、左・中央・右に、それぞれSelectが表示される。
それぞれ以下を選択すればよい。

  • 左側: 対象のRaspberry Pi(Raspberry Pi4)
  • 中央: 書き込むOSのimg(Kali Pi 64bit)
  • 右側: 書き込み先のストレージ(microSD)

raspi-imager-top
Raspberry Pi Imager

今回はmicroSDカードが64GBだったので、Kali Pi 64bitを導入した[1]
中央OSの選択欄にて、「Other specific purpose OS > Kali Linux > 64-bit」の順で選択した。
取得~書き込み~確認まで時間が少し時間かかるので待つ。筆者の環境では十数分ほどで完了した。

raspi-imager-kali-choose
Choose Kali (Select middle 64-bit)

備考: 初期設定について

書き込み前に初期設定をGUIで操作できる。アカウント情報、SSH接続、locale、keyboard、Wi-Fiなどの項目を予めセットできる[2]
基本的に後からでも設定可能なので、任意で設定すればよい。

動作確認

書き込みが完了したら、microSDカードをRaspberry Pi側に差し込む。
USB-Cを接続すると、電源が赤く光り起動する。
書き込みがうまくいっていれば、boot後にログイン画面が表示される。
設定したアカウントまたは、kali / kaliでログイン実行することで、デスクトップ画面が表示される。以降は任意の設定を実行していけば良い[3]

kali-pi-login
Kali Pi Login

kali-pi-desktop
Kali Pi Desktop

最後に

本記事ではRaspberry Pi4にKali Piを導入する手順を説明した。公式提供のImagerを使うことで、簡単に設定が可能である。
使用デバイス情報など、何かしらの参考になれば幸いである。

参考記事

脚注
  1. 当初32bit版imgをKali公式から取得していたが、boot時にFAILEDが頻発した。 ↩︎

  2. Keyboardをjpに設定していたがUS配列のままだった。Setting>Keyboardで105(US)→104(JP)に変更した。 ↩︎

  3. sudo apt upgradeが失敗する場合、先にsudo apt-get upgradeを実行すると良い。 ↩︎

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