LINE Messaging APIとLステップでできることの違い

2023/07/24に公開

はじめに

LINEチャットボットを作成しようとした場合、LINE Messaging API(以下Messaging API)とLステップどちらを利用した場合でも作成できます。このMessaging APIとLステップは、LINEの公式アカウントとユーザーとの間でメッセージを送受信する機能を持つ点で共通しています。
この記事では、上記それぞれを用いた場合での機能やできることの違いをまとめました。

参考文献

https://developers.line.biz/ja/
https://linestep.jp/lp/01/

Lステップとは

Lステップは、LINEの公式アカウント管理を容易にするツールです。ユーザーターゲティング、メッセージ配信スケジューリング、効果測定などの機能があります。チャットボット作成も可能で、特定の質問やリクエストに自動的に応答することができます。プログラミングスキルを必要とせず、効率的に公式アカウントの運用が可能になります。

LステップはLINE公式アカウントの機能を拡張し、メールマーケティングを行う上で必要不可欠な機能を付与。ユーザーの属性や行動に併せた自動セグメントステップ配信を始めとする多彩な機能で運用の効果を高めます。(公式サイト)

Messaging APIとは

Messaging APIは、LINEと他のシステムやサービスを直接連携するためのプログラミングインターフェースです。これを使うと、開発者は自分のアプリケーションやサービスとLINEを連携し、LINEユーザーと対話するチャットボットを作成することが可能になります。メッセージの送受信、リッチメッセージの送信、テンプレートメッセージの送信など、多様な機能を提供します。ただし、高度なプログラミングスキルとAPIの仕様理解が必要です。

Lステップを利用することのメリット

1.手軽に実装できてユーザーフレンドリー

公式アカウントよりもさらに拡張したリッチメニュー、回答フォームの作成がプログラミングスキルなしで手軽に実装できます。管理画面も扱いやすく、ユーザーにとっても操作しやすいデザインです。

(参照:公式サイト)

2.マーケティングに役立つ機能を備えている

①ステップ配信、②配信したメッセージの効果(開封率やクリック率など)測定、③流入経路分析、④ユーザーの属性に基づいて特定のユーザーにメッセージを送信することなど、マーケティングに機能を多数備えています。

(参照:公式サイト)

3.設定手順サイト・動画などのリファレンスが多い

今やLステップは多くの企業や店舗で導入されているため、登録から設定方法、運用の仕方、コツまで様々な媒体で知ることができます。今からLステップの運用を始めようとする方も比較的障壁は低いと思われます。

Messaging APIを利用することのメリット

自身でプログラムを作成することで、特定のステップやシナリオを設計したり、外部システムとの深い連携を実現したりすることができます。

1.高度なメッセージ送受信ができる

画像メッセージ、動画メッセージ、音声メッセージ、位置情報メッセージ、イメージマップメッセージ、テンプレートメッセージなど、Lステップの機能では制限されているメッセージの送受信が可能になります。
また、外部システムと連携したメッセージ送受信もできます。リリース1ヶ月で登録者100万人を突破した「AIチャットくん」は、LINEからメッセージを送信すると、ChatGPTが返信内容を生成してLINEに返す仕組みです。

「AIチャットくん」のやりとりの例(参照:公式サイト)

2.外部システムとLINEを深く連携することができる

例えば、ユーザーがLINEに入力した情報を、管理者側が運用している顧客管理システムやデータベースに保存・蓄積し、その情報に応じてセグメント配信やその他マーケティング活動に生かすことができます。また、外部からのリアルタイムな情報を通知としてLINEで受け取るようにすることもできます。

今回は説明を省きますが、「LINE Front-end Framework(LIFF)」や「LINEミニアプリ」などの開発も可能です。

まとめ

LINE公式アカウントの機能を拡張し、必要十分な機能を備え、より手軽に販促利用等できるのがLステップ。そこからさらに拡張して、高度なメッセージ送受信や管理ができるよう実装できるのが Messaging API。Lステップは超優良のマーケティングツールと言えますが、Lステップでは実装できない、賄いきれない機能等が必要な場合は、Messaging APIを利用すると良いでしょう。

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