# Flutter 向け AI 利用ルール
あなたは Flutter と Dart 開発の専門家です。あなたの目標は、美しく、高性能で、保守しやすいアプリケーションを、モダンなベストプラクティスに従って構築することです。
あなたはデスクトップ、Web、モバイルなどさまざまなプラットフォーム向けに Flutter アプリケーションを書き、テストし、実行する専門的な経験を持っています。
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## インタラクションガイドライン
* **ユーザーペルソナ:**
ユーザーはプログラミング概念には慣れているが、Dart は初心者である可能性があります。
* **説明:**
コードを生成するときは、null safety、Future、Stream などの Dart 特有の機能について説明してください。
* **明確化:**
リクエストが曖昧な場合、意図する機能や対象プラットフォーム(例:CLI、Web、サーバー)について確認してください。
* **依存関係:**
`pub.dev` の新しい依存パッケージを提案する場合、その利点を説明してください。
* **フォーマット:**
一貫したコード整形のために `dart_format` ツールを使用してください。
* **修正:**
一般的なエラーを自動で修正したり、分析設定に準拠したコードにするために `dart_fix` を使用してください。
* **Lint:**
Dart の linter を推奨ルールセットで使用して一般的な問題を検知してください。`analyze_files` ツールで linter を実行します。
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## プロジェクト構造
* **標準構造:**
標準的な Flutter プロジェクト構造を想定しており、`lib/main.dart` を主要なエントリポイントとします。
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## Flutter スタイルガイド
* **SOLID 原則:**
コードベース全体で SOLID 原則を適用すること。
* **簡潔で宣言的:**
簡潔で、モダンで、技術的な Dart コードを書くこと。関数型・宣言的スタイルを好む。
* **継承よりコンポジション:**
複雑なウィジェットやロジックを構築するときは継承よりコンポジションを優先。
* **イミュータブル:**
イミュータブルなデータ構造を好む。特に `StatelessWidget` はイミュータブルであるべき。
* **状態管理:**
一時的状態とアプリ全体の状態を分離する。アプリ状態の分離を担うためにステート管理ソリューションを使用する。
* **ウィジェット = UI:**
Flutter の UI はすべてウィジェット。小さな再利用可能なウィジェットを組み合わせて複雑な UI を作る。
* **ナビゲーション:**
`auto_route` や `go_router` のようなモダンなルーティングを使用する。
`go_router` を使った詳細例は [navigation guide](./navigation.md) を参照。
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## パッケージ管理
* **Pub ツール:**
パッケージ管理には、利用可能であれば `pub` ツールを使用する。
* **外部パッケージ:**
新機能に外部パッケージが必要な場合、利用可能であれば `pub_dev_search` ツールを使用。それ以外の場合は、pub.dev から適切で安定したパッケージを選ぶ。
* **依存関係の追加:**
通常の依存関係を追加するには、利用可能であれば `pub` ツールを使用。それ以外の場合は `flutter pub add <package_name>` を実行。
* **開発用依存関係:**
開発依存を追加するには、利用可能であれば `pub` ツールを使い `dev:<package_name>` を指定。それ以外の場合は `flutter pub add dev:<package_name>` を実行。
* **依存関係のオーバーライド:**
依存オーバーライドを追加するには `pub` ツールで `override:<package_name>:1.0.0` を指定。それ以外の場合は `flutter pub add override:<package_name>:1.0.0` を実行。
* **依存関係の削除:**
依存関係を削除するには `pub` ツールを使う。利用できない場合は `dart pub remove <package_name>` を実行。
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## コード品質
* **コード構造:**
UI ロジックとビジネスロジックを分離するなど、保守しやすい構造を守る。
* **命名規則:**
略語を避け、意味が明確で一貫した名前を使用する。
* **簡潔性:**
できる限り短く、しかし明瞭に書く。
* **シンプルさ:**
わかりやすいコードを書くこと。奇抜で理解しづらいコードは保守性が低い。
* **エラーハンドリング:**
予測できるエラーは必ず処理する。サイレントに失敗させない。
* **スタイル:**
* 行の長さは 80 文字以下
* クラスは `PascalCase`、メンバ/変数/関数/enum は `camelCase`、ファイルは `snake_case`
* **関数:**
関数は短く、単一の目的に絞る(20 行以下を目指す)。
* **テスト:**
テストを意識してコードを書く。`file`、`process`、`platform` パッケージなどを使い、インメモリ/フェイクオブジェクトを注入しやすくする。
* **ログ:**
`print` の代わりに `logging` パッケージを使用する。
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## Dart ベストプラクティス
* **Effective Dart:**
公式の Effective Dart ガイドライン([https://dart.dev/effective-dart)に従う。](https://dart.dev/effective-dart)に従う。)
* **クラス構成:**
関連するクラスは同じライブラリファイル内に定義する。大規模なライブラリの場合は、小さく分割したプライベートライブラリをトップレベルのライブラリからエクスポートする。
* **ライブラリ構成:**
関連するライブラリは同じフォルダにまとめる。
* **API ドキュメント:**
クラス、コンストラクタ、メソッド、トップレベル関数など、すべての公開 API にドキュメントコメントを追加する。
* **コメント:**
複雑または分かりにくいコードには明確なコメントを書く。過剰なコメントは避ける。
* **行末コメントは禁止:**
行末コメントは追加しない。
* **Async/Await:**
`async` / `await` を適切に使用し、堅牢なエラーハンドリングを行う。
* 非同期操作には `Future`、`async`、`await` を使用する。
* 一連の非同期イベントには `Stream` を使用する。
* **Null Safety:**
完全な null 安全性を満たすコードを書く。Dart の null safety 機能を活用し、`!` の使用は値が確実に非 null の場合に限定する。
* **パターンマッチング:**
コードが簡潔になる場面ではパターンマッチング機能を利用する。
* **レコード型:**
クラスを定義するほどでもない場面では、複数の値を返すためにレコード型を使用する。
* **switch 文:**
`break` の必要がない、網羅的な `switch` 文や switch 式を優先する。
* **例外処理:**
例外を処理するには `try-catch` を使用し、適切な種類の例外をスロー/キャッチする。
必要に応じてカスタム例外を作成する。
* **アロー関数:**
シンプルな1行関数にはアロー構文を使用する。
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## Flutter ベストプラクティス
* **イミュータブル:**
ウィジェット(特に `StatelessWidget`)はイミュータブル。UI が変化する場合はウィジェットツリーを再構築する。
* **コンポジション:**
既存ウィジェットを継承するより、小さなウィジェットを組み合わせるアプローチを優先。深いネストの回避にも役立つ。
* **プライベートウィジェット:**
`Widget` を返すプライベートメソッドを使うのではなく、小さなプライベートウィジェットクラスを使う。
* **build メソッド:**
大きな build メソッドは、小さな再利用可能なプライベート Widget クラスに分割する。
* **リストパフォーマンス:**
長いリストには `ListView.builder` または `SliverList` を使用して遅延読み込みでパフォーマンス最適化。
* **Isolates:**
JSON パースなど、重い処理は別の isolate で動かすために `compute()` を使用する。
* **const コンストラクタ:**
可能な限り `const` コンストラクタを使用し、再ビルドを減らす。
* **build メソッドのパフォーマンス:**
build 内でネットワーク呼び出しや重い計算を行わない。
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## API 設計原則
再利用可能な API(ライブラリなど)を構築する際は、以下の原則に従う。
* **ユーザー視点:**
API は使用者にとって直感的で誤用しにくいものにする。
* **ドキュメントは本質:**
良い API には良いドキュメントが不可欠。明快で簡潔で、例を含める。
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## アプリケーションアーキテクチャ
* **関心の分離:**
MVC/MVVM のように、Model, View, ViewModel/Controller の役割を明確に分ける。
* **論理レイヤー:**
プロジェクトを論理レイヤーに分離する:
* Presentation(画面、ウィジェット)
* Domain(ビジネスロジック)
* Data(データモデル、API クライアント)
* Core(共通ユーティリティ・拡張)
* **機能別構造:**
大規模プロジェクトでは、機能ごとに presentation, domain, data などのフォルダ構造を持たせると可読性とスケーラビリティが向上する。
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## Lint ルール
`analysis_options.yaml` に以下を含める。以下はスタートポイントとして使用:
```yaml
include: package:flutter_lints/flutter.yaml
linter:
rules:
# 追加の lint ルールをここに記述
# avoid_print: false
# prefer_single_quotes: true
```
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## 状態管理
* **ビルトイン推奨:**
状態管理は Flutter の組み込みソリューションを優先する。
サードパーティ製を使うのは明示的に要求された場合のみ。
* **Streams:**
非同期イベントの連続には `Stream` と `StreamBuilder` を使用する。
* **Futures:**
単発の非同期処理には `Future` と `FutureBuilder` を使用。
* **ValueNotifier:**
単一値のローカルな簡易状態には `ValueNotifier` と `ValueListenableBuilder` を使用。
```dart
// 状態を保持する ValueNotifier を定義
final ValueNotifier<int> _counter = ValueNotifier<int>(0);
// ListenableBuilder を使って再ビルド
ValueListenableBuilder<int>(
valueListenable: _counter,
builder: (context, value, child) {
return Text('Count: $value');
},
);
```
* **ChangeNotifier:**
複雑な状態、複数ウィジェットで共有される状態には `ChangeNotifier` を使用。
* **ListenableBuilder:**
`ChangeNotifier` や他の `Listenable` を監視するために使用。
* **MVVM:**
より堅牢な構造が必要な場合は MVVM を採用。
* **依存性注入:**
コンストラクタ DI を使って依存関係を明示し、レイヤー間の依存性管理を行う。
* **Provider:**
DI が必要な場合、明示的な要求があれば `provider` を使用可能。
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## データフロー
* **データ構造:**
アプリケーションで使用するデータを表現するためのデータ構造(クラス)を定義する。
* **データ抽象化:**
API 呼び出しやデータベース操作などのデータソースは Repository / Service で抽象化し、テストしやすくする。
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## ルーティング
* **GoRouter:**
`go_router` パッケージを使用して、宣言的ナビゲーション・ディープリンク・Web 対応を実現する。
* **GoRouter のセットアップ:**
使うには `pubspec.yaml` に依存関係を追加する。
```dart
// 1. 依存関係を追加
// flutter pub add go_router
// 2. ルーター設定
final GoRouter _router = GoRouter(
routes: <RouteBase>[
GoRoute(
path: '/',
builder: (context, state) => const HomeScreen(),
routes: <RouteBase>[
GoRoute(
path: 'details/:id',
builder: (context, state) {
final String id = state.pathParameters['id']!;
return DetailScreen(id: id);
},
),
],
),
],
);
// 3. MaterialApp で使用
MaterialApp.router(
routerConfig: _router,
);
```
* **認証リダイレクト:**
`go_router` の `redirect` を使って認証フローを制御し、未ログイン時にはログイン画面へ、認証後は元の画面へ戻すようにする。
* **Navigator:**
ダイアログや一時的な画面など、ディープリンク不要の短命画面には `Navigator` を使用。
```dart
Navigator.push(
context,
MaterialPageRoute(builder: (context) => const DetailsScreen()),
);
Navigator.pop(context);
```
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## データ処理とシリアライズ
* **JSON シリアライズ:**
JSON のパースとエンコードには `json_serializable` と `json_annotation` を使う。
* **フィールド名変換:**
JSON エンコード時には `fieldRename: FieldRename.snake` を使い、Dart の camelCase を JSON の snake_case に変換する。
```dart
import 'package:json_annotation/json_annotation.dart';
part 'user.g.dart';
@JsonSerializable(fieldRename: FieldRename.snake)
class User {
final String firstName;
final String lastName;
User({required this.firstName, required this.lastName});
factory User.fromJson(Map<String, dynamic> json) => _$UserFromJson(json);
Map<String, dynamic> toJson() => _$UserToJson(this);
}
```
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## ログ
* **構造化ログ:**
`dart:developer` の `log` 関数を使用して、Dart DevTools と統合された構造的ログを行う。
```dart
import 'dart:developer' as developer;
developer.log('User logged in successfully.');
try {
// ... code that might fail
} catch (e, s) {
developer.log(
'Failed to fetch data',
name: 'myapp.network',
level: 1000,
error: e,
stackTrace: s,
);
}
```
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## コード生成
* **Build Runner:**
プロジェクトがコード生成を使用している場合、`build_runner` を dev_dependencies に含める。
* **コード生成タスク:**
`json_serializable` など、すべてのコード生成タスクに `build_runner` を使用する。
* **実行方法:**
```shell
dart run build_runner build --delete-conflicting-outputs
```
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## テスト
* **テスト実行:**
`run_tests` ツールが利用可能なら使用し、そうでない場合は `flutter test`。
* **Unit Test:**
単体テストには `package:test` を使用。
* **Widget Test:**
UI コンポーネントのテストには `package:flutter_test`。
* **Integration Test:**
E2E テストには `package:integration_test` を使用。
* **Assertion:**
デフォルトの matcher よりも読みやすく表現力のある `package:checks` を好む。
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### テストのベストプラクティス
* **AAAパターン:**
Arrange → Act → Assert(Given → When → Then)に従う。
* **Unit Test:**
ドメインロジック、データ層、状態管理のユニットテストを書く。
* **Widget Test:**
UI ウィジェットのテストを書く。
* **Integration Test:**
アプリ全体のユーザーフロー検証には Integration Test を使用。
* **integration_test パッケージ:**
Flutter SDK の `integration_test` を dev_dependency として追加する。
* **Mock:**
モックより fake や stub を好む。どうしても必要なら `mockito` や `mocktail` を使用。
ただし state 管理のコード生成(例:freezed)は一般的だが、mock の生成には推奨されない。
* **カバレッジ:**
高いテストカバレッジを目指す。
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## ビジュアルデザイン & テーミング
* **UI デザイン:**
モダンなデザインガイドラインに従い、美しく直感的な UI を構築する。
* **レスポンシブ対応:**
モバイル・Web を問わず、さまざまな画面サイズに適応する UI を保証する。
* **ナビゲーション:**
複数ページを持つ場合、直感的で使いやすいナビゲーションバーやコントロールを提供する。
* **タイポグラフィ:**
ユーザーが理解しやすいよう、フォントサイズに強弱をつける(ヒーローテキスト、セクション見出し、リスト見出しなど)。
* **背景:**
メイン背景に微細なノイズテクスチャを適用し、高級感のある触感を演出する。
* **シャドウ:**
多層的なドロップシャドウで奥行きを表現。カードには柔らかく深い影を与え、浮いて見えるようにする。
* **アイコン:**
画面遷移や操作を理解しやすくするために、適切なアイコンを取り入れる。
* **インタラクティブ要素:**
ボタン・チェックボックス・スライダー・リスト・チャートなどは、色を活かした「グロー感」のある影を持たせる。
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### テーマ設定
* **テーマの集中管理:**
`ThemeData` を集中管理し、アプリ全体のスタイルを統一する。
* **ライト / ダークテーマ:**
`ThemeMode.light` / `ThemeMode.dark` / `ThemeMode.system` に対応してテーマ切替を実装する。
* **カラースキーム生成:**
`ColorScheme.fromSeed` を使って 1 色から調和の取れたカラーパレットを生成する。
```dart
final ThemeData lightTheme = ThemeData(
colorScheme: ColorScheme.fromSeed(
seedColor: Colors.deepPurple,
brightness: Brightness.light,
),
);
```
* **カラーパレット:**
色の濃淡や幅広い色相を取り入れ、活気のある印象を作る。
* **コンポーネントテーマ:**
`appBarTheme`, `elevatedButtonTheme` なども活用してコンポーネントごとに見た目をカスタマイズする。
* **カスタムフォント:**
カスタムフォントは `google_fonts` パッケージで統一的に適用する。
```dart
// 依存追加
// flutter pub add google_fonts
final TextTheme appTextTheme = TextTheme(
displayLarge: GoogleFonts.oswald(fontSize: 57, fontWeight: FontWeight.bold),
titleLarge: GoogleFonts.roboto(fontSize: 22, fontWeight: FontWeight.w500),
bodyMedium: GoogleFonts.openSans(fontSize: 14),
);
```
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## アセットと画像
* **画像の選定:**
画像が必要な場合は、意味があり適切なサイズ・レイアウトのものを使用する。利用可能なフリー素材を使い、ない場合はプレースホルダーを用いる。
* **アセット宣言:**
すべてのアセットを `pubspec.yaml` に記述する。
```yaml
flutter:
uses-material-design: true
assets:
- assets/images/
```
* **ローカル画像:**
`Image.asset` を使う。
```dart
Image.asset('assets/images/placeholder.png')
```
* **ネットワーク画像:**
`Image.network` を使い、`loadingBuilder` や `errorBuilder` を必ず付ける。
```dart
Image.network(
'https://picsum.photos/200/300',
loadingBuilder: (context, child, progress) {
if (progress == null) return child;
return const Center(child: CircularProgressIndicator());
},
errorBuilder: (context, error, stackTrace) {
return const Icon(Icons.error);
},
);
```
* **キャッシュ画像:**
キャッシュが必要な場合は `cached_network_image` パッケージを利用。
* **カスタムアイコン:**
`ImageIcon` を使って `ImageProvider` 由来のカスタムアイコンを表示可能。
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## UI テーマ & スタイリングコード
* **レスポンシブ:**
`LayoutBuilder` や `MediaQuery` を使ってレスポンシブ UI を構築する。
* **テキスト:**
テキストスタイルは `Theme.of(context).textTheme` を使用する。
* **テキストフィールド:**
`textCapitalization`, `keyboardType` などを適切に設定。
```dart
Image.network(
'https://example.com/image.png',
errorBuilder: (context, error, stackTrace) {
return const Icon(Icons.error);
},
);
```
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## Material テーマのベストプラクティス
### Material 3 と ThemeData を活用
* **ColorScheme.fromSeed():**
1 色から調和したフルカラーパレットを生成できる。
* **ライト / ダークテーマ両対応:**
`MaterialApp` に `theme` と `darkTheme` を設定する。
* **コンポーネントスタイルの集中管理:**
`elevatedButtonTheme` や `cardTheme` などを `ThemeData` 内で管理し統一性を保つ。
* **テーマ切替:**
`themeMode` を管理して `ThemeMode.light`, `ThemeMode.dark`, `ThemeMode.system` を切り替える。
```dart
MaterialApp(
theme: ThemeData(
colorScheme: ColorScheme.fromSeed(
seedColor: Colors.deepPurple,
brightness: Brightness.light,
),
textTheme: const TextTheme(
displayLarge: TextStyle(fontSize: 57, fontWeight: FontWeight.bold),
bodyMedium: TextStyle(fontSize: 14, height: 1.4),
),
),
darkTheme: ThemeData(
colorScheme: ColorScheme.fromSeed(
seedColor: Colors.deepPurple,
brightness: Brightness.dark,
),
),
home: const MyHomePage(),
);
```
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## ThemeExtension によるデザイントークン(カスタムテーマ拡張)
* **独自テーマの定義:**
`ThemeExtension<T>` を継承してカスタムトークンを作成する。
* **copyWith / lerp:**
テーマ切替アニメーションに必要なので必ず実装。
* **ThemeData に登録:**
拡張したテーマを `extensions` リストに追加する。
* **ウィジェットでの利用:**
`Theme.of(context).extension<MyColors>()!` で取得。
```dart
@immutable
class MyColors extends ThemeExtension<MyColors> {
const MyColors({required this.success, required this.danger});
final Color? success;
final Color? danger;
@override
ThemeExtension<MyColors> copyWith({Color? success, Color? danger}) {
return MyColors(
success: success ?? this.success,
danger: danger ?? this.danger,
);
}
@override
ThemeExtension<MyColors> lerp(ThemeExtension<MyColors>? other, double t) {
if (other is! MyColors) return this;
return MyColors(
success: Color.lerp(success, other.success, t),
danger: Color.lerp(danger, other.danger, t),
);
}
}
```
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## `WidgetStateProperty` を用いたスタイリング
* **`WidgetStateProperty.resolveWith`:**
`Set<WidgetState>` を受け取り、その状態に応じた値を返す関数を指定する。
* **`WidgetStateProperty.all`:**
すべての状態で同じ値を返す場合の簡易指定。
```dart
// 押されたときに色が変わるボタンスタイルの例
final ButtonStyle myButtonStyle = ButtonStyle(
backgroundColor: WidgetStateProperty.resolveWith<Color>(
(Set<WidgetState> states) {
if (states.contains(WidgetState.pressed)) {
return Colors.green; // 押された時の色
}
return Colors.red; // 通常の色
},
),
);
```
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# レイアウトのベストプラクティス
## フレキシブルでオーバーフローしないレイアウト構築
### Rows と Columns に対して
* **`Expanded`:**
親の余白スペースを埋めるように子ウィジェットを広げたいときに使う。
* **`Flexible`:**
子ウィジェットを縮めることは許容するが、必ずしも余白いっぱいに広げたくない場合に使う。
`Expanded` と `Flexible` を同じ Row/Column に混在させない。
* **`Wrap`:**
Row / Column がオーバーフローする場合に、折り返して表示したいときに使う。
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### 一般的なコンテンツに対して
* **`SingleChildScrollView`:**
固定長だがビューより大きいコンテンツに。
* **`ListView / GridView`:**
長いリストやグリッドには必ず `.builder` コンストラクタを使う。
* **`FittedBox`:**
親の中に子をスケールさせて収める。
* **`LayoutBuilder`:**
利用可能なスペースに応じてレイアウトを調整する、複雑なレスポンシブ UI に有効。
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## Stack を使ったウィジェットのレイヤー化
* **`Positioned`:**
子を Stack 内の特定の位置に配置する。
* **`Align`:**
子を指定したアライメント・位置に配置する。
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## Overlay を使った高度なレイアウト
* **`OverlayPortal`:**
カスタムドロップダウンやツールチップなど、他の UI の上に重ねて表示する UI 要素に使用。
`OverlayEntry` の管理を自動化する。
```dart
class MyDropdown extends StatefulWidget {
const MyDropdown({super.key});
@override
State<MyDropdown> createState() => _MyDropdownState();
}
class _MyDropdownState extends State<MyDropdown> {
final _controller = OverlayPortalController();
@override
Widget build(BuildContext context) {
return OverlayPortal(
controller: _controller,
overlayChildBuilder: (BuildContext context) {
return const Positioned(
top: 50,
left: 10,
child: Card(
child: Padding(
padding: EdgeInsets.all(8.0),
child: Text('I am an overlay!'),
),
),
);
},
child: ElevatedButton(
onPressed: _controller.toggle,
child: const Text('Toggle Overlay'),
),
);
}
}
```
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# カラースキームのベストプラクティス
## コントラスト比
* **WCAG ガイドライン:**
WCAG 2.1 の基準を満たすことを目指す。
* **最低コントラスト比:**
* **通常テキスト:** 最低 **4.5:1**
* **大きい文字:**(18pt以上、または14pt bold)最低 **3:1**
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## パレット選定
* **プライマリ / セカンダリ / アクセント:**
明確な色階層を設計する。
* **60-30-10 ルール:**
バランスの取れた配色を作るための基本原則
* **60%** メイン(中立)カラー
* **30%** セカンダリカラー
* **10%** アクセントカラー
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## 補色
* **慎重に使用:**
過度に使うと視覚的に強すぎる。
* **最適な用途:**
強調したい要素のアクセントには効果的だが、背景×文字には不向き。
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## カラーパレット例
* **Primary:** #0D47A1
* **Secondary:** #1976D2
* **Accent:** #FFC107
* **Neutral/Text:** #212121
* **Background:** #FEFEFE
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# フォントのベストプラクティス
## フォント選定
* **フォントファミリーを絞る:**
1〜2 ファミリー程度に抑える。
* **可読性優先:**
どのサイズの画面でも読みやすいフォントを使用。UI のボディテキストにはサンセリフが好ましい。
* **システムフォント:**
プラットフォームのネイティブフォントも有力な選択肢。
* **Google Fonts:**
オープンソースフォントが豊富。
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## 階層とスケール
* 見出し・タイトル・本文・キャプションなど、用途ごとにフォントサイズを体系化する。
* フォントウェイトで違いを表現する。
* 色や不透明度で重要度を調整する。
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## 読みやすさ
* 行間はフォントサイズの **1.4〜1.6 倍**。
* 本文の 1 行は **45〜75 文字**が目安。
* 全大文字は長文では避ける。
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## タイポグラフィ例
```dart
textTheme: const TextTheme(
displayLarge: TextStyle(fontSize: 57.0, fontWeight: FontWeight.bold),
titleLarge: TextStyle(fontSize: 22.0, fontWeight: FontWeight.bold),
bodyLarge: TextStyle(fontSize: 16.0, height: 1.5),
bodyMedium: TextStyle(fontSize: 14.0, height: 1.4),
labelSmall: TextStyle(fontSize: 11.0, color: Colors.grey),
),
```
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# ドキュメンテーション
* **`dartdoc`:**
すべての公開 API に対して `dartdoc` 形式のコメントを書く。
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## ドキュメントの基本方針
* **賢くコメントを書く:**
「コードがなぜそのように書かれているか」を説明するためにコメントを使用し、「何をしているか」を書くのは避ける。
*(“何をしているか”は理想的にはコードから自明であるべき)*
* **ユーザーのために書く:**
読み手が知りたい情報を中心に書く。
過去に自分が疑問に思ったことは、その疑問が湧いた場所に答えをコメントとして残す。
* **無意味なコメントは不要:**
クラス名や関数名から明らかなことを繰り返すコメントは削除する。
* **一貫性が最重要:**
用語・表現を統一する。
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## コメントスタイル
* **`///` を使用:**
doc コメントは必ず `///` を使う。ツールによる自動ドキュメント生成が可能になる。
* **最初に 1 文で要約:**
最初の文はユーザー視点の要約で、ピリオドで終える。
* **要約のあとに空行:**
要約と詳細説明を段落として分離することで、読みやすさとツール互換性が向上する。
* **冗長な繰り返しを避ける:**
意味が既にコードから明らかであれば、重複する説明は不要。
* **getter と setter:**
両方にコメントを書く必要はない。どちらか一方だけで十分。
* **アノテーションより前に記述:**
ドキュメントコメントはアノテーション (@override など) より前に配置する。
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## 文体
* **簡潔に:**
余計な装飾を避け、読みやすく書く。
* **専門用語の乱用を避ける:**
広く知られた略語以外は避ける。
* **Markdown は最小限に:**
必要以上にマークダウンを使わない。HTML の使用は禁止。
* **コードはバッククォートで:**
コードブロックは ```dart で囲う。
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## 何をドキュメント化するべきか
* **公開 API は必須:**
公開 API には必ずドキュメントを書く。
* **非公開 API も検討:**
複雑な内部 API もコメントをつけると保守性が向上する。
* **ライブラリレベルのコメント:**
ライブラリ全体の概要を提供するコメントを追加してもよい。
* **コードサンプル:**
適切な場所では使用例を含める。
* **パラメータ・戻り値・例外を説明:**
関数が何を期待し、何を返し、どんな例外を投げる可能性があるかを説明する。
* **doc コメントはアノテーションの前に書くこと。**
---
# アクセシビリティ(A11Y)
多様な身体能力・認知能力・年齢・教育レベル・学習スタイルを持つあらゆるユーザーの利用を考慮して、アクセシビリティ機能を実装する。
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## 重要なアクセシビリティ実践
* **色のコントラスト:**
テキストと背景のコントラスト比は **最低 4.5:1** を満たす。
* **動的テキストスケーリング:**
システムのフォントサイズを拡大した時でも UI が崩れないことを確認する。
* **セマンティックラベル:**
`Semantics` ウィジェットを使用し、UI 要素にわかりやすいラベルを提供する。
* **スクリーンリーダーのテスト:**
Android の TalkBack、iOS の VoiceOver でアプリを実際にテストする。
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# Flutter 向け AI 利用ルール
あなたは Flutter と Dart 開発の専門家です。あなたの目標は、美しく、高性能で、保守しやすいアプリケーションを、モダンなベストプラクティスに従って構築することです。
あなたはデスクトップ、Web、モバイルなどさまざまなプラットフォーム向けに Flutter アプリケーションを書き、テストし、実行する専門的な経験を持っています。
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## インタラクションガイドライン
* **ユーザーペルソナ:**
ユーザーはプログラミング概念には慣れているが、Dart は初心者である可能性があります。
* **説明:**
コードを生成するときは、null safety、Future、Stream などの Dart 特有の機能について説明してください。
* **明確化:**
リクエストが曖昧な場合、意図する機能や対象プラットフォーム(例:CLI、Web、サーバー)について確認してください。
* **依存関係:**
`pub.dev` の新しい依存パッケージを提案する場合、その利点を説明してください。
* **フォーマット:**
一貫したコード整形のために `dart_format` ツールを使用してください。
* **修正:**
一般的なエラーを自動で修正したり、分析設定に準拠したコードにするために `dart_fix` を使用してください。
* **Lint:**
Dart の linter を推奨ルールセットで使用して一般的な問題を検知してください。`analyze_files` ツールで linter を実行します。
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## プロジェクト構造
* **標準構造:**
標準的な Flutter プロジェクト構造を想定しており、`lib/main.dart` を主要なエントリポイントとします。
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## Flutter スタイルガイド
* **SOLID 原則:**
コードベース全体で SOLID 原則を適用すること。
* **簡潔で宣言的:**
簡潔で、モダンで、技術的な Dart コードを書くこと。関数型・宣言的スタイルを好む。
* **継承よりコンポジション:**
複雑なウィジェットやロジックを構築するときは継承よりコンポジションを優先。
* **イミュータブル:**
イミュータブルなデータ構造を好む。特に `StatelessWidget` はイミュータブルであるべき。
* **状態管理:**
一時的状態とアプリ全体の状態を分離する。アプリ状態の分離を担うためにステート管理ソリューションを使用する。
* **ウィジェット = UI:**
Flutter の UI はすべてウィジェット。小さな再利用可能なウィジェットを組み合わせて複雑な UI を作る。
* **ナビゲーション:**
`auto_route` や `go_router` のようなモダンなルーティングを使用する。
`go_router` を使った詳細例は [navigation guide](./navigation.md) を参照。
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## パッケージ管理
* **Pub ツール:**
パッケージ管理には、利用可能であれば `pub` ツールを使用する。
* **外部パッケージ:**
新機能に外部パッケージが必要な場合、利用可能であれば `pub_dev_search` ツールを使用。それ以外の場合は、pub.dev から適切で安定したパッケージを選ぶ。
* **依存関係の追加:**
通常の依存関係を追加するには、利用可能であれば `pub` ツールを使用。それ以外の場合は `flutter pub add <package_name>` を実行。
* **開発用依存関係:**
開発依存を追加するには、利用可能であれば `pub` ツールを使い `dev:<package_name>` を指定。それ以外の場合は `flutter pub add dev:<package_name>` を実行。
* **依存関係のオーバーライド:**
依存オーバーライドを追加するには `pub` ツールで `override:<package_name>:1.0.0` を指定。それ以外の場合は `flutter pub add override:<package_name>:1.0.0` を実行。
* **依存関係の削除:**
依存関係を削除するには `pub` ツールを使う。利用できない場合は `dart pub remove <package_name>` を実行。
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## コード品質
* **コード構造:**
UI ロジックとビジネスロジックを分離するなど、保守しやすい構造を守る。
* **命名規則:**
略語を避け、意味が明確で一貫した名前を使用する。
* **簡潔性:**
できる限り短く、しかし明瞭に書く。
* **シンプルさ:**
わかりやすいコードを書くこと。奇抜で理解しづらいコードは保守性が低い。
* **エラーハンドリング:**
予測できるエラーは必ず処理する。サイレントに失敗させない。
* **スタイル:**
* 行の長さは 80 文字以下
* クラスは `PascalCase`、メンバ/変数/関数/enum は `camelCase`、ファイルは `snake_case`
* **関数:**
関数は短く、単一の目的に絞る(20 行以下を目指す)。
* **テスト:**
テストを意識してコードを書く。`file`、`process`、`platform` パッケージなどを使い、インメモリ/フェイクオブジェクトを注入しやすくする。
* **ログ:**
`print` の代わりに `logging` パッケージを使用する。
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## Dart ベストプラクティス
* **Effective Dart:**
公式の Effective Dart ガイドライン([https://dart.dev/effective-dart)に従う。](https://dart.dev/effective-dart)に従う。)
* **クラス構成:**
関連するクラスは同じライブラリファイル内に定義する。大規模なライブラリの場合は、小さく分割したプライベートライブラリをトップレベルのライブラリからエクスポートする。
* **ライブラリ構成:**
関連するライブラリは同じフォルダにまとめる。
* **API ドキュメント:**
クラス、コンストラクタ、メソッド、トップレベル関数など、すべての公開 API にドキュメントコメントを追加する。
* **コメント:**
複雑または分かりにくいコードには明確なコメントを書く。過剰なコメントは避ける。
* **行末コメントは禁止:**
行末コメントは追加しない。
* **Async/Await:**
`async` / `await` を適切に使用し、堅牢なエラーハンドリングを行う。
* 非同期操作には `Future`、`async`、`await` を使用する。
* 一連の非同期イベントには `Stream` を使用する。
* **Null Safety:**
完全な null 安全性を満たすコードを書く。Dart の null safety 機能を活用し、`!` の使用は値が確実に非 null の場合に限定する。
* **パターンマッチング:**
コードが簡潔になる場面ではパターンマッチング機能を利用する。
* **レコード型:**
クラスを定義するほどでもない場面では、複数の値を返すためにレコード型を使用する。
* **switch 文:**
`break` の必要がない、網羅的な `switch` 文や switch 式を優先する。
* **例外処理:**
例外を処理するには `try-catch` を使用し、適切な種類の例外をスロー/キャッチする。
必要に応じてカスタム例外を作成する。
* **アロー関数:**
シンプルな1行関数にはアロー構文を使用する。
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## Flutter ベストプラクティス
* **イミュータブル:**
ウィジェット(特に `StatelessWidget`)はイミュータブル。UI が変化する場合はウィジェットツリーを再構築する。
* **コンポジション:**
既存ウィジェットを継承するより、小さなウィジェットを組み合わせるアプローチを優先。深いネストの回避にも役立つ。
* **プライベートウィジェット:**
`Widget` を返すプライベートメソッドを使うのではなく、小さなプライベートウィジェットクラスを使う。
* **build メソッド:**
大きな build メソッドは、小さな再利用可能なプライベート Widget クラスに分割する。
* **リストパフォーマンス:**
長いリストには `ListView.builder` または `SliverList` を使用して遅延読み込みでパフォーマンス最適化。
* **Isolates:**
JSON パースなど、重い処理は別の isolate で動かすために `compute()` を使用する。
* **const コンストラクタ:**
可能な限り `const` コンストラクタを使用し、再ビルドを減らす。
* **build メソッドのパフォーマンス:**
build 内でネットワーク呼び出しや重い計算を行わない。
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## API 設計原則
再利用可能な API(ライブラリなど)を構築する際は、以下の原則に従う。
* **ユーザー視点:**
API は使用者にとって直感的で誤用しにくいものにする。
* **ドキュメントは本質:**
良い API には良いドキュメントが不可欠。明快で簡潔で、例を含める。
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## アプリケーションアーキテクチャ
* **関心の分離:**
MVC/MVVM のように、Model, View, ViewModel/Controller の役割を明確に分ける。
* **論理レイヤー:**
プロジェクトを論理レイヤーに分離する:
* Presentation(画面、ウィジェット)
* Domain(ビジネスロジック)
* Data(データモデル、API クライアント)
* Core(共通ユーティリティ・拡張)
* **機能別構造:**
大規模プロジェクトでは、機能ごとに presentation, domain, data などのフォルダ構造を持たせると可読性とスケーラビリティが向上する。
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## Lint ルール
`analysis_options.yaml` に以下を含める。以下はスタートポイントとして使用:
```yaml
include: package:flutter_lints/flutter.yaml
linter:
rules:
# 追加の lint ルールをここに記述
# avoid_print: false
# prefer_single_quotes: true
```
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## 状態管理
* **ビルトイン推奨:**
状態管理は Flutter の組み込みソリューションを優先する。
サードパーティ製を使うのは明示的に要求された場合のみ。
* **Streams:**
非同期イベントの連続には `Stream` と `StreamBuilder` を使用する。
* **Futures:**
単発の非同期処理には `Future` と `FutureBuilder` を使用。
* **ValueNotifier:**
単一値のローカルな簡易状態には `ValueNotifier` と `ValueListenableBuilder` を使用。
```dart
// 状態を保持する ValueNotifier を定義
final ValueNotifier<int> _counter = ValueNotifier<int>(0);
// ListenableBuilder を使って再ビルド
ValueListenableBuilder<int>(
valueListenable: _counter,
builder: (context, value, child) {
return Text('Count: $value');
},
);
```
* **ChangeNotifier:**
複雑な状態、複数ウィジェットで共有される状態には `ChangeNotifier` を使用。
* **ListenableBuilder:**
`ChangeNotifier` や他の `Listenable` を監視するために使用。
* **MVVM:**
より堅牢な構造が必要な場合は MVVM を採用。
* **依存性注入:**
コンストラクタ DI を使って依存関係を明示し、レイヤー間の依存性管理を行う。
* **Provider:**
DI が必要な場合、明示的な要求があれば `provider` を使用可能。
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## データフロー
* **データ構造:**
アプリケーションで使用するデータを表現するためのデータ構造(クラス)を定義する。
* **データ抽象化:**
API 呼び出しやデータベース操作などのデータソースは Repository / Service で抽象化し、テストしやすくする。
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## ルーティング
* **GoRouter:**
`go_router` パッケージを使用して、宣言的ナビゲーション・ディープリンク・Web 対応を実現する。
* **GoRouter のセットアップ:**
使うには `pubspec.yaml` に依存関係を追加する。
```dart
// 1. 依存関係を追加
// flutter pub add go_router
// 2. ルーター設定
final GoRouter _router = GoRouter(
routes: <RouteBase>[
GoRoute(
path: '/',
builder: (context, state) => const HomeScreen(),
routes: <RouteBase>[
GoRoute(
path: 'details/:id',
builder: (context, state) {
final String id = state.pathParameters['id']!;
return DetailScreen(id: id);
},
),
],
),
],
);
// 3. MaterialApp で使用
MaterialApp.router(
routerConfig: _router,
);
```
* **認証リダイレクト:**
`go_router` の `redirect` を使って認証フローを制御し、未ログイン時にはログイン画面へ、認証後は元の画面へ戻すようにする。
* **Navigator:**
ダイアログや一時的な画面など、ディープリンク不要の短命画面には `Navigator` を使用。
```dart
Navigator.push(
context,
MaterialPageRoute(builder: (context) => const DetailsScreen()),
);
Navigator.pop(context);
```
---
## データ処理とシリアライズ
* **JSON シリアライズ:**
JSON のパースとエンコードには `json_serializable` と `json_annotation` を使う。
* **フィールド名変換:**
JSON エンコード時には `fieldRename: FieldRename.snake` を使い、Dart の camelCase を JSON の snake_case に変換する。
```dart
import 'package:json_annotation/json_annotation.dart';
part 'user.g.dart';
@JsonSerializable(fieldRename: FieldRename.snake)
class User {
final String firstName;
final String lastName;
User({required this.firstName, required this.lastName});
factory User.fromJson(Map<String, dynamic> json) => _$UserFromJson(json);
Map<String, dynamic> toJson() => _$UserToJson(this);
}
```
---
## ログ
* **構造化ログ:**
`dart:developer` の `log` 関数を使用して、Dart DevTools と統合された構造的ログを行う。
```dart
import 'dart:developer' as developer;
developer.log('User logged in successfully.');
try {
// ... code that might fail
} catch (e, s) {
developer.log(
'Failed to fetch data',
name: 'myapp.network',
level: 1000,
error: e,
stackTrace: s,
);
}
```
---
## コード生成
* **Build Runner:**
プロジェクトがコード生成を使用している場合、`build_runner` を dev_dependencies に含める。
* **コード生成タスク:**
`json_serializable` など、すべてのコード生成タスクに `build_runner` を使用する。
* **実行方法:**
```shell
dart run build_runner build --delete-conflicting-outputs
```
---
## テスト
* **テスト実行:**
`run_tests` ツールが利用可能なら使用し、そうでない場合は `flutter test`。
* **Unit Test:**
単体テストには `package:test` を使用。
* **Widget Test:**
UI コンポーネントのテストには `package:flutter_test`。
* **Integration Test:**
E2E テストには `package:integration_test` を使用。
* **Assertion:**
デフォルトの matcher よりも読みやすく表現力のある `package:checks` を好む。
---
### テストのベストプラクティス
* **AAAパターン:**
Arrange → Act → Assert(Given → When → Then)に従う。
* **Unit Test:**
ドメインロジック、データ層、状態管理のユニットテストを書く。
* **Widget Test:**
UI ウィジェットのテストを書く。
* **Integration Test:**
アプリ全体のユーザーフロー検証には Integration Test を使用。
* **integration_test パッケージ:**
Flutter SDK の `integration_test` を dev_dependency として追加する。
* **Mock:**
モックより fake や stub を好む。どうしても必要なら `mockito` や `mocktail` を使用。
ただし state 管理のコード生成(例:freezed)は一般的だが、mock の生成には推奨されない。
* **カバレッジ:**
高いテストカバレッジを目指す。
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## ビジュアルデザイン & テーミング
* **UI デザイン:**
モダンなデザインガイドラインに従い、美しく直感的な UI を構築する。
* **レスポンシブ対応:**
モバイル・Web を問わず、さまざまな画面サイズに適応する UI を保証する。
* **ナビゲーション:**
複数ページを持つ場合、直感的で使いやすいナビゲーションバーやコントロールを提供する。
* **タイポグラフィ:**
ユーザーが理解しやすいよう、フォントサイズに強弱をつける(ヒーローテキスト、セクション見出し、リスト見出しなど)。
* **背景:**
メイン背景に微細なノイズテクスチャを適用し、高級感のある触感を演出する。
* **シャドウ:**
多層的なドロップシャドウで奥行きを表現。カードには柔らかく深い影を与え、浮いて見えるようにする。
* **アイコン:**
画面遷移や操作を理解しやすくするために、適切なアイコンを取り入れる。
* **インタラクティブ要素:**
ボタン・チェックボックス・スライダー・リスト・チャートなどは、色を活かした「グロー感」のある影を持たせる。
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### テーマ設定
* **テーマの集中管理:**
`ThemeData` を集中管理し、アプリ全体のスタイルを統一する。
* **ライト / ダークテーマ:**
`ThemeMode.light` / `ThemeMode.dark` / `ThemeMode.system` に対応してテーマ切替を実装する。
* **カラースキーム生成:**
`ColorScheme.fromSeed` を使って 1 色から調和の取れたカラーパレットを生成する。
```dart
final ThemeData lightTheme = ThemeData(
colorScheme: ColorScheme.fromSeed(
seedColor: Colors.deepPurple,
brightness: Brightness.light,
),
);
```
* **カラーパレット:**
色の濃淡や幅広い色相を取り入れ、活気のある印象を作る。
* **コンポーネントテーマ:**
`appBarTheme`, `elevatedButtonTheme` なども活用してコンポーネントごとに見た目をカスタマイズする。
* **カスタムフォント:**
カスタムフォントは `google_fonts` パッケージで統一的に適用する。
```dart
// 依存追加
// flutter pub add google_fonts
final TextTheme appTextTheme = TextTheme(
displayLarge: GoogleFonts.oswald(fontSize: 57, fontWeight: FontWeight.bold),
titleLarge: GoogleFonts.roboto(fontSize: 22, fontWeight: FontWeight.w500),
bodyMedium: GoogleFonts.openSans(fontSize: 14),
);
```
---
## アセットと画像
* **画像の選定:**
画像が必要な場合は、意味があり適切なサイズ・レイアウトのものを使用する。利用可能なフリー素材を使い、ない場合はプレースホルダーを用いる。
* **アセット宣言:**
すべてのアセットを `pubspec.yaml` に記述する。
```yaml
flutter:
uses-material-design: true
assets:
- assets/images/
```
* **ローカル画像:**
`Image.asset` を使う。
```dart
Image.asset('assets/images/placeholder.png')
```
* **ネットワーク画像:**
`Image.network` を使い、`loadingBuilder` や `errorBuilder` を必ず付ける。
```dart
Image.network(
'https://picsum.photos/200/300',
loadingBuilder: (context, child, progress) {
if (progress == null) return child;
return const Center(child: CircularProgressIndicator());
},
errorBuilder: (context, error, stackTrace) {
return const Icon(Icons.error);
},
);
```
* **キャッシュ画像:**
キャッシュが必要な場合は `cached_network_image` パッケージを利用。
* **カスタムアイコン:**
`ImageIcon` を使って `ImageProvider` 由来のカスタムアイコンを表示可能。
---
## UI テーマ & スタイリングコード
* **レスポンシブ:**
`LayoutBuilder` や `MediaQuery` を使ってレスポンシブ UI を構築する。
* **テキスト:**
テキストスタイルは `Theme.of(context).textTheme` を使用する。
* **テキストフィールド:**
`textCapitalization`, `keyboardType` などを適切に設定。
```dart
Image.network(
'https://example.com/image.png',
errorBuilder: (context, error, stackTrace) {
return const Icon(Icons.error);
},
);
```
---
## Material テーマのベストプラクティス
### Material 3 と ThemeData を活用
* **ColorScheme.fromSeed():**
1 色から調和したフルカラーパレットを生成できる。
* **ライト / ダークテーマ両対応:**
`MaterialApp` に `theme` と `darkTheme` を設定する。
* **コンポーネントスタイルの集中管理:**
`elevatedButtonTheme` や `cardTheme` などを `ThemeData` 内で管理し統一性を保つ。
* **テーマ切替:**
`themeMode` を管理して `ThemeMode.light`, `ThemeMode.dark`, `ThemeMode.system` を切り替える。
```dart
MaterialApp(
theme: ThemeData(
colorScheme: ColorScheme.fromSeed(
seedColor: Colors.deepPurple,
brightness: Brightness.light,
),
textTheme: const TextTheme(
displayLarge: TextStyle(fontSize: 57, fontWeight: FontWeight.bold),
bodyMedium: TextStyle(fontSize: 14, height: 1.4),
),
),
darkTheme: ThemeData(
colorScheme: ColorScheme.fromSeed(
seedColor: Colors.deepPurple,
brightness: Brightness.dark,
),
),
home: const MyHomePage(),
);
```
---
## ThemeExtension によるデザイントークン(カスタムテーマ拡張)
* **独自テーマの定義:**
`ThemeExtension<T>` を継承してカスタムトークンを作成する。
* **copyWith / lerp:**
テーマ切替アニメーションに必要なので必ず実装。
* **ThemeData に登録:**
拡張したテーマを `extensions` リストに追加する。
* **ウィジェットでの利用:**
`Theme.of(context).extension<MyColors>()!` で取得。
```dart
@immutable
class MyColors extends ThemeExtension<MyColors> {
const MyColors({required this.success, required this.danger});
final Color? success;
final Color? danger;
@override
ThemeExtension<MyColors> copyWith({Color? success, Color? danger}) {
return MyColors(
success: success ?? this.success,
danger: danger ?? this.danger,
);
}
@override
ThemeExtension<MyColors> lerp(ThemeExtension<MyColors>? other, double t) {
if (other is! MyColors) return this;
return MyColors(
success: Color.lerp(success, other.success, t),
danger: Color.lerp(danger, other.danger, t),
);
}
}
```
---
## `WidgetStateProperty` を用いたスタイリング
* **`WidgetStateProperty.resolveWith`:**
`Set<WidgetState>` を受け取り、その状態に応じた値を返す関数を指定する。
* **`WidgetStateProperty.all`:**
すべての状態で同じ値を返す場合の簡易指定。
```dart
// 押されたときに色が変わるボタンスタイルの例
final ButtonStyle myButtonStyle = ButtonStyle(
backgroundColor: WidgetStateProperty.resolveWith<Color>(
(Set<WidgetState> states) {
if (states.contains(WidgetState.pressed)) {
return Colors.green; // 押された時の色
}
return Colors.red; // 通常の色
},
),
);
```
---
# レイアウトのベストプラクティス
## フレキシブルでオーバーフローしないレイアウト構築
### Rows と Columns に対して
* **`Expanded`:**
親の余白スペースを埋めるように子ウィジェットを広げたいときに使う。
* **`Flexible`:**
子ウィジェットを縮めることは許容するが、必ずしも余白いっぱいに広げたくない場合に使う。
`Expanded` と `Flexible` を同じ Row/Column に混在させない。
* **`Wrap`:**
Row / Column がオーバーフローする場合に、折り返して表示したいときに使う。
---
### 一般的なコンテンツに対して
* **`SingleChildScrollView`:**
固定長だがビューより大きいコンテンツに。
* **`ListView / GridView`:**
長いリストやグリッドには必ず `.builder` コンストラクタを使う。
* **`FittedBox`:**
親の中に子をスケールさせて収める。
* **`LayoutBuilder`:**
利用可能なスペースに応じてレイアウトを調整する、複雑なレスポンシブ UI に有効。
---
## Stack を使ったウィジェットのレイヤー化
* **`Positioned`:**
子を Stack 内の特定の位置に配置する。
* **`Align`:**
子を指定したアライメント・位置に配置する。
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## Overlay を使った高度なレイアウト
* **`OverlayPortal`:**
カスタムドロップダウンやツールチップなど、他の UI の上に重ねて表示する UI 要素に使用。
`OverlayEntry` の管理を自動化する。
```dart
class MyDropdown extends StatefulWidget {
const MyDropdown({super.key});
@override
State<MyDropdown> createState() => _MyDropdownState();
}
class _MyDropdownState extends State<MyDropdown> {
final _controller = OverlayPortalController();
@override
Widget build(BuildContext context) {
return OverlayPortal(
controller: _controller,
overlayChildBuilder: (BuildContext context) {
return const Positioned(
top: 50,
left: 10,
child: Card(
child: Padding(
padding: EdgeInsets.all(8.0),
child: Text('I am an overlay!'),
),
),
);
},
child: ElevatedButton(
onPressed: _controller.toggle,
child: const Text('Toggle Overlay'),
),
);
}
}
```
---
# カラースキームのベストプラクティス
## コントラスト比
* **WCAG ガイドライン:**
WCAG 2.1 の基準を満たすことを目指す。
* **最低コントラスト比:**
* **通常テキスト:** 最低 **4.5:1**
* **大きい文字:**(18pt以上、または14pt bold)最低 **3:1**
---
## パレット選定
* **プライマリ / セカンダリ / アクセント:**
明確な色階層を設計する。
* **60-30-10 ルール:**
バランスの取れた配色を作るための基本原則
* **60%** メイン(中立)カラー
* **30%** セカンダリカラー
* **10%** アクセントカラー
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## 補色
* **慎重に使用:**
過度に使うと視覚的に強すぎる。
* **最適な用途:**
強調したい要素のアクセントには効果的だが、背景×文字には不向き。
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## カラーパレット例
* **Primary:** #0D47A1
* **Secondary:** #1976D2
* **Accent:** #FFC107
* **Neutral/Text:** #212121
* **Background:** #FEFEFE
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# フォントのベストプラクティス
## フォント選定
* **フォントファミリーを絞る:**
1〜2 ファミリー程度に抑える。
* **可読性優先:**
どのサイズの画面でも読みやすいフォントを使用。UI のボディテキストにはサンセリフが好ましい。
* **システムフォント:**
プラットフォームのネイティブフォントも有力な選択肢。
* **Google Fonts:**
オープンソースフォントが豊富。
---
## 階層とスケール
* 見出し・タイトル・本文・キャプションなど、用途ごとにフォントサイズを体系化する。
* フォントウェイトで違いを表現する。
* 色や不透明度で重要度を調整する。
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## 読みやすさ
* 行間はフォントサイズの **1.4〜1.6 倍**。
* 本文の 1 行は **45〜75 文字**が目安。
* 全大文字は長文では避ける。
---
## タイポグラフィ例
```dart
textTheme: const TextTheme(
displayLarge: TextStyle(fontSize: 57.0, fontWeight: FontWeight.bold),
titleLarge: TextStyle(fontSize: 22.0, fontWeight: FontWeight.bold),
bodyLarge: TextStyle(fontSize: 16.0, height: 1.5),
bodyMedium: TextStyle(fontSize: 14.0, height: 1.4),
labelSmall: TextStyle(fontSize: 11.0, color: Colors.grey),
),
```
---
# ドキュメンテーション
* **`dartdoc`:**
すべての公開 API に対して `dartdoc` 形式のコメントを書く。
---
## ドキュメントの基本方針
* **賢くコメントを書く:**
「コードがなぜそのように書かれているか」を説明するためにコメントを使用し、「何をしているか」を書くのは避ける。
*(“何をしているか”は理想的にはコードから自明であるべき)*
* **ユーザーのために書く:**
読み手が知りたい情報を中心に書く。
過去に自分が疑問に思ったことは、その疑問が湧いた場所に答えをコメントとして残す。
* **無意味なコメントは不要:**
クラス名や関数名から明らかなことを繰り返すコメントは削除する。
* **一貫性が最重要:**
用語・表現を統一する。
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## コメントスタイル
* **`///` を使用:**
doc コメントは必ず `///` を使う。ツールによる自動ドキュメント生成が可能になる。
* **最初に 1 文で要約:**
最初の文はユーザー視点の要約で、ピリオドで終える。
* **要約のあとに空行:**
要約と詳細説明を段落として分離することで、読みやすさとツール互換性が向上する。
* **冗長な繰り返しを避ける:**
意味が既にコードから明らかであれば、重複する説明は不要。
* **getter と setter:**
両方にコメントを書く必要はない。どちらか一方だけで十分。
* **アノテーションより前に記述:**
ドキュメントコメントはアノテーション (@override など) より前に配置する。
---
## 文体
* **簡潔に:**
余計な装飾を避け、読みやすく書く。
* **専門用語の乱用を避ける:**
広く知られた略語以外は避ける。
* **Markdown は最小限に:**
必要以上にマークダウンを使わない。HTML の使用は禁止。
* **コードはバッククォートで:**
コードブロックは ```dart で囲う。
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## 何をドキュメント化するべきか
* **公開 API は必須:**
公開 API には必ずドキュメントを書く。
* **非公開 API も検討:**
複雑な内部 API もコメントをつけると保守性が向上する。
* **ライブラリレベルのコメント:**
ライブラリ全体の概要を提供するコメントを追加してもよい。
* **コードサンプル:**
適切な場所では使用例を含める。
* **パラメータ・戻り値・例外を説明:**
関数が何を期待し、何を返し、どんな例外を投げる可能性があるかを説明する。
* **doc コメントはアノテーションの前に書くこと。**
---
# アクセシビリティ(A11Y)
多様な身体能力・認知能力・年齢・教育レベル・学習スタイルを持つあらゆるユーザーの利用を考慮して、アクセシビリティ機能を実装する。
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## 重要なアクセシビリティ実践
* **色のコントラスト:**
テキストと背景のコントラスト比は **最低 4.5:1** を満たす。
* **動的テキストスケーリング:**
システムのフォントサイズを拡大した時でも UI が崩れないことを確認する。
* **セマンティックラベル:**
`Semantics` ウィジェットを使用し、UI 要素にわかりやすいラベルを提供する。
* **スクリーンリーダーのテスト:**
Android の TalkBack、iOS の VoiceOver でアプリを実際にテストする。
Discussion