自動運転AIチャレンジの魅力
はじめまして、公益社団法人自動車技術会主催の自動運転AIチャレンジ2025にて総合優勝(暫定)した学生チーム「SSH」の鈴木です。念願の1位を獲れた余韻と、楽しませてもらった大会が終わってしまった喪失感に浸っております。
改めて大会を振り返ると、他では経験できないような魅力が詰まった唯一無二の大会であると感じました。大会運営の方々には本当に良い経験をさせてもらったと感謝しております。感謝の意と共に、より多くの人にこの素晴らしい大会を体験してもらうため、自動運転AIチャレンジの魅力をこの記事でお伝えしたいと思います。
1. マンネリ化しない長期の大会設計
この大会ではkaggleのリアルタイム競争する面白さ(予選)、ロボコンの実機を動かす楽しさ(決勝)の両方が味わえます。
予選はシミュレーションで2ヶ月間開催されますが、2回のアップデートにより環境が変わり、1位を独走していたチームが転落したり、注目されていなかったチームが首位に躍り出たりと、様々なドラマが待ち受けています。しかし、根幹の部分は予選を通して一貫しているため、長距離マラソン中にスプリントを繰り返すような熾烈な戦いが繰り広げられます。特に最後の3日間の追い上げは壮絶です。
ウェブ上で順位を確認できます
2006年伝説のNetflix Prizeに参戦した気分でした
決勝の3週間程前に実機を使った練習会が行われます。ここでいかに手数を打ち、データを収集するかが決勝で勝つための鍵を握ります。
会場はお台場のシティサーキット東京ベイ
決勝は悪天候の影響もあり、練習会とは違った環境で対応力が求められる走行となりました。
最後までハラハラドキドキ、全く気が抜けないジェットコースターのように刺激的な大会です。
1日目午後はスプラッシュマウンテンでした
2. 学生でも社会人とガチンコ勝負できる
多くの大会では学生部門は独立して存在しますが、この大会では混合で総合優勝を決定します。学生が時間をかけて本気で社会人の大きな壁に挑戦できる場は、なかなか貴重です。全力を出し切ることで学生は最大限成長できますし、社会人の方々にも良い刺激を与えられたのではないかなと妄想しております。
ロボコン経験者から機械学習エンジニアまで、幅広い分野から参加者が集うのも大きな魅力ですね。
3. 知見をオープンにしていく文化
解析ツールから戦略まであらゆる知識を公開してくださった昨年優勝チームのroborovskyさん、
機械学習を含めたラップタイム短縮のための知識を積極的に公開してくださったちゅら太郎さん、
データを可視化して改善策を打つという基本中の基本が肝心であることを学ばせていただいたPaper Driversさん、
決勝のノウハウを伝授してくださったTeam鬼Backsさん、
本当に様々なチームの方から多くを学ばせていただきました。
練習会にて走行のアドバイスを聞きに来てくれたNATCの皆さん、役に立てたかどうかわかりませんが正直嬉しかったです。
こういった参加者間で成長を促す文化も、自動運転AIチャレンジの大きな魅力であると感じます。予選表彰式でも述べられていたように、従来の「知識の差で利益を生む」ではなく「知識を共有して最速でソリューションに辿り着く」という現代風の競争が楽しめる場所であると実感します。
4. 1秒にかける思い
決勝はもうスポーツです。ラップタイムの1秒、いや0.1秒に各チームの創意工夫が詰まっています。
"こんなスポーツ、他にないだろ?"という感じです。
ラップタイムを更新した時のアドレナリンに、私は取り憑かれてしまいました。あなたも夢中になること間違いなしです。
5. 最高の仲間
「最速目指します」と5月終わりに宣言してド素人の僕を誘ってくれたリーダーの苗加には、自動運転AIチャレンジが無ければ深く関わることはなかったと思います。今では最高の相棒です。この大会で得られたご縁に感謝します。
では最後に行きます、
「オレ達の戦いはこれからだ!!!!!」

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