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AZ-104 を調べてみた04 ‐Azure IDとガバナンスの管理③
サブスクリプションとリソースグループの管理
サブスクリプション、リソースグループ、管理グループというAzureの基本構造を学びながら、管理や運用のベースとなる考え方を整理します。
4.1 サブスクリプションとは? ー 請求と管理のスタート地点
サブスクリプションは、Azureリソースの課金と管理の単位です。企業での利用では、「開発」「テスト」「本番」など用途別に分けて使われるのが一般的です。
✅ サブスクリプションの基本
- 契約の単位:Azureの利用料はサブスクリプション単位で計算・請求されます。
- 作成方法:Azure Portal、CLI、PowerShellから作成可能。無料アカウントでの開始もOK。
- 種類:従量課金(Pay-As-You-Go)、Enterprise Agreement (EA)、CSP など。
✅ 管理上よく出るポイント
- 表示名の変更:後から管理しやすい名前(例:dev-subscription)に変更可能。
- ディレクトリ移管:組織改編などでサブスクリプションを別のテナント(Microsoft Entra ID)に移動できます。RBACの再構成が必要になる場合もあり注意。
- 所有者の設定:RBACで「所有者」ロールを付与することで、リソース管理の全権限を与えられます。AZ-104ではこのロールの権限と違いが問われることもあります。
4.2 リソースグループの活用 ー 論理的な整理箱
リソースグループは、関連するAzureリソース(VMやストレージなど)を論理的にまとめるコンテナです。課金は発生せず、管理のしやすさを向上させる目的で使われます。
✅ なぜ必要?
- ライフサイクルの管理:プロジェクト単位で一括削除・作成が可能。
- 環境や部門ごとに分類:誤操作を減らし、利用状況も把握しやすくなります。
✅ 試験で問われやすい操作
-
作成・削除:削除時は中のリソースも一括で消える点に注意。
-
デプロイ時のルール:
- リソースは必ずどこかのリソースグループに属する。
- リソースグループとリソースのリージョンは必ずしも一致しなくてよい(ただし一貫性の観点では推奨されません)。
-
移動:
- リソースは後から別のリソースグループ、またはサブスクリプションに移動可能。
- 一部のリソースには移動制限があるため、事前に公式ドキュメントを確認しておくと安心です。
-
ロック機能(Locks):
- 「削除ロック」「読み取り専用ロック」によって、意図しない操作を防止可能。特に本番環境では有効活用しましょう。
4.3 管理グループと階層ガバナンス ー 複数サブスクリプションを束ねる
組織が大きくなり、サブスクリプションが複数に分かれると、共通のルールを全体に適用したくなります。そこで使われるのが管理グループです。
✅ 管理グループとは?
- 最上位のコンテナ:複数のサブスクリプションをまとめるための論理的な単位。
- 組織的なポリシーやアクセス権の一元管理を目的に使用されます。
✅ 階層構造と継承の考え方
- 最大6階層まで構築可能(ルート管理グループ含む)。
- 上位に設定されたRBACやAzure Policyは、下位に自動で継承されます。
✅ 管理グループでできること
-
Azure Policyの一括適用:
- 例:「特定リージョン以外にはVMを作成させない」「タグは必須」といった制限を強制可能。
-
RBACの統合管理:
- 例:「開発チームには配下すべてのサブスクリプションへのContributor権限を与える」などが実現できます。
✅ 試験でよく問われる観点
- 管理グループは「組織全体のガバナンスの起点」であること。
- サブスクリプション → リソースグループ → リソースの階層構造に、管理グループを上位層として理解しておく。
- ポリシーやRBACの継承ロジックを図で説明できると理解が深まります。
まとめ:AZ-104試験での要点
観点 | 試験ポイント |
---|---|
サブスクリプション | 種類・作成方法・ディレクトリ移動の影響 |
リソースグループ | 削除の影響、リージョンとの関係、移動可能性 |
管理グループ | RBAC/Policyの継承、階層構造の理解 |
Azureの構造を「管理の階層構造」として捉えられるよう整理してみましょう!
補足① 階層構造と権限の継承
Azure RBAC の権限は、以下の階層構造を持つ「スコープ」のいずれかに割り当てられます。上位のスコープで与えられた権限は、その下のすべてのスコープに自動的に継承されます。
🏢 管理グループ (最上位レベル)
⬇️
📋 サブスクリプション (請求単位)
⬇️
📁 リソースグループ (リソースの論理的なグループ)
⬇️
⚙️ リソース (VM、ストレージなどの個別リソース)
補足② 継承の基本ルール
上位スコープで付与されたロールの割り当ては、すべての下位スコープに自動的に継承されます。これにより、階層的な権限管理が可能になります。
ルール項目 | 説明 |
---|---|
📊 継承の流れ | 管理グループ → サブスクリプション → リソースグループ → リソース の順で権限が継承されます。 |
🚫 継承のブロック | 下位スコープでは、継承された権限を削除することはできません。継承は常に有効です。 |
➕ 権限の追加 | 下位スコープで追加の権限を付与することは可能です(継承された権限と追加権限が共存)。 |
🔒 拒否の優先 | 「拒否」の割り当てがある場合、それは「許可」よりも常に優先されます。 |
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