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【個人向け】Notion × Obsidianで知識管理をとにかく楽に運用する

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はじめに

Notionの強みである「データベース機能と手軽な情報収集能力」と、Obsidianの強みである「ローカルでの軽快な動作とAI連携のしやすさ」を組み合わせて、効率的な知識管理のワークフローを構築したい。この方法では、情報の入口をNotionに、知識を育てて活用する場所をObsidianに分けることで、二つのツールの長所を最大限に引き出します。

  • Notion(トップダウン型): Webデータベースとしての利用に優れている。スマホやブラウザから手軽に情報をクリップし、データベースとして整理する「情報収集のハブ」として活用します。
  • Obsidian(ボトムアップ型): ローカルで管理される純粋なMarkdownファイルが主体。プラグインによる拡張性も高いため、収集した情報を関連付け、新しいアイデアやコンテンツを生み出す「知識創造の場」として活用します。

この構成では、二つのツールを連携させ、知識の収集から創出までをできる限り簡単かつシームレスに行うための設定と運用方法を提案します。


1. 運用方法:4ステップで情報を価値に変える

このワークフローは「収集 → 集約 → 整理と関連付け → 発展と創出」という情報の流れに基づいてます。

ステップ1: 【収集】 Notionで情報を手軽にキャッチ

  • 役割: Webクリップ、読書メモ、タスクなど、あらゆる情報の一次保管場所。
  • 方法:
    • スマホ: 気になったページは「共有」メニューからNotionへ保存する。
    • PCブラウザ: ブラウザの拡張機能「Notion Web Clipper」を使い、ワンクリックで情報をNotionに保存する。

ステップ2: 【集約】 Obsidianで情報を一元管理

  • 役割: Notionで集めた情報をObsidianに集約し、ローカルナレッジベースを構築する。
  • 方法:
    • Notionデータベースの表示: プラグイン「Open Gate」を使い、ObsidianのサイドパネルなどにNotionのタスクリストやデータベースを直接表示させる。これによって、アプリを切り替えることなくNotionの確認が可能になる。
    • 重要情報の転記: Notionの情報でObsidianで深く扱いたいものは、内容をMarkdownとしてObsidianのノートに貼り付ける。
      • Tips: Webページはコアプラグイン「Web viewer」の ケバブメニュー > Save to vault で直接Obsidianの保管庫(Vault)にMarkdown形式で保存できます。

ステップ3: 【整理と関連付け】 AIとリンクで知識をつなげる

  • 役割: 保存しただけの情報を「使える知識」に変える。
  • 方法:
    • AIによる自動タグ付け: プラグイン「AI Tagger」を使い、ノートの内容をAIが解析して自動でタグを付与します。
      • Tips: AIが付与するタグはノートの先頭(YAML領域)に記述されます。二回くらいタグ付けさせるといい感じのタグをつけてくれます。
    • グラフビューの活用: グラフビュー機能でノート間のつながりを視覚的に確認し、思いがけない関連性やアイデアの種を見つけます。
      • Tips: グラフビューは 設定 > フィルタ > タグ をONにする。AIのつけたタグで自動にノードが分かれます。

ステップ4: 【発展と創出】 AIアシスタントとアイデアを練る

  • 役割: 蓄積した知識を元に、ブログ記事やレポートなどの新しいコンテンツを作成する。
  • 方法:
    • AIによる文章生成: プラグイン「Smart Composer」を使い、AIに執筆をアシストさせます。
    • 複数ファイルの参照: 複数の関連ノート(例: ノートA.md ノートB.md)を指定し、「これらの内容を統合して、ブログ記事の草案を作成して」のように指示することで、散らばった情報を元にした一貫性のある文章を生成できます。
    • 思考の壁打ち: 言葉に詰まった時やアイデアを深めたい時にAIに質問を投げかけることで、思考の流れを止めずに作業を進められます。

2. Obsidianのフォルダ構成

とりあえずシンプルな構造が継続のコツ。以下は「シンプル」に重きをおいた構成例です。

ObsidianVault/
├─ 01_Input/      # 一時的なメモ全般
├─ 02_Output/     # 作成した記事やレポートの原稿
└─ 03_Image/      # 原稿に貼るための画像

※最小限に絞っています


3. 環境設定

Notion

  • ブラウザ拡張機能: 「Notion Web Clipper」をインストールする。
    • Tips: NotionのデータベースはObsidianで見れるように「共有」しておく。

Obsidian

  1. コミュニティプラグインを有効化: 設定 > コミュニティプラグイン > コミュニティプラグインの制限を無効化 をオンにする。
  2. 必須プラグインのインストール: 「閲覧」から以下のプラグインを検索し、インストール・有効化する。
    • Open Gate: Obsidian内にNotionページを埋め込むために使用します。
    • AI Tagger: ノートの内容を元にAIが自動でタグを付けます。
    • Smart Composer: AIが文章の続きを提案・生成します。
  3. Gemini APIキーの取得と設定:
    • キー取得: Google AI Studioにアクセスし、Googleアカウントでログイン後、「Get API Keys」から新しいAPIキーを作成する。無料で十分な回数利用できます
    • キー設定: Obsidianの「AI Tagger」および「Smart Composer」のプラグイン設定画面を開き、APIプロバイダーに「Gemini」を選択して取得したAPIキーを貼り付ける。モデルは「Gemini 2.0 Flash」を選択しました。

参考:

補足:
今入れているプラグインと「Web viewer」の設定をメモ程度においておきます。


4. クロスプラットフォーム同期

Obsidianの保管庫を複数のPCで同期するための設定方法。スマホの小さい画面でObsidianは使いづらかったので、PC間の同期に重きをおいてます。

(副次的な効果ですが、ここまでやっておくとGeminiアプリにドライブ内のファイルを参照させることもできます。つまり、外出中はスマホのGeminiアプリでファイル参照させて思考の壁打ちができる。)

Google Drive

  • デスクトップアプリのインストール: Google公式を参考にデスクトップアプリをインストールする。

Obsidian

  1. Obsidian Syncを無効化: 設定 > コアプラグイン > 同期 をオフにする。
  2. 保管庫(Vault)の指定: Obsidianで開くフォルダをデスクトップアプリのGoogle Driveに指定する。
    • Tips: 先にローカルにフォルダを作っていた場合は、テーマやプラグインなどの設定情報 .obsidian のフォルダもGoogle Driveに移動しておく

参考:


まとめ

このワークフローは、「完璧なシステム」よりも「とにかく簡単に使えるシステム」 を目指しました。Notionの手軽さとObsidianのAI連携のしやすさを利用することで、人間は日々の情報収集に集中するだけで自然と知識の創造につながるサイクルが生まれるはず!「AI Tagger」や「Smart Composer」といったプラグインを導入することで、できる限り人の手から離れた知的生産基盤を構築できると思いました。


Reference

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