💬

DiscordBotをTypeScriptで書くチュートリアル

5 min read

前置き

DiscordのBotをTypeScriptで開発する記事が少なくて難儀したので,自分なりに記事を書いてみることにしました。

こういった記事を書くのは初めてなので,拙い文章ではありますが,誰かの助けになれば幸いです。

対象読者

  • Discord.jsを使用したBot開発の経験がある人

今回の記事の主軸はTypeScriptを使ってBot開発をするという点にあるため,Bot開発やNode.jsなどに関する基本的な説明はところどころ端折っています

予めご了承ください。

環境

環境 バージョン
Node.js v16.13.0
TypeScript v4.5.2
Discord.js v13.3.1
Visual Studio Code v1.62.3

エディタは好きなものを使っても構いませんが,Visual Studio CodeはTypeScript補完に関する機能が非常に強力[1]なので,TypeScriptを書く際にはVisual Studio Codeをオススメします。

手順

  1. 必要なパッケージをインストールする
  2. 初期設定
  3. 実際にコードを書く
  4. null/undefinedに対処する

必要なパッケージをインストールする

適当なフォルダの中で,以下のコマンドを実行してください。

npm init -y
npm install --save-dev typescript eslint
npm install discord.js dotenv

バージョンが表示されれば,インストールは成功しています。

npx tsc --version
Version 4.5.2

初期設定

TypeScript

以下のコマンドを実行してください。

npx tsc --init

tsconfig.jsonというファイルが新しく出来ているはずです。お好きなエディタで開いてみてください。

中身の殆どがコメントアウトされていますね。

以下の行を探し出し,コメントを外してから書いてある通りに書き換えてください

{
  // 中略
  "outdir": "./build"
  // 略
}

これはトランスコンパイルを行ったときに生成されたJavaScriptコードを出力するディレクトリを指定しています。

ESLint

npx eslint --init

対話式のセットアップウィザードが始まります。矢印キーなどを使って以下のように指定してください。

聞かれる内容 答える内容
How would you like to use ESLint? (ESLintをどのように使いますか?) To check syntax, find problens, and enforce code style
What type of modules does your project use?(どのタイプのモジュールを使用しますか?) JavaScript modules (import/export)
Which framework does your project use?(フレームワークを使用しますか?) None of these
Does your project use TypeScript?(TypeScriptを使用しますか?) Yes
Where does your code run?(コードをどの環境で実行しますか?) Browser, Node(aキーを押すと両方選択される)
How would you like to define a style for your project?(コードのスタイルはどのように定義しますか?) Use a popular style guide
Which style guide do you want to follow?(どのスタイルガイドに従いますか?) Standard
What format do you want your config file to be in?(configファイルはどのよう形式で保存しますか?) JavaScript
Would you like to install then now with npm?(npmを使用して今必要なパッケージをインストールしますか?) Yes

また,Visual Stuido Codeの場合はESLint拡張機能をインストールしておきましょう

https://marketplace.visualstudio.com/items?itemName=dbaeumer.vscode-eslint

package.json

package.jsonにnpmスクリプトを指定します。

"scripts": {
	"test": "ts-node src/main.ts",
	"start": "node build/main.js",
	"compile": "tsc -p ."
}

最後に,現在のディレクトリの中に srcbuildフォルダ,そして .envファイルを新しく作ってください。以下のような状態になっているでしょうか。

現在のディレクトリの様子
📁 node_modules
📁 src
📁 build
📄 package-lock.json
📄 package.json
📄 tsconfig.json
📄 .eslintrc.js
📄 .env

実際にコードを書く

ではコードを書いていきます。

src/main.ts としてください。

src/main.ts
import { Message, Client } from 'discord.js'
import dotenv from 'dotenv'

dotenv.config()

const client = new Client({
    intents: ['GUILDS', 'GUILD_MEMBERS', 'GUILD_MESSAGES'],
})

client.once('ready', () => {
    console.log('Ready!')
    console.log(client.user.tag)
})

client.on('messageCreate', async (message: Message) => {
    if (message.author.bot) return
    if (message.content.startsWith('!ping')) {
        message.channel.send('Pong!')
    }
})

client.login(process.env.TOKEN)

エラーが出ている行がありますが,ひとまずトランスコンパイルしましょう。

npm run compile
トランスコンパイルを実行した結果
src/main.ts:12:17 - error TS2531: Object is possibly 'null'.

12     console.log(client.user.tag)
                   ~~~~~~~~~~~

Found 1 error.

エラーの内容は,「 client.user がnullかもしれないよ」というエラーです。こういったエラーの対処法は手順4で解説するので,ひとまず置いておきましょう。

エラーが発生したものの,トランスコンパイル自体は実行されています。その証拠として build/main.js がありますね。

botを起動します。

.env ファイルに

.env
TOKEN = 'Discord Developer Portalで取得したトークン'

を書き込み,

npm run start

を実行しましょう。

botがオンラインになったら,!ping と打ってみてください。返答があれば成功です。

null/undefinedに対処する

TypeScriptはトランスコンパイラから見て,null/undefined(nullishと言います)になる値に対して実行時ではなく,トランスコンパイル時にエラーを出すようになっています

先程のエラーは「 client.user がnullかもしれない」というエラーでした。

botにログインする前にreadyイベントが発火された場合,client.usernullを返します

もちろん,null型はログイン中Botのユーザー名を示すtagプロパティを持たないので,このままでは実行時にエラーになってしまいます

ということで,client.userがnullishで無いことを保証しなければなりません。

そのような場合は,以下のように対処します。

client.once('ready', () => {
    console.log('Ready!')
    if (client.user) {
        console.log(client.user.tag)
    }
})

// or

client.once('ready', () => {
    console.log('Ready!')
    console.log(client.user?.tag)
})

上の例は理解しやすいと思います。

nullishでない値はTrueを返す性質を利用し,nullでないことを保証しています。

下の例は,オプショナルチェーンと呼ばれるもので,アクセス元がnullishであっても,エラーを出すことなくundefinedを返すようになります。

https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/JavaScript/Reference/Operators/Optional_chaining

どちらかのように対処すれば,赤波線が消えたはずです。

もう一度トランスコンパイルしてみましょう。何も表示されなければOKです。

参考にさせていただいた記事・サイト

https://qiita.com/hitori_yuu/items/02eae8b14dc6a9c91c0d

https://book.yyts.org/
脚注
  1. ちなみに,私は補完機能目当てでTypeScript使ってるまであります。paramとかわからん… ↩︎

GitHubで編集を提案

Discussion

ログインするとコメントできます